
高性能リヤショックを装備し、スポーツ走行やワインディングを楽しむライダーなら、リヤショックユニットのオーバーホールやセッティング変更は当たり前だろう。しかし、ツインショックで旧車用ともなるとなかなか手を出せないし、対応してくれるショップも少ない。そんな中、サスペンションのプロショップであるテクニクスは、以前は取り扱っていなかった旧車ファン御用達のリヤショック=オランダKONI製ツインショックのオーバーホールの取り扱いを開始した。単純なオイル交換だけではなく、傷んだオイルシールはオリジナル部品で対応してくれるなど、旧車ファンには心強い。
●文/写真:モトメカニック編集部 ●外部リンク:テクニクス
サスペンションのプロショップならハイレベルな要望にも応えてくれる
コシのある動きで車体の挙動を受け止め、ライダーとの一体感を高める大切な部品、それが前後サスペンションの役割である。ライダー個々の好みに合わせたセッティングも重要だが、それ以前に、オイル交換などの“通常メンテナンス”がもっと重要なのは言うに及ばず。そんなメンテナンス要望に対して、ハイレベルに応えてくれるのが、サスペンションのプロショップである。
埼玉県春日部市にファクトリーを構えるテクニクスは、数多くのオーダーや業務効率をより一層高めるために、同じ春日部市内にファクトリーを移転した。それと同時に、ここ数年、特に問い合わせが多い旧車用サスペンションのオーバーホールサービスにも積極的に取り組む考えがあるそうだ。
問い合わせが多いリヤショックのひとつに、オランダのコニ(KONI)製ツインショックがある。以前はオーバーホール用パーツの関係で受注対応していなかったが、現在はオリジナルパーツを開発製造し、オーバーホール依頼に対応できる体制を整えているそうだ。
「旧車が大人気ですが、それに合わせて旧車用サスペンションに関する問い合わせも増えています。車両を預かってオイル交換やオーバーホールなどを受注することもあります。以前からコニ製ツインショックは問い合わせが多かったので、ニーズに対応できるようにしました」とは同社メカニックの宇佐見氏。
オランダのコニやイタリアのマルゾッキと言えば、1970年代から高性能リアショックの代名詞として数多くのライダーに愛されてきたため、現在の旧車シーンでも注目されるスペシャルパーツなのだ。国産車の純正部品も含めて、分解可能なリヤショックなら、オーバーホールしたいのがユーザー心理だろう。旧車用サスペンションにも積極対応してくれるテクニクスは、今後も要注目である。
左がKONIから取り外した部品で、右はコニ用に製作されたテクニクスオリジナルのシールヘッド。ダンパーロッド径に合わせた既存オイルシールで、シールヘッドは削り出し製作されている。旧車ユーザーには嬉しい展開だ。
レースシーズンがオフになると、モトクロッサーやロードレーサー用サスペンションのオーバーホールオーダーで大忙しのテクニクス。現在は1年を通じて様々なユーザーからメンテナンスオーダーが入るそうだ。
【テクニクス コニツインショック フルメンテナンス】 ●税別価格:3万8000円
分解したパーツは汚れ取り洗浄だけではなく、超音波洗浄によって、オリフィス細部に至る通路内の洗浄を徹底的に行っている。完成したリヤショックは素晴らしい作動性を約束してくれる。
ツインショックのオーバーホール時は、ダンパーロッドの汚れ取りと磨きが行われる。サビの発生でダンパーロッドを再利用できない際には、再ハードクロームメッキで対応することもできる。各種コーティングも可能だ。
ボディとスプリングの摺動キズを防止するカバー。組み込まれていた部品が摩耗で切れていたため、ユーザーからのリクエストで部品交換された。オーバーホールメニュー外のオーダーになるため、コストは都度見積りとなる。
※本記事は“モトメカニック”が提供したものであり、文責は提供元に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
バイクいじりの専門誌『モトメカニック』のお買い求めはこちら↓
あなたにおすすめの関連記事
スイングアーム×フレームピボット、単品作動確認でコンディションがわかる!! 沈み込みコンディションばかりを気にしてしまいがちなサスペンションだが、作動状況は全域で重要なことを忘れてはいけない。例えば、[…]
高圧洗浄で落としきれないフェンダー裏やホイールリムにも 「バイクウォッシュ」の液性は弱アルカリ性で、汚れた部分に水をかけた後にスプレーすることで、洗浄成分が科学的に汚れを分解し、界面活性剤が吸着して引[…]
倒立フォークとラジアルタイヤの足周りにもクロモリパイプフレームの許容度は充分 2021年11月のKAGURADUKIステージで、テイストオブツクバ・ハーキュリーズクラスに初参戦したオーヴァークラシック[…]
折りたたみコンテナ:あの部品はどこに入れたっけ…? そんな悩みを解決する側面開きが魅力 幅510×奥行325×高さ355mm、容量50Lの折りたたみコンテナは、四方の各側面がワンタッチで開閉できるのが[…]
販売終了が続く絶版車純正パーツ事情に一撃。純正を上回るクオリティを目指す バイクの燃料タンクは、プレスで成型されたパーツをつないで製造される。車体の中で重要度が増すほどデザインは複雑になり、素材や製法[…]
人気記事ランキング(全体)
スタイルだけでなく中身も”スペチアーレ” とかく値段が取りざたされがちなGT-R50ですが、パフォーマンスも値段相応の素晴らしさです。GT-Rマニアにはお馴染みのNISMOパッケージ、すなわち600p[…]
日本車と欧州車がおおよそ半々 マン島をバイクで訪れるには、リバプールやヘイシャムなどの港まで自走し、「スチームパケット社」が運行しているフェリーを利用するのが一般的だが、小型ボートをチャーターしてバイ[…]
マツダGT-Rを名乗るは「マツダ323」、つまりは… いうまでもなくマツダ323とは日本名ファミリアのこと。こちらは1989年デビューの7代目(BG)のGT-Xをベースに数々のカスタムを加えたモデル。[…]
オートマ・AMT&ベルトドライブ採用の250ccクルーザー! 自社製エンジンを製造し、ベネリなどのブランドを傘下に収めることでも知られる、中国・QJMOTOR。その輸入元であるQJMOTORジャパンが[…]
先進の冷却機構を備えたフルフェイス カブトの展開するフルフェイスヘルメット「SHUMA」最大の特長は、「ウルトラクールシステム」と称される独自の冷却機構だ。その秘密は風洞実験によって作り上げられた、フ[…]
最新の記事
- 400ccクラスのVツインクルーザー! QJMOTOR「SRV400VS」7月より入荷、シート高734mmで77万8000円
- [高校生のバイク問題]地域活性化イベント“伊豆ライダー誘致ツーリング”に移動課題改善のヒントが!
- スズキワールド、レンタルバイクサービスを多摩店でも開始! 話題の新型バイクを気軽に体験
- 【動画】白バイ直伝! 究極の安全ライテク[令和ver.] #9:必見! 300kg超の白バイ引き起こし術
- エフの咆哮を胸に抱け! 『バリバリ伝説』Tシャツが新登場
- 1
- 2