
ハーレーダビッドソンにとって、”カスタム”は切っても切れない楽しみのひとつ。『ウィズハーレー』誌が、多くのオーナーの参考となりそうな最新カスタム車両を紹介する。今回は、マイパフォーマンスが仕立てたオールドスクールボバーの「1967 Rigid Early Shovel」だ。
●文/写真:ウィズハーレー編集部(モリヤン) ●外部リンク:マイパフォーマンス
貴重なパンショベルを搭載したオールドスクールボバー
パンヘッドモーターからショベルヘッドへの移行期に存在した、通称パンショベルとも呼ばれるエンジンが搭載されたカスタムバイク。そのエンジン内容は、基本的にクランクケース側がパンヘッド時代のもので、シリンダーより上部分がショベルヘッドとなり、そのルックスは、エンジンの右サイドから見るとすぐに判断できるというもの。ハーレーはショベルからエボリューションの時代にも同じ現象があり、そんな時代のモデルは、エンジン自体がとても貴重な存在でもある。
ここに紹介するモデルは、よく観察すると、他の部分にも様々な年代のパーツを選択しており、実に個性的な構成となっていることが分かる。
エンジンは、一目瞭然のアーリーショベル。それをリジットフレームに搭載してスプリンガーフォークを組んだ、クラシカルなボバースタイルだ。ユニークなのは、ミッションケースやクラッチのレリーズパーツにエボリューション時代のソフテイル用をチョイスして、ミッションは5速。そしてセルモーターを装着していることだろう。プライマリーケースには、おそらくショベルの後期かエボリューションソフテイル初期の物を使用しており、クラッチは乾式である。
パンヘッド時代のクランクケースへのドッキングは、ワンオフのプレートを制作して解決。実にユニークな構成となっているが、クラシカルな乗り味のエンジンと現代的なミッション。始動に手間のいらないセルモーター装着という実に個性的なカスタムとして仕上げられている。
製作はアメリカ国内で、日本には新規登録できる状態で輸入されたので、3年有効の車検取得が可能なカスタム車となっている。
フレームは、クラフテックのウィッシュボーンフレーム。頑強なリジットフレームとして定評がある。
エンジンはノーマルの1200ccで、つや消しブラックで耐熱塗装されている。オイルタンクはおそらくワンオフ製作で、容量の大きなバッテリーケースを兼ねている。
キャブレターはS&S製のEタイプ。超小型のエアークリーナーを装備して、エンジンのルックスを引き立てる。
マフラーは2イン1タイプで、アップスイープスタイルだ。ミッションケースはソフテイル用を採用。装備される5速ミッションはジムズ製である。プライマリーケースは、最高期のショベル用か。
クラッチは乾式で、ハンドレバー操作である。ハンドルバーは補強入りのワイドバー。そのセンターには最新のオートメーターが装着されている。
フロントフォークは74スプリンガーで、かなり大径のディスクブレーキを装備する。シッシバーとサイクルフェンダーという構成だ。
サドルシートは小ぶりなシングル。
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。
ハーレーダビッドソン専門誌『ウィズハーレー』のお買い求めはこちら↓
あなたにおすすめの関連記事
強さと裕福を象徴するクロームメッキの奥深き眩さ しばしば“鐡馬”と称されるハーレー。昔からカスタムの手法として人気を博してきたのが、クロームメッキだ。光沢のある銀白色の皮膜で覆われるため、外観が美しい[…]
ストリートグライド スペシャル:カスタムシーンで生まれたストリートバガースタイル 伝統のバットウイングフェアリングにショートカットしたウインドスクリーンをセットし、ミラーはフェアリングの内側にマウント[…]
ハーレーダビッドソン川口では“お客様感謝祭”を開催 季節が巡って春から初夏。いよいよバイクシーズン到来だ。今年はコロナ禍も一段落して、全国のハーレ乗りがツーリングの計画を自由に立てられることだろう。 […]
ロードグライドST:キング・オブ・バガーズ由来のST仕様 グランドツアラーをベースにしつつ、バガーレーサーにも通ずるスポーティーな走りに対応するべくシートをソロ仕様にし、前後フェンダーはアグレッシブな[…]
新イベント『ブルースカイミーティング』とは? 今年からスタートした新しいイベント『ブルースカイミーティング』は、「モーターサイクル(主役はライダー)」「ライフスタイル(音楽やアウトドアなど)」「ローカ[…]
最新の関連記事(ハーレーダビッドソン)
「パンヘッドのチョッパーに乗りたい」理想像を具現化 目の肥えたファンが集まるカスタムショーに大きなブースを構え、絶え間なくハイレベルな作品を発表し続ける遠藤自動車サービス。その確かな技術力/信頼性の高[…]
X500購入後、即サーキットへ! X500を購入して、初めて乗る場所に選んだのは筑波サーキット。目一杯、駆け抜けた! ストレートでスロットルを全開にし、はばかることなくパラレルツインが限界を迎えるまで[…]
コラボイベントの事前告知はSNS 「ウィズハーレー誌とのコラボ企画! イベントの模様は誌面にて掲載されます!!」 イベント開催が決定後、すぐにハーレーダビッドソン川口、そして関連店舗のSNSやホームペ[…]
元気溌剌350か、上質感ある500か!! ウィズハーレー編集部では2023年の秋、X350の日本市場導入が発表されたのと同時に購入を決意。ハーレーダビッドソン川口にて予約を入れた。 「Vツインではない[…]
「もっとバイクを楽しんでほしい」 そう語るのはハーレーダビッドソン高崎の武井代表。ハーレーはどちらかと言えばツーリング指向の強いモデルが多い。しかし、そのエンジンは今や2000ccに迫る勢いで年を重ね[…]
最新の関連記事(カスタム&パーツ)
「パンヘッドのチョッパーに乗りたい」理想像を具現化 目の肥えたファンが集まるカスタムショーに大きなブースを構え、絶え間なくハイレベルな作品を発表し続ける遠藤自動車サービス。その確かな技術力/信頼性の高[…]
『Wheels and Wavesフェスティバル』にカスタムマシン×11車を展示 6年目を迎えたHondacustoms(ホンダカスタムズ)、過去にはCB1000Rやレブル、CL250/CL500、モ[…]
車種別専用パーツのラインナップも豊富なキジマ バイクメーカーが開発するニューモデルは、ビギナーからベテランに至る幅広いニーズに応えるべく仕様を決定しているが、それでもすべてのライダーの希望を叶えられる[…]
X500購入後、即サーキットへ! X500を購入して、初めて乗る場所に選んだのは筑波サーキット。目一杯、駆け抜けた! ストレートでスロットルを全開にし、はばかることなくパラレルツインが限界を迎えるまで[…]
標準車用も後日リリース予定! ストリートファイター系のスパルタンなルックスで登場したホンダCB1000ホーネット。人気はブレンボやオーリンズなどの特別装備を持つ上位グレードの「SP」だが、このSPの純[…]
人気記事ランキング(全体)
日本を代表するツーリングロードのティア表だっ! 「次のツーリングは、どこへ行こう?」 そんな嬉しい悩みを抱える全てのライダーに捧げる、究極のツーリングスポット・ティア表が完成した。 ……いや、そもそも[…]
Z1、GPz900R、Ninja ZX-9Rから連なる“マジックナイン”の最新進化系 カワサキは、948cc並列4気筒エンジンを搭載したスーパーネイキッド「Z900」および上級モデル「Z900 SE」[…]
幻のヤマハロータリー〈RZ201〉 1972年東京モーターショウの最大の話題は彗星のように登場したこのローターリー車だ。水冷・横置きツインローターを搭載、また前輪とともに後輪にもディスクブレーキを採用[…]
涼しさの心臓部。それは「素材」と「構造」の魔法的組み合わせ うだるような暑さと、じっとりと肌にまとわりつく湿気。毎年繰り返されるこの季節に、多くの人が少しでも快適に過ごせる服を探し求めている。そんな中[…]
機能性を損なうことなく利便性を高めた、期待の新製品 おたふく手袋は、長年、多くのプロフェッショナルから信頼され続けている老舗軍手メーカー。同社が展開する「BODY TOUGHNESS(ボディタフネス)[…]
最新の投稿記事(全体)
オートマ・AMT&ベルトドライブ採用の250ccクルーザー! 自社製エンジンを製造し、ベネリなどのブランドを傘下に収めることでも知られる、中国・QJMOTOR。その輸入元であるQJMOTORジャパンが[…]
『ヤングマシン電子版7月号』WEBマガジンの閲覧も読者プレゼント応募も”無料”! 現在、当サイトのトップページに掲載中の『ヤングマシン電子版7月号』において、豪華商品が当たる読者プレゼントを実施中だ![…]
Paceプロジャケット:高い安全性と通気性を両立 前面のMロゴがスポーティな印象を与える新作ジャケット。伸縮性と耐摩耗性に優れたアウター素材が、ワインディングからロングツーリングまであらゆるシーンで動[…]
ドリームはホンダ初の本格バイク 1947年のA型からプロトタイプのB型(1948年)、エンジンに加え自転車フレームも初めて自社製としたC型(1949年)を経て1949年8月に登場したのがドリームD型と[…]
K-2439 フルメッシュロングジャケット:スタイルと機能を両立するツーリングジャケット 腰までしっかりと覆う安心感のあるロング丈でありながら、後襟から袖口へ流れるように入ったラインデザインと、ウエス[…]
- 1
- 2