
●文:ウィズハーレー編集部(青木タカオ) ●写真:宮下豊史 ●外部リンク:IBIZA Motofactory
外装&ホイールはカーボン! 倒立フォークほか足回り徹底武装!!
バガーレースに即参戦できそうな完成度の高さだ! サイドスタンドを払った途端にわかるのは、ロードグライドスペシャルの車体がこれまでに感じたことがないほどに軽いことである。軽快な車体に強力なモーターが積まれ、自在に操れる感覚を乗り手がすぐに得られるのは、よくできたスポーツバイクに乗ったときのフィーリングと同じ。
そもそもが長距離移動を目的に開発されたハーレーのグランドツーリング。重量級クルーザーがベースとは思えない運動性能の高さを持っているから、驚きを隠せない。
どこから話していくべきなのだろうか。まずM8エンジンは、リーディングエッジの鍛造アルミビレットシリンダーが組み込まれ、129ci=2114ccに排気量を上げているが、鋭いスロットルレスポンスで、いとも簡単に加速していく。
アクセルを開ければ、瞬時にスッ飛んでいくほどにスピードを上げ、その巨体からは想像もできないほどに身のこなしが軽い。それはフェアリングを含む外装、さらにホイールまでのすべてをカーボン製にし、車体を飛躍的に軽量化していることが大きく影響している。
タンクはニーグリップができるようエグリの入った形状につくり直され、フットボードはコントロールしやすくライダー寄りに位置を上げ、旋回時のバンク角を稼ぐようポジションが見直された。
ライダーが強烈なダッシュに耐えられるよう、シートは腰回りまで深く包み込むステップアップシート。クラウスのライザーでハンドルは高く持ち上げられ、ゆったりとした堂々たるライディングポジションをつくり上げている。
放熱性に優れるビレットシリンダーのおかげもあって、街乗りで停車時間が長くなっても足に感じる熱さはなく、アイドリングも安定を保ったまま。低回転域も扱いやすく、それでいて中高回転域はパワーが漲っているから、エンジンはどこからでもパワフルで勇ましい。
クラッチレバー操作が軽く、前後ブレーキもラジアルマウントキャリパーとウェーブディスクの組み合わせで、良好なタッチと強力なストッピングパワーを獲得。カーボンホイールやアルミスイングアームによるバネ下の軽量化は、ハンドリングや車体の動きをより軽快にしている。
車線変更もスムーズで、コーナリングもよりアグレッシブ。ノーマルでは手応えのあるステアリングフィールも、落ち着きを保ちつつニュートラルで応答性に優れるものとなっている。
オーリンズの倒立フォークやリザーバータンク付きのフルアジャスタブルサスペンションは初期荷重からしなやかに動き、ハードに攻め込んでも踏ん張りが効く。
速度レンジを上げた高速巡航で大きな段差に乗り上げても車体は挙動を乱さず、ツーリングでペースアップできるだけでなく、安心感が疲労軽減につながっていく。フェンダーとサドルケースの間にリザーバータンクが備わる姿も誇らしい。
LEDライトは見る者の目をひき、シャークノーズフェアリングの2眼マスクをよりいっそう独創的なものにしている。ノーマルのプラスチックゲージハウジングなど、メーターまわりはビレットアルミによって軽量設計されたクラウス製にアップデートされ、スイングアームやミラーなどとカラーを合わせゴールドで揃えているのもアクセントとなった。
ロードグライドならではの優雅で豪快なシルエットを残しつつ、カーボン外装とエンジンモディファイで圧倒的なハイパフォーマンス化。トレンドの先端をいくカスタムと言えるだろう。
M8エンジンはLEADING EDGE’S(リーディングエッジ) のトップエンドキットにて、排気量を2114ccにまでスケールアップ。ビッグトルクをもたらすだけでなく、ビレットアルミブロックから削り出したシリンダーは耐熱性にも優れる。フットボードはFLO、ラジアルマウントキャリパーはベルリンガー製だ。
純正カウルの重量約2.5kgに対し、Hofmann Designs(ホフマンデザイン)のフェアリングは約1.4kgと軽く、BSTツインテックホイールも純正ホイールに比べ40〜60%程度の軽量化を達成した。
アルミビレットのスイングアームはTRACで、クラウスのライザーやゲージマウントに合わせてゴールドアルマイトでコーディネイトしているのも見逃せない。
燃料タンクはライダーがニーグリップできるよう形状を再設計している。
吸排気はトラスクパフォーマンスで揃え、エアクリーナーはアサルトシリーズ、マフラーはビッグセクシー2-1フルエキゾースト。
テールまわりはウインカーやテール/ストップランプを縦にビルトイン。スッキリとしたスムージング加工で、カーボン製のフェンダーやサドルケースを際立たせている。バンキン(BUNG KING)のクラッシュバーを備えるのもトレンドだ。
動画はコチラ
超弩級カスタムを生み出したイビサモトファクトリー。今濱代表に、ロードグライドを試乗したウィズハーレー青木タカオ編集長が直撃インタビューし、アレコレと聞きまくったので、その模様は動画でご覧いただきたい。
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
ハーレーダビッドソン専門誌『ウィズハーレー』のお買い求めはこちら↓
あなたにおすすめの関連記事
ロードグライドST:キング・オブ・バガーズ由来のST仕様 グランドツアラーをベースにしつつ、バガーレーサーにも通ずるスポーティーな走りに対応するべくシートをソロ仕様にし、前後フェンダーはアグレッシブな[…]
新イベント『ブルースカイミーティング』とは? 今年からスタートした新しいイベント『ブルースカイミーティング』は、「モーターサイクル(主役はライダー)」「ライフスタイル(音楽やアウトドアなど)」「ローカ[…]
スポーツスターS|水冷60度Vツインは可変バルブ機構やツインスパークを採用 フロントセクションとミッドフレーム&シートレールが分割する最新式のフレームレス構造としたシャーシに、レボリューション[…]
シンプルな装いの中に強烈な個性も持ち合わせる 初代誕生は1957年と、じつに66年も昔のこと。ビッグツインモデルととともに、長きにわたりハーレーのラインナップに欠かせないシリーズとして人気を博してきた[…]
伝説にはまだ早い! シンプルかつ普遍的なスタイルと軽快な走りで、時代を越えて幅広い層に愛され続けてきた「XLスポーツスター」。初代は1957年に誕生した超ロングセラーモデルでしたが、2022年の「フ[…]
最新の関連記事(ハーレーダビッドソン)
実績豊富なディーラーによる絶妙なバランス感覚 全国のハーレーダビッドソンジャパン販売網がカスタムの腕とセンスを競うコンテスト『バトルオブザキングス』にて2年連続で日本一になった実績を持つワタナベモータ[…]
「パンヘッドのチョッパーに乗りたい」理想像を具現化 目の肥えたファンが集まるカスタムショーに大きなブースを構え、絶え間なくハイレベルな作品を発表し続ける遠藤自動車サービス。その確かな技術力/信頼性の高[…]
X500購入後、即サーキットへ! X500を購入して、初めて乗る場所に選んだのは筑波サーキット。目一杯、駆け抜けた! ストレートでスロットルを全開にし、はばかることなくパラレルツインが限界を迎えるまで[…]
コラボイベントの事前告知はSNS 「ウィズハーレー誌とのコラボ企画! イベントの模様は誌面にて掲載されます!!」 イベント開催が決定後、すぐにハーレーダビッドソン川口、そして関連店舗のSNSやホームペ[…]
元気溌剌350か、上質感ある500か!! ウィズハーレー編集部では2023年の秋、X350の日本市場導入が発表されたのと同時に購入を決意。ハーレーダビッドソン川口にて予約を入れた。 「Vツインではない[…]
最新の関連記事(新型バイク(外国車/輸入車))
新進気鋭のクルーザー専業ブランドから日本市場に刺客! 成長著しい中国ブランドから、またしても新顔が日本市場にお目見えしそうだ。輸入を手掛けることになるウイングフット(東京都足立区)が「導入ほぼ確定」と[…]
水冷Vツイン・ベルトドライブの385ccクルーザー! 自社製エンジンを製造し、ベネリなどのブランドを傘下に収める中国のバイクメーカー・QJMOTOR。その輸入元であるQJMOTORジャパンが、新種のオ[…]
オートマ・AMT&ベルトドライブ採用の250ccクルーザー! 自社製エンジンを製造し、ベネリなどのブランドを傘下に収めることでも知られる、中国・QJMOTOR。その輸入元であるQJMOTORジャパンが[…]
左右2本出しマフラーやベルトドライブ、6速ミッションも採用 ヒョースンモータージャパンは、水冷124.7cc・V型2気筒エンジンを搭載したクルーザーモデル「GV125Xロードスター」を発売する。 挟み[…]
カフェだけじゃないバイク乗りのための空間 神奈川県座間市にある「ライダーズベース・リバティ」は、レンタルできる洗車場やピットなどを完備し、バイク用品やバイク本体(!)まで購入できるライダーズカフェだ。[…]
人気記事ランキング(全体)
カバーじゃない! 鉄製12Lタンクを搭載 おぉっ! モンキー125をベースにした「ゴリラ125」って多くのユーザーが欲しがってたヤツじゃん! タイの特派員より送られてきた画像には、まごうことなきゴリラ[…]
なぜ「モンキーレンチ」って呼ぶのでしょうか? そういえば、筆者が幼いころに一番最初の覚えた工具の名前でもあります。最初は「なんでモンキーっていうの?」って親に聞いたけども「昔から決まっていることなんだ[…]
新進気鋭のクルーザー専業ブランドから日本市場に刺客! 成長著しい中国ブランドから、またしても新顔が日本市場にお目見えしそうだ。輸入を手掛けることになるウイングフット(東京都足立区)が「導入ほぼ確定」と[…]
この外見でツーリングもOK 本気系が多様な進化を果たし、レプリカ系のフルカウルに身を包みながら街乗りからツーリングまでこなすモデルが誕生した。本気系にレッドゾーンは一歩譲るものの、後にFZR250やG[…]
エイトボール! 王道ネイキッド路線への参入予告か スズキがグローバルサイトでティーザーらしき予告画像を公開した。ビリヤードの8番玉の横には『SAVE THE DATE 4TH JULY』とあり、7月4[…]
最新の投稿記事(全体)
スズキGSX-R400R:ダブルクレードルにフルモデルチェンジ GSX-Rは、1990年に3度目のフルチェンジを敢行。新設計エンジンに加え、φ33mmダウンドラフトキャブや倒立フォークまで備えた。 フ[…]
スズキが鈴鹿8時間耐久ロードレースの参戦体制を発表! スズキは2025年8月1日(金)から3日(日)に鈴鹿サーキットで開催される「2025 FIM 世界耐久選手権 鈴鹿8 時間耐久ロードレース」に「チ[…]
エンジン積み替えで規制対応!? なら水冷縦型しかないっ! 2023年末にタイで、続く年明け以降にはベトナムやフィリピンでも発表された、ヤマハの新型モデル「PG-1」。日本にも一部で並行輸入されたりした[…]
シート後部、リヤ両サイドにある白バイの計3つのボックス 白バイのボックスは3つあります。荷物を入れるためのサイドボックス、無線機を入れる無線機ボックスがあり、サイドボックスは車両後部の左右に1つずつ、[…]
この外見でツーリングもOK 本気系が多様な進化を果たし、レプリカ系のフルカウルに身を包みながら街乗りからツーリングまでこなすモデルが誕生した。本気系にレッドゾーンは一歩譲るものの、後にFZR250やG[…]
- 1
- 2