
スーパースポーツ/レーサーレプリカ/レジャーバイク/ネイキッド…。さまざまなカテゴリーのバイクが爆発的に拡大した1980年代。当時10代から20代だったライダーは、今や50代から60代にさしかかるものの、’80年代のバイクと同様にまだまだ元気いっぱい。「80’sミーティング」に集まる仲間たちは皆、ピュアでビビッドなあの頃の感性を持ち続けている。3年ぶりの開催となった今回、過去最高の人数と台数が集まったのも、このイベントがどれほど待ち望まれていたかを如実に物語っている。
●文/写真:モトメカニック編集部(栗田晃)
3年ぶりの開催で過去最高の参加者を記録
2004年に第1回が開催されて以降、’80年代のバイクにこだわるライダーから圧倒的な支持を受けて開催されてきた「80’sミーティング」。CB750フォアやZなどの1970年代の絶版車と比べて、1980年代のバイク界は機種も台数も爆発的に増加した上に、’70年代に現役で乗っていたライダーより年齢層が若く、なおかつ生産台数が多かったおかげで残存台数が多く、中古車の価格もリーズナブル。
つい10年ほど前まではそんな調子で語れた’80年代車も、今では気軽に手を出せる存在ではなくなりつつある。1972年デビューのカワサキZが50周年なら、’80年代車も次々と40周年を迎えるのだから、プレミアが付くのも当然である。
だがこのミーティングに集まるのは、心底この年代のバイク=愛車に惚れ込み乗り続けているライダーばかりだ。ワンオーナーで30年以上所有している人、自分の年齢より上のバイクを買った若いライダー、同じ機種を買い換えながら乗り続けるオーナー。誰もが明確な意志で愛車を選んでいる。
コロナ禍のため2年見送り、2019年以来3年ぶりの開催となった2022年、2日間の開催で過去最高の255台が参加したのも、ミーティングの開催を待ちわびたライダーの思いの現れといえるだろう。
憧れ/こだわり/腐れ縁…。80’sな愛車から離れられない理由とは?
カワサキZX-10:ボリューム感のあるテールがお気に入り。10万キロ目前も、走り続けることで絶好調
バイク雑誌の特集記事で見たのをきっかけに、1992年に4年落ちの中古車を購入。マフラーやアップハンドルなど以外、外装や足まわりもノーマル状態をキープし続けて、10万km間近まで走り続けてきた。「図体は大きく見えますが、乗ると軽くて、長距離ツーリングでもワインディングでも疲れず快適。自分には代わるものがない良いバイクです」と大絶賛。
「カワサキの大型が欲しい」とZX-10を購入。現代のバイクにないデカいヒップもお気に入り。弱点のオルタネーターやウォーターポンプは交換したが、エンジン本体やキャブは一度もオーバーホールしたことがないほど好調。その秘訣は“走り続けること”だそう。
カワサキ ゼファー:インパクトがスゴかった初期型。現在も完全ノーマルスタイルをキープ
KMX125でツーリングを楽しんでいたオーナーが、ゼファー登場時の雑誌広告を見たのが21歳の時。郷愁を誘うビジュアルに「これは旅バイクにピッタリだ」と即購入。6年ほど乗った後に、自宅の農機具小屋に入れてそのまま長期放置状態になったが、2019年に友人(下で紹介する3型カタナオーナー)に誘われリターン。半年間磨き続けて、フルノーマルスタイルで復活させた。
30 年近く放置したが屋根付き環境が幸いして、交換した部品はブレーキ周りとチェーン程度で、その他はひたすら磨き続けた。「私にとってのゼファーは純正スタイルなので」メーターもマフラーも交換せず、オイル漏れの純正リアショックはテクニクスでOH。
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
バイクいじりの専門誌『モトメカニック』のお買い求めはこちら↓
あなたにおすすめの関連記事
4連バキューム調整でアイドル安定。吹けもヨシ! 前編ではキャブレターを分解/洗浄し、一部のジェット類の交換を行った。今回の後編では、スロットルの開け締めで動きがイマイチな点をまず改善する。 問題がある[…]
完全分解ではなく連結分解でパーツ交換 まず、インテークマニホールドのバンドを緩めて、フレームの隙間から上方に引き抜いて作業開始。マニホールドのひび割れや亀裂は二次空気を吸い込む原因になるので、劣化が進[…]
長年乗りっ放しなら、キャブレターも分解洗浄 モトメカニック編集部に入庫中のカワサキ バリオスは、知り合いが販売店でNCNR(ノークレームノーリターン)にて格安購入したもの。調子が悪いので編集部でチェッ[…]
絶版車に楽しく安心して乗れる、納車時のモディファイ提案が好評 モトジョイの母体であるオーヴァーレーシングプロジェクツは、アフターマーケット向けにマフラーやステップといったパーツを販売しながら、1980[…]
タイヤのグリップを最大限に発揮させて安全マージンを増やす。アドバンテージのオリジナルパーツで足周りをグレードアップ キャストホイールや倒立フロントフォークなど、絶版車ユーザーには信じられないようなパー[…]
最新の関連記事(名車/旧車/絶版車)
ゼファーとは真逆のコンセプトで独り勝ちを掴む! 1989年のカワサキZEPHYR(ゼファー)をきっかけに、カウルのないフォルムをネイキッドと呼ぶカテゴリーが瞬く間に人気となった。 続いて1991年に、[…]
後発のライバルとは異なる独創的なメカニズム 近年では、日本製並列4気筒車の基盤を作ったと言われているCB750フォア。もっとも細部を観察すると、この車両のエンジンには、以後の日本製並列4気筒とは一線を[…]
日本仕様はたったの2️種類 各国独自の特別仕様車を除けば、Z1-Rには初代とII型の2種類しか存在しない。ただしZ1-RIIのサイドカバーエンブレムは、欧州仕様:車名そのまま、北米仕様:IIナシのZ1[…]
ネイキッドブームの立役者もライバル続出で遂に対抗刷新! 1989年、カワサキがリリースしたZEPHYR(ゼファー)は、レーサーレプリカ熱が冷めたタイミングもあって、瞬く間に400ccクラスの販売トップ[…]
BIG-1が培った価値はホンダのヘリテイジになる ’91年の東京モーターショーに忽然と姿を現したCB1000スーパーフォア。現在のようにネットやSNSもない時代で、事前情報などは一切なく、まさに突然の[…]
最新の関連記事(モトメカニック)
“思い出の1台”に乗りたい バイクメーカーがニューモデルを開発する際は、ユーザーがそれを受容できるか、あるいは新たなマーケットを作り出せるかが重要。レーサーレプリカもネイキッドも、それがウケると分かっ[…]
単気筒1ボディと4連キャブでは洗浄段取りに違いあり。 超音波洗浄が可能なら、完璧に近い仕上がりに!! いつかそのうち乗るつもり…という「いつか」が数ヶ月から数年になり、もうダメか…となるのが長期放置車[…]
ギボシ端子取り付けのポイントをおさらい バイクいじりのレベルやセンスは、その人が手がけた作業の跡を見れば一目瞭然。電気工作なら配線同士をつなぎ合わせる際、芯線をねじってビニールテープでグルグル巻きにし[…]
バイクとの親和性はスマホを圧倒的に上回る AKEEYOが販売する「AIO-6LTE」は、太陽光の下でもはっきり見える視認性の高い大型6インチのIpsモニター、Wi-FiとBluetoothによるスマホ[…]
販売終了が続く絶版車用純正部品を信頼のMADE IN JAPANで復刻 長期間不動状態だったバイクを再始動する際、キャブレターやガソリンタンクの状態もさることながら、クラッチの張り付きも懸念事項のひと[…]
人気記事ランキング(全体)
世界初公開のプロトタイプ&コンセプトモデルも登場予定! ホンダが公式素材として配布した写真はモーターサイクルショー展示車および鈴鹿8耐時点のもの、つまりミラー未装着の車両だが、JMS展示車はミラー付き[…]
YZF-R1/R6のレースベース車が受注開始! ヤマハがロードレースやサーキット走行専用モデル「YZF-R1 レースベース車」と「YZF-R6 レースベース車」の発売を発表。いずれも期間限定の受注生産[…]
夏のツーリングで役立つ日除け&雨除け機能 KDR-V2は、直射日光によるスマホの温度上昇や画面の明るさ最大時の発熱を軽減するために日陰を作る設計です。雨粒の付着で操作がしにくくなる場面でも、バイザーが[…]
通勤エクスプレスには低価格も重要項目! 日常ユースに最適で、通勤/通学やちょっとした買い物、なんならツーリングも使えるのが原付二種(51~125cc)スクーター。AT小型限定普通二輪免許で運転できる気[…]
ウィズハーレー掲載記事のウラ側がわかる 俳優/タレント/サックスプレイヤーとしても活躍する武田真治さんが、故郷・北海道を同級生たちと結成するハーレーチーム「BLACK NOTE」とともに駆け抜けた!ハ[…]
最新の投稿記事(全体)
スマホ連携機能で魅力を増した、ボッシュ製ARASを備える最高峰ツアラー カワサキは「ニンジャH2 SX SE」の2026年モデルを11月1日に発売する。カラー&グラフィックの変更およびスマートフィンア[…]
地面を感じる直進安定性で日常の移動を安心快適に 決勝レース1で自己最高となる2位を獲得した第3戦を終え、全日本ロードレース選手権は8月下旬まで約2ヵ月間の夏休み。その間もいろいろと忙しいのですが、やっ[…]
ゼファーとは真逆のコンセプトで独り勝ちを掴む! 1989年のカワサキZEPHYR(ゼファー)をきっかけに、カウルのないフォルムをネイキッドと呼ぶカテゴリーが瞬く間に人気となった。 続いて1991年に、[…]
フレディ・スペンサー、CB1000Fを語る ──CB1000Fのインプレッションを聞かせてください。 とにかくすごく良くて、気持ちよかったよ。僕は何年もの間、新しいバイクのテストをしてきた。HRCのテ[…]
まさかのコラボ! クロミちゃんがホンダバイクと出会う ホンダがサンリオの人気キャラクター「クロミ」と、まさかのコラボレーションを発表した。クロミがバイクに乗りたくなるというストーリーのオリジナルアニメ[…]