モトジョイの母体であるオーヴァーレーシングプロジェクツに対するイメージは、世代ごとに異なるかもしれない。1980年代からのライダーにとってはレースコンストラクター、シングルブームを知るライダーには世界を征した王者として、現行車オーナーにとってはマフラーやポジションパーツのメーカーとして、そして絶版車好きにとってはお馴染みのモトジョイとして。創業から40年に渡ってこれほど多様な事業を展開する企業は多くない。その好奇心が絶版車オーナーにも強く共鳴している。2005年当時主流だった16.5インチタイヤを17インチに変更した以外、当時の仕様のまま2022年に蘇ったOV-23XV。当時も、レースならYZF-R1用エンジンの方が適しているのは承知の上で、他人が思いつかない道を選ぶことで独創性を発揮してきた。
●文/写真:モトメカニック編集部(栗田晃) ●外部リンク:モトジョイ
絶版車に楽しく安心して乗れる、納車時のモディファイ提案が好評
モトジョイの母体であるオーヴァーレーシングプロジェクツは、アフターマーケット向けにマフラーやステップといったパーツを販売しながら、1980年代半ばから自社で製作したフレームを用いたレース活動を行うコンストラクターとして活躍してきた。
勝利することが重要なレースの中でも、他人とは異なる独自性やユニークな発想で、たとえばクルーザーモデルのヤマハXV1700のエンジンを使ったマシンで鈴鹿8耐へのエントリーも果たしている。
OV-23XVと名付けられたこのマシンは、2005年の鈴鹿8耐に出場したのだが、それから17年後の2022年、箱根で開催されたバイクイベントの際にアネスト岩田ターンバイクでデモンストレーションランを行った。レース用マシンはレースが終わればお役御免となるのが通例だが、オーヴァーレーシングでは歴代のレーサーの大半を今も保有しており、軽整備によって走行可能な状態を維持しているという。
過去のレース用マシンとモトジョイが販売する絶版車は、どちらもレガシーとしての価値や重要度が増す点で共通している。長く楽しみ、次世代にまで引き継ぎたいという思いで絶版車を購入し、整備を依頼するなら、モトジョイはまさに最適なショップといえるだろう。
突然不調になることもある電装系。信頼と実績のウオタニSPIIへの変更が定番メニュー
1970年代から1990年代まで幅広い年式の絶版車を販売するモトジョイでは、車両1台ごとのコンディションに応じた整備を行う。手がけることの多い6気筒CBX やCB-F系はウィークポイントも熟知しており、エンジンオーバーホールも頻繁に行っているが、ノーマル状態で乗るにしてもカスタムするにしても、必須といえるほどのおすすめメニューがASウオタニSPIIフルパワーキットの装着だという。
旧車レーサー製作はお手の物
人気のオリジナルメンテリフターは工場内でも大活躍
一方、そのモトジョイが販売する油圧式電動バイクリフトは同社工場内でも活躍。毎日の用に重量車をリフトアップするプロユースでも機能性/安全性が高く、問題なく使用している。
家庭用コンセントにつなげるAC100V仕様なのが魅力で、バイクショップやサンメカガレージで好評を博している。強固なパンタグラフ式フレームの耐荷重は500kgで、大型車を載せても昇降はスムーズで、最大1000mmまで上昇させても剛性不足を感じることはない。
モトジョイの工場内では5台が稼働中で、修理や整備で活躍中だ。エンジン/キャブレター/下まわりに触れる際に作業者がしゃがみ込んだり寝転ぶ必要がないため、長時間に及ぶ作業時の疲労度が大幅に軽減する。バイクリフトの本体定価は31万9000円(2023年4月より改訂予定)だ。
モトジョイ販売車両以外も整備/メンテナンスOK
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