
創業1903年、アメリカ合衆国ウィスコンシン州ミルウォーキーで誕生したハーレーダビッドソンは、2023年に120周年という大きな節目を乗り越え、新たなる時代へまた走り出している。本記事で試乗レビューするのは、チョッパースタイルを現代によみがえらせた「ストリートボブ114」だ。
●文/写真:ウィズハーレー編集部 ●外部リンク:ハーレーダビッドソンジャパン
他社では真似のできない世界観を感じさせるスタイル
燃料タンクに描かれたナンバー1ロゴは、創業者の孫でありデザイン部門の責任者であるウイリー・G・ダビッドソンによって、1969年に生み出されたものだ。マート・ローウィルがAMAナショナルチャンピオンの座に就いたことを記念して描いたもので、1971年発売のFXスーパーグライドに掲げられた。
ハーレーダビッドソンの強さと速さ、そしてFX=ファクトリーカスタムを象徴するロゴとして愛され続け、最新の「FXBBSストリートボブ114」にも受け継がれている。
ストリートボブ114は、1970年代に一斉を風靡したチョッパースタイルを現代によみがえらせ、他社では真似のできない世界観を強烈に匂わせる。せり上がるハンドルは、拳を突き上げるようにしてグリップを握るミニエイプバーで、ステップはVツインエンジンのすぐ横にある。上体を起こしつつ、ひざを直角に曲げてリラックスした姿勢のまま操るのだ。
シンプルで伸びやかな車体には、余計な装飾はいらない。フェンダーは短くチョップされ、テールエンドはボブカット。メーターは目立たないようトップクランプに埋め込まれ、ヘッドライトも小ぶり。すらりとした2本出しマフラーを含め、全身をくまなくブラックアウトし、トラディショナルなOHVエンジンであることを誇示するかのように、プッシュロッドカバーのみをクロームで引き立たせた。
無駄を排した結果、ビッグツイン搭載車でありながら、300kgを切る車体重量を実現している。680mmという低いシート高から、両足がカカトまで地面にベッタリと届き、引き起こす際も自然と踏ん張りが効く。取り回しがイージーで、乗り手の体格を選ばない。幅広い層に支持されているのも納得が行く。
フロントホイールは19インチで、細身のタイヤがセットされているから、ハンドリングはヒラヒラと軽快。想像以上の旋回力があるのもまた魅力となっている。
コンフォート性を求める「グランドアメリカンツーリング」では、ラバーマウントにてエンジン懸架する一方で、「クルーザー」はエンジンをリジッドマウントし剛性メンバーに加えることで、ダイレクトなライドフィールとなっていることも最後に報告しておきたい。
味わい深い鼓動を残しつつ、不快な微振動を打ち消すためのカウンターバランサーをクランクにデュアル装備。こうしたところでも差別化が図られている。
なお、全国のハーレーダビッドソンジャパン正規ディーラーでは試乗車が用意され、気になるモデルがあればこうして乗って体験することもできる。ぜひ足を運んでほしい。
高輝度リングを備えるLEDヘッドライトは、小径かつコンパクト。フロントフォークの49mmインナーチューブはラバーブーツで保護される。メーターは小型ながら、バーグラフ式燃料計/シフトインジケーター/時計などさまざまな情報を表示し、高い機能性を確保。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
ハーレーダビッドソン専門誌『ウィズハーレー』のお買い求めはこちら↓
ウィズハーレーの最新記事
ホンダやヤマハなど国内車両メーカー用のパーツ、排気量問わずに原付からスーパースポーツ、さらにはレース関連をサポートするパーツを得意とするメーカー。今回X350用のパーツでハーレー市場に参入した。 ここ[…]
ゲイルスピード タイプE/N/R 鍛造アルミホイールメーカーとして名高いゲイルスピード。ストリートからレースシーンで活躍しているカスタムホイールだ。サイズはいずれも純正と同じF3.5-17/R5.5-[…]
欧州スタイルの正規販売店イベント 週末をハーレーダビッドソンディーラーで過ごし、ブランドの世界観の中で仲間たちと過ごす。ヨーロッパにて行われているH-D正規販売店の『HARLEY NIGHT(ハーレー[…]
クラウス:オーリンズ ツーリングモデル用フロントエンド クラウスとオーリンズとのパートナーシップにより実現した、ツーリングモデル専用設計のフロントエンド。アグレッシブな走りを支える高次元の路面追従性/[…]
空冷スポーツスター用カスタムパーツを世に送り出し続けているグリーミングワークス(大阪府)。一方で水冷スポーツスターSやナイトスター用パーツもラインナップし、自然な流れでX350用パーツの開発も手がける[…]
最新の関連記事(試乗インプレッション/テスト | ハーレーダビッドソン)
ベテランカメラマンに「これはアートだ」と言わしめる流麗なフォルム リヤタイヤが路面を蹴り飛ばすかのような、豪快で胸の空く加速フィールはスタートダッシュだけではなく、速度レンジが上がってからもまだまだ続[…]
リグニスによるカスタムコンプリートのニューモデル『フリスコスタイル』とは 「これこれっ、これなんだよなぁ」と、エボリューションVツインを知る人はもちろん、もしかしたらハーレーダビッドソンに乗ったことが[…]
2002年、「Vロッド」誕生 2002年式から2017年式まで、ハーレーのラインナップに名を連ねたVロッドシリーズ。その系譜を辿るのも興味深い。現行モデルのパンアメリカ/スポーツスターS/ナイトスター[…]
XLCRとはあらゆる点で違う ブラックに統一された精悍な車体の中で、フューエルタンクに貼られたバー&シールドのエンブレムがゴールドで彩られ、誇らしげに煌めいている。 クォーターサイズのコンパクトなフェ[…]
OHV45度Vツインの伝統を受け継ぐ史上最強エンジンは、キャラに違いあり!! 長きにわたり、ウィリーGが熱き情熱でスタイリングを手がけ、開発技術者たちとともに魂が込められ、製品化されてきたハーレーダビ[…]
人気記事ランキング(全体)
従来の理念をさらに深化させた「Emotional Black Solid」 今回注目したのは、新たなステップワゴン スパーダ専用に用意された、これまた新たなアクセサリー群です。その開発コンセプトは、従[…]
ヤマハXJ400:45馬力を快適サスペンションが支える カワサキのFXで火ぶたが切られた400cc4気筒ウォーズに、2番目に参入したのはヤマハだった。 FXに遅れること約1年、1980年6月に発売され[…]
126~250ccスクーターは16歳から取得可能な“AT限定普通二輪免許”で運転できる 250ccクラス(軽二輪)のスクーターを運転できるのは「AT限定普通二輪免許」もしくは「普通二輪免許」以上だ。 […]
最短2日間で修了可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付を除い[…]
レストア/整備/カスタム/販売など絶版車に関するすべての分野でサービスを提供 古いバイクを海外から輸入して販売する場合、車両によって程度の違いはあれ必ず整備が付随する。 元々のコンディション次第ではレ[…]
最新の投稿記事(全体)
B+COM専用キャリングケースをプレゼント! 株式会社サイン・ハウスは、オートバイ用インカム「B+COM SB6XR/ONE」を全国の2輪用品店で購入された方にかぎり、持ち運びに便利なサイン・ハウスの[…]
なぜ大型シートバッグが必要なのか? バイクには様々な種類のバッグを取り付けることができるが、大型シートバッグには、他のバッグにはない魅力がある。 高い積載能力 大型シートバッグは、その名の通り、非常に[…]
Honda E-Clutchに興味津々 バイク漫画『トップウGP』で知られる漫画家の藤島康介さんは、さまざまなバイクを乗り継いできたライダーです。 スポーツバイクを中心にいろいろなバイクを所有していま[…]
フレーム/スタンドの別体構造と自在キャスター装備で自由に移動できる 向山鉄工のオリジナル製品である「ガレージREVO」は、バイクスタンドに自在キャスターを取り付けることで、スタンドアップしたバイクを前[…]
36年の“時間”を感じる仕上がり カウルが紫外線で退色し、くすんだトーンだが、じつは緑青を用いたペイント。擦れて色が剥げ落ちた箇所も塗装だ。車体右側のエンジンケースカバーやサイドカバー、マフラーには転[…]
- 1
- 2