
ハーレーダビッドソンにとって、”カスタム”は切っても切れない楽しみのひとつ。『ウィズハーレー』誌が、多くのオーナーの参考となりそうな最新カスタム車両を紹介する。今回は、RTBモーターサイクル(大阪府)が仕立てた「ローライダーST」と「ロードキング ポリス」のクラブスタイルだ。
●文:ウィズハーレー編集部(青木タカオ) ●写真:ミヤシーノ宮下豊史 ●外部リンク:RTB MOTORCYCLE
ローライダーST:結晶塗装を巧みに用いて、とことんブラックにこだわった
ローライダーSTをベースに、ダイナを意識したクラブスタイルに仕上げた。ラッキーデイブスのサンディエゴバーは高さ16インチと迫り上がり、ワイルドなトールポジションを決定づけている。
MXスタイルとしたサンディエゴカスタムズのミニフロアボードは、上質なCNC削り出しビレットアルミニウム製。細かい凹凸状の加工によって滑り止め効果を発揮する。コーナリング時のバンク角を意識したボード裏のエッジラインは、スポーティな走りを予感させてならない。
サイドカバーやステップホルダーなどをリンクル仕上げ(結晶塗装)とし、ノーマルではブロンズのホイールをブラックで統一。足もとを引き締めている。
ノーマルでも1923ccもの排気量を持つM8モーターにはハイカムを組み込み、アルミハイフローインテークマニホールドやクラシカルなスタイルを持つS&Sトリビュートエアクリーナー、サンダーヘッダー2in1フルエキとチューニングによって最高出力117PSを発揮。
純正オプションであるロックフォード・フォズゲートのオーディオが組み込まれているのも、見逃せないポイントと言えよう。
シリンダーヘッド/ロッカーアームの支点クラック問題に対応するスタッドや各部のボルト類を、S&SやARPボルトに変更。
M8モーターには、T-Man Performance の216パワーカムをはじめ、2次エア対策にも最適な62mm径のHPIアルミニウム製ハイフローインテークマニホールド、S&Sアルミビレットタペットガイドをセット。
高さ16インチ(約40.6cm)のサンディエゴバーはグロスブラック仕上げで、長時間走行でも疲れが少ないハンドポジションが得られるラッキーデイブス製のTバーをチョイスした。
シートは高く切り立ったバックサポートを持つラペラKICKFLIPバスケット柄。武骨なミニフットボードはSANDIEGO CUSTOMSで、MXスタイルのビレットアルミニウム製。
ロードキングポリス:心臓部も強化したポリスベースのクラブスタイル
クロームパーツを排し、色彩の異なるブラックを組み合わせ統一したロードキングポリスは、AMF時代をオマージュし、カスタムペイントが外装に施された。
その一方で、ハードサドルケースは1980年代のFXRPを彷彿させるもの。特殊な手法でABS樹脂を再現している。
ツインカム88モーターは、107キュービックインチにスケールアップ。アンドリュースのハイカムを入れ、S&Sのキットでギアドライブ化も果たされているから、心臓部は強烈だ。
パフォーマンスマシンの鍛造アルミホイールを履く足まわりも強化され、フロントブレーキは6ピストンキャリパーとガルファーフローティングディスクという組み合わせ。
FOX社のリアショックアブソーバーは、ビレットアルミニウム製の1.5インチ径モノチューブ構造。マフラーは、出口に向けて口径を広げ排気効率を高める、異径ヘッダーパイプ採用のBUBセブントゥルーデュアルシステムを装着している。
ラッキーデイブスの14インチTバーやハンドガード、アレンネスのフォークブーツなど、クラブスタイルを感じさせ、センスが光る。
ポリスがベースであることを強調しつつも、西海岸のカスタムシーンを連想させるクラブスタイルにまとめて魅せるあたりがRTB流。
ウインドシールドはクロックワークスのスモーク仕様。ブラックアウトした車体に合わせてコーディネイトされている。ラッキーデイブスのサンディエゴバーは、高さ14インチと大胆に高いワイルドなライポジを形成している。
TC88を107化し、S&S製の高精度バルブスプリングやギアドライブキットが組み込まれた。
ステップアップシートは、ダイアモンドラティスステッチがレトロなサドルマン製。腰部をホールドする形状で疲れにくい。
PM鍛造アルミホイールもリンクルブラックで揃えた。
Arlen Nessのロワーフォークレッグは頑丈な鍛造ビレットアルミニウム製で、CNCマシンカットにより精緻に仕上げられた。
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
ハーレーダビッドソン専門誌『ウィズハーレー』のお買い求めはこちら↓
あなたにおすすめの関連記事
ハーレーダビッドソンサーティファイド埼玉ってどんなお店? 初年度登録から7年以内、走行距離7万km未満の中古車のうち、ハーレーダビッドソンジャパンが定める厳格な点検と整備基準をクリアしたH-D認定中古[…]
使い勝手が劇的に向上! 友人ら複数人でのツーリングで重宝するのは当然だが、スマートフォンのナビアプリの音声案内やお気に入りの音楽を聴きながらツーリングをするのが以前に比べ一般的になり、インカムの需要が[…]
外装&ホイールはカーボン! 倒立フォークほか足回り徹底武装!! バガーレースに即参戦できそうな完成度の高さだ! サイドスタンドを払った途端にわかるのは、ロードグライドスペシャルの車体がこれまで[…]
プレミアム復刻シリーズ“アイコンコレクション”から新登場!「エレクトラグライド ハイウェイキング」世界限定1750台で発売!! ビンテージモデルへの憧れを持つファンは少なくない。そんなライダーが見逃す[…]
ヘリテイジクラシック114|四半世紀を超えるラインナップ歴を誇る“遺産” 前後16インチのスポークホイールに、エレガントなディープフェンダーを組み合わせ、大柄なウインドシールドやトリプルライト、クラシ[…]
最新の関連記事(カスタム&パーツ)
CBR650R&CB650Rをもっと楽しく、ジェントルに! マフラーカスタムは出力特性を向上させるもの。そんなイメージを抱いている方はとても多いと思います。しかし、近年のバイクはノーマルでも十分パワフ[…]
スリップオンながら純正マフラーから2馬力UP! 本製品は、トリックスターがこれまでレースで培ったすべてを集約し具現化したブランド最高性能サイレンサー「IKAZUCHI」を採用。オールチタンにて構成する[…]
その姿、まるでGB400TT MkIIの正統後継者! 欧州ホンダは、2025年も例年通りカスタムコンテスを開催。これは正規ディーラーがホンダ車をベースにカスタムを手がけ、オンライン投票で最優秀マシンを[…]
ロングツーリングでも聴き疲れしないサウンド 数あるアドベンチャーモデルの中で、草分け的存在といえるのがBMWモトラッドのGSシリーズ。中でもフラッグシップモデルのR1300GSは2024年に国内導入さ[…]
筑波サーキットにH-D Xたちが集合 H-D Xでのサーキット走行をおすすめしたい。X350はあきらかにXR750をモチーフとしたデザイン。「スポーツライディングを楽しんでほしい」というメーカーからの[…]
最新の関連記事(ハーレーダビッドソン)
最新ストアデザイン「FUEL」を関東初採用 ハーレーダビッドソンの正規ディーラーを運営する株式会社陸友・モータースが、神奈川県横浜市鶴見区に新店舗となる「ハーレーダビッドソン横浜鶴見(以下HD横浜鶴見[…]
筑波サーキットにH-D Xたちが集合 H-D Xでのサーキット走行をおすすめしたい。X350はあきらかにXR750をモチーフとしたデザイン。「スポーツライディングを楽しんでほしい」というメーカーからの[…]
〈WEBIKE FESTIVAL〉2024.10.19 SAT. ロングウッドステーション(千葉県長柄町) 【X500 ヒデヨリさん】「見た目など、あえてハーレーらしさを捨てたチャレンジ精神の塊のよう[…]
7年のブランクを感じさせない”74歳”! “チームイワキ”や”K’s Garage”の名前で知られた岩城滉一さんが率いるチームは、昨シーズンから”51ガレージ”と名乗って、7年ぶりに活動を再開しました[…]
論より証拠! 試して実感その効果!! カーシャンプーやワックスなど、多彩なカー用品を手がける老舗ブランド・シュアラスター。そのガソリン添加剤シリーズ・LOOPのフラッグシップモデルが「LOOPパワーシ[…]
人気記事ランキング(全体)
【ご注意】本記事は、エンジンオイルの過剰注入がエンジンに与える影響を確認するための実験であり、一般使用車両での実施や再現を推奨するものではありませんのでご了承ください。 オイルの規定量は守らなくちゃイ[…]
インフレの今、価格破壊王のワークマンがまたやってくれた! 春から初夏にかけ、ツーリングのシーズンがやってきた。爽やかな空気を全身に浴びてのライディングは最高だ。しかし…この期間はジメジメ・シトシトの梅[…]
その姿、まるでGB400TT MkIIの正統後継者! 欧州ホンダは、2025年も例年通りカスタムコンテスを開催。これは正規ディーラーがホンダ車をベースにカスタムを手がけ、オンライン投票で最優秀マシンを[…]
圧倒的に軽いCB1000Fコンセプト。足着き性も良好だ CB1000FコンセプトをCB1300スーパーフォアと比較すると、前者の方がコンパクトで引き起こしも圧倒的にラク。ただ跨ってみると意外と大柄な印[…]
フェイスリフトと前後サスペンションの再設定 ホンダが「XL750トランザルプ」の国内2025年モデルを発売する。CB750ホーネットに似た2眼ヘッドライトを新たに採用し、センターダクトを設けたウインド[…]
最新の投稿記事(全体)
1位:CB400FOURは前期型→後期I型/II型でなにがちがう? 1974年に初登場したホンダCB400フォアは、初代とそれ以降でなにが違うのかを紹介した。ご存じ初代モデルは全車408ccのために発[…]
“Neo Retro”ロードスポーツ:2016年モデル 発売は2016年4月15日。現代的ストリートファイターのMT-09をベースに、アルミタンクカバーなど金属の質感を活かした専用外装などでネオレトロ[…]
2003年モデル概要:MotoGP直系の先進技術を取り入れたSSとして登場 2003年当時、最先端のMotoGPマシンだった「RC211V」で培った先進技術とスタイリングを随所に取り入れ開発された。初[…]
歴史的な価値のあるパーツに使われることが多いマグリコート ホイールやエンジンカバー、といっても一般的な市販モデルではなく、アフターマーケットパーツやレース用のホイールやカバー類に使われることの多い、マ[…]
ネオクラシックながら”新しさ”で対抗 ヘリテージやネオクラシックと呼ばれるカテゴリーで、登場以来絶対的な人気を誇るカワサキのZ900RSシリーズ。現代スポーツネイキッドをベースに、名車Z1を絶妙にアレ[…]
- 1
- 2