![[バイク歴史探訪] BMWモトラッド:ボクサーエンジンの雄、生産撤退の窮地を救ったのはユーザーの購買運動だった!](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/11/attachmentfile-file-22981.webp)
●文:根本健(ライドハイ編集部)
ボクサーエンジンの誕生、最強バイクとして世界中でコピー
BMWといえば、2輪メーカーとしてスーパーバイクS1000系からボクサーのRシリーズなど、スポーツバイクで世界トップに位置づけられるメーカーだ。
そのBMWが、じつは1970年代に2輪生産から撤退を決断するまでの状況にあったのをご存じだろうか?
1923年にR32で、航空機エンジン製造からオートバイメーカーとしてスタートしたBMW。それまでオートバイ生産は、エンジン製造メーカーから買い付けたアッセンブリー工場が、変速機(ミッション)やクラッチにホイールやタイヤにチェーンなどをパーツメーカーから調達していたのだが、BMWはホイールやタイヤなどを除きほとんどを自社で生産する方式が始めたのだ。
1923 BMW R32
なぜなら、天才エンジニアのマックス・フリッツによって、水平対向(ボクサー)エンジンはクラッチからミッションまでひとつのユニットに収め、駆動系をシャフトドライブにして一体化した設計だったからで、当時では考えられない耐久性を誇っていた。
さらに水平対向エンジンは、クランクシャフトから上にシリンダーなど重量パーツがない構造で、この地を這うような低重心は、まだ非舗装路だらけだった道路環境で抜群の安定性から、レースでも最速。
しかも、第二次大戦ではアフリカのロンメル将軍の戦車部隊をサポートしたのがBMWの水平対向と知られ、世界中の軍用バイクがBMWをコピーしていたのだ(米陸軍のハーレーも!)。
2輪生産から撤退の窮地から甦らせたユーザーの購買運動
そんな無敵を誇ったBMWも、戦後は舗装路化が進み、コーナリングでシリンダーヘッドが接地するボクサーは、トライアンフやBSAなど英国メーカーにシェアを奪われ、ツーリングバイクとしての道を切り開きつつあった。
そこに決定的なダメージとなったのが、ホンダCB750フォアを筆頭とする日本メーカーの4気筒攻勢。英国メーカーは倒産し、イタリアンが細々と続くなか、空冷ビッグツインは排気ガス規制で大幅な性能低下から逃れられない将来が明白となっていった。
パワーダウンを排気量アップで凌ぐ排気ガス規制想定テストで、1600ccでも40psにしかならない結果に、BMWは2輪撤退を議論、一時は終了する結論まで至った。
しかし、クルマメーカーとして世界のトップクラスにあるBMWの、もともとのルーツは2輪。やめることはたやすいが、それならば独自の道を歩むことに徹して、マイノリティでもオートバイメーカーとして誇りある活動を続けようという気運が高まったのだ。
BMWは開業時のR32コンセプトへ原点復帰しようと、将来的に排気ガス規制への対応が可能な1000cc水冷4気筒DOHC燃料噴射エンジンを開発、それを縦置きにしてシャフトドライブまでを一体化する構成としたのだ。
だが、このK100シリーズの開発中に、BMWではひとつの“事件”が勃発していた。
それはパリダカールラリーへの参戦だった……
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
ライドハイの最新記事
805ccは4,500rpmの低回転で7.0kg-mもの強大トルク! 1990年、スズキは創業70周年を迎え、その記念のひとつとして国内モデルが750ccを超えて認可が得られるようになったのを機に、8[…]
少し重くなるけれどリーン過程で変化のないハンドリングを優先して流行りのツインチューブを捨てた! 1990年の冬が明けてすぐ、スズキからGSX-R400Rのイヤーモデルではなく、フルモデルチェンジのマシ[…]
スーパースポーツより贅沢な感性を追求した最速頂点バイク! 1984年、それまで空冷DOHC4気筒で牙城を守り続けたカワサキが、初の水冷化と先鋭フルカウルのGPZ900R Ninjaで世界最速宣言を謳っ[…]
天敵ゼファーをターゲットから外しホンダDNAのスーパースポーツを目指す! 1992年のリリースから、実に30年ものロングセラーを記録した空前のヒット作、ホンダCB400スーパーフォア。 実はこれより前[…]
砂漠やオフロードの踏破をテーマに開発していたドリームバイクの途中経過報告! 1991年の第29回東京モーターショーに、スズキは3種の「2駆」もしくは2WD、つまり前後輪とも駆動する試作バイクを参考展示[…]
最新の関連記事(名車/旧車/絶版車 | BMWモトラッド)
ボクサーエンジン100年の歴史 BMWボクサーといえばGS。巨大な車格で周囲を圧倒する迫力で、これを駆るベテランライダーの何と自信に満ちた振る舞いなことか。 いま流行りでどのメーカーもラインナップして[…]
個展は12日(日)まで開催 「オープン前からたくさんの方が並んでくれていてビックリしました。誰も来てくれなかったらどうしようかと思ってましたから」と46Works代表の中嶋さんは笑う。 僕が訪れたのは[…]
ルックスだけじゃない走る装備を備えた46Worksのカスタム BMWやモト・グッツィをベースにカスタムバイクを製作するカスタムファクトリー『46Works(ヨンロク・ワークス)』が、東京・世田谷区三宿[…]
BMWのスクーター・Cシリーズの1号車「C1」 BMW Cシリーズといえば、400ccクラスのC400X、C400GT、そして2022年4月に発売となる電動スクーターのCE 04がラインナップされる、[…]
電子制御の隆盛に伴い液晶メーターが普及 急速に一般化したスマホと合わせるかのように、全面液晶パネルのメーターが導入が進んだのは’00年代末からだ。ドゥカティら海外メーカーのスーパースポーツが、トラクシ[…]
最新の関連記事(ネモケンのこのバイクに注目)
新型4気筒を待ち焦がれていたホンダファン CBにXが加わった車名のCBX400Fは、1981年10月にデビュー。バイクブーム真っ只中で爆発的な人気を誇ったホンダの切り札となったマシンだ。 実はカワサキ[…]
特別な存在をアピールする“衝撃”=IMPULSEと名付けたバイク スズキには、1982年から400ccネイキッドのシリーズに「IMPULSE(インパルス)」と銘打ったバイクが存在した。 IMPULSE[…]
250ccの4気筒はパフォーマンスで不利。それでも届けたかった4気筒の贅沢な快適さ 250ccで4気筒…。1982年当時、それは国産ライバルメーカーが手をつけていないカテゴリーだった。 1976年にD[…]
一般公道は乗りやすさ最優先、そのコンセプトを後方排気でピュアレーシーへ ヤマハは、1980年にレーサーレプリカ時代の幕開けともいうべきRZ250を発売。一躍250ccをビッグバイクを凌ぐパフォーマンス[…]
スーパーバイクが2気筒なら1000ccまでOKとなり、ホンダVTR1000Fとともに新チャレンジが始まる スズキは、知る人ぞ知るVツインスポーツにチャレンジしていたメーカー。いまもSV650系をはじめ[…]
人気記事ランキング(全体)
ライダーに向けた特別な仕様のInsta360 X5(限定版) 誰でも手軽に映像作品や写真をSNSなどでシェアできる時代、スマホでの撮影でも問題ないが、他とは違うユニークな映像や写真を撮影したいと考える[…]
1300馬力は予選ごとにタービン交換がマスト チーム・ロータスが1986年のF1に投入した98Tは、前年度にNo.2ドライバーだったセナを初めて優勝に導いた97Tを改良して作られたマシン。サスペンショ[…]
日常の足として”ちょうどいい”を訴求 日々の買い物、駅までの送迎、あるいは農作業。そんな日常の足に、大型の自動車はオーバースペックであり、重い維持費がのしかかる。かといって、二輪車は転倒のリスクや悪天[…]
【2026年モデル】カワサキ「W175 L / STREET」インドネシアで登場! FI&ABS搭載で信頼性十分 カワサキはインドネシア市場向けに、クラシカルなスタイリングが特徴のアンダー200cc[…]
待望のホンダ・ネオクラシック 124psを発揮するスーパースポーツ譲りの999cc直列4気筒エンジンを搭載し、2025年に満を持して登場したホンダ「CB1000F」および上級仕様の「CB1000F S[…]
最新の投稿記事(全体)
2泊3日から1週間以上の旅までカバーする可変容量 このシートバッグの最大の特徴は、荷物の量に応じて容量を45Lから65Lまで調整できる可変システムにある。通常時の45Lであれば、テントやシュラフを含め[…]
3/5:スズキ「ジクサー150」 驚異の低燃費で知られる軽二輪ネイキッド「ジクサー150」の2026年モデルが3月5日に発売される。WMTCモード燃費50.0km/Lを誇る154cc空冷単気筒エンジン[…]
写真とムービーで構成 全日本ロードレース選手権をテーマとした写真展が4月4日(土)から23日(木)までの期間、愛知県名古屋市の「ソニーストア名古屋」にて開催される。バイクレースの魅力に迫る写真展だ。 […]
BRL(ベーシックライディングレッスン)とは? 1991年から親しまれてきた「グッドライダーミーティング」が2024年度から名称変更された講習会がBRL。最大の変更点は、参加対象を「公道での運転に不安[…]
インカムの”欲しい”を詰め込んだデイトナの新型 インカムは、もはやツーリングにおいてナビや音楽再生、そして安全な意思疎通を担保するための必須装備として定着している。しかし、山間部や入り組んだルートにお[…]
- 1
- 2


![1923 BMW R32|[バイク歴史探訪] BMWモトラッド:ボクサーエンジンの雄、生産撤退の窮地を救ったのはユーザーの購買運動だった!](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/11/bmw_motorarad_20231025_01-768x432.jpg)







































