2017年11月7日、ミラノショーでVR46ブースに出展されたMYAは、XJR1300をベースとしたダートトラッカー改。バレンティーノ・ロッシのためにVR46が企画し、カタナ3.0のデザイナーでもあるロドルフォ・フラスコーリ氏がデザインしたこのマシンは、かの有名なTZ750トラッカーの現代版と言えるものだ。
ロッシとロバーツ、並列4気筒のトラッカー
1975年、AMAダートトラックでライバルのハーレーに対抗するためにヤマハが製作したTZ750ダートトラッカーは、それまで同レースで2連覇を達成していたケニー・ロバーツのためのマシン。2スト4気筒750ccのロードレーサーをフラットトラックで走らせるという規格外のモンスターだった。そのマシンにインスパイアされたのがXJR1300ダートトラッカーである“MYA”で、9度の世界グランプリタイトルを獲得したバレンティーノ・ロッシのために作られた。
ロッシの好きなXJR1300とダートラが融合
マシンを製作したVR46は「バレンティーノ・ロッシのために特別なマシンをデザインすることを考えた時、我々はすぐに彼の好きなヤマハXJR1300をイメージしました。 そして他のヤマハ車のコンポーネンツも活用して完全に新しく作り変えました。40年経った今でもヤマハのアイコンであるTZ750のような『勇敢』なバイクです。MYAはデザインスタディではなくユニークなスペシャルバイクです。バレの2つの情熱、ダートトラックとXJR1300を融合させたのです」と、マシンについて説明している。同じヤマハの世界チャンピオンであるケニー・ロバーツのTZ750を投影し、4スト時代の王者が乗るのに相応しい現代のド級直4トラッカーが完成した。