2009年、再燃するスーパーバイク戦国時代に新生GSX-Rを投入!
2017年 GSX-R1000R
GSX-Rが30年以上追求してきた「走る・曲がる・止まる」というスポーツバイクの基本性能に、MotoGPテクノロジーを融合したGSX-R1000R。プロダクトコンセプトは「The King Of Sportbike」。
2009年以来8年ぶりのフルモデルチェンジとなるGSX-R1000が登場。ライバル車としてヤマハは2015年にフルモデルチェンジで電子デバイスも満載したYZF-R1をリリースしており、カワサキは2013年にワールドスーパーバイクでZX-10Rでチャンピオンを獲得し、2015年からタイトルを連取。そのなかでGSX-R1000は満を持しての登場だった。
完全刷新したエンジンには、MotoGP前期のワークスマシンGSV-Rで開発した油圧や電気を必要としない可変バルブタイミング機構(SR-VVT)や、現代の高性能エンジンには欠かせない動弁機構のフィンガーフォロワーはMotoGP復帰時のワークスマシンGSX-RRのパーツをベースに設計(スズキレーシングフィンガーフォロワーバルブトレイン)。さらにインテークファンネル上部に取り付けたトップフィードインジェクター(S-TFI)や、エキゾーストパイプの気筒間の連結部の開閉コントロール(SET-A)を組み合わせることで、GSX-R史上最強の197psのパワーを実現。
電子デバイスは車体姿勢を検知するIMU(慣性計測装置)やライド・バイ・ワイヤをはじめ、3種の走行モードを持つS-DMSと10モードのトラクションコントロールで計30通りの組み合わせから好みの乗り味の選択が可能。双方向クイックシフターやローンチコントロールも装備する。
アルミフレームはいっそうコンパクト化を図り従来より10%軽量化。サスペンションはフロントにショーワ製BFF(バランスフリー・フロント・フォーク)、リヤにショーワ製BFRC liteを装備し、ブレンボ製のフローティングピン&Tドライブのディスクローターやモノブロックラジアルマウントキャリパーなど足まわりもレーシングライク。
このモデルからGSX-R1000シリーズで初めて国内モデルが用意され、最高出力も欧州モデルと同じだった。ちなみに輸出モデルは標準仕様と足まわりなどが充実したR、そしてABS仕様をラインナップしたが、国内モデルはすべてが備わるGSX-R1000Rとなり、ETC車載器も標準装備している。
MotoGP技術を投入した新型エンジン
完全刷新したエンジンは可変バルブタイミング機構のSR-VVTやフィンガーフォロワーなど、MotoGPマシン由来のテクノロジーを余さず投入する。
新生GSX-R1000Rの全カラーを見てみよう!
2017年から販売されるGSX-R1000Rは、19年のマイナーチェンジの他はカラーチェンジのみ。ワークスマシンを彷彿させるトリトンブルーのエクスターカラーはほぼ毎年ラインナップするが、グラフィックの入り方やアンダーカウルの色などが全車で微妙に異なっている。
2018年 GSX-R1000R
グラススパークルブラック
2019年にマイナーチェンジ
スイングアームピボットが可変タイプになり、フロントブレーキにステンレスメッシュホースを採用。サイレンサーボディがブラックになりヒートガードを追加。標準装着タイヤがブリヂストンのバトラックス・レーシング・ストリートRS10からRS11に変更。標準装備のETC車載器がETC2.0にバージョンアップした。
2019年 GSX-R1000R
グラススパークルブラック/パールミラレッド
2020年 GSX-R1000R
スズキの前身にあたる鈴木式織機株式会社の設立100周年の記念カラー。トリトンブルーメタリック/ミスティックシルバーメタリック
GSX-Rの灯は消えない
GSX-Rの大排気量モデルは排出ガス規制の関係で生産終了しているが(北米除く)、2018年に登場したシリーズ末弟のGSX-R125は、最新の令和2年排出ガス規制をクリアして絶賛販売中! 水冷単気筒DOHC4バルブエンジンは、トップクラスの15psを発揮する。またインドネシアでは排気量を拡大したGSX-R150を販売。スモールサイズだが、走りもスタイルもGSX-RのDNAをしっかり受け継ぐ。
2022年に発表されたGSX-R1000Rの生産終了(国内および欧州モデル。排出ガス規制の異なる北米は販売を継続中)のニュースは、多くのライダーに衝撃を与えた。時代はSDGsを唱えバイクを取り巻く状況も変化。なかでも厳しさを増す排出ガス規制により存続が危ぶまれるスポーツバイクも数多く、GSX-R1000Rもその中に含まれていた……。
とはいえ新時代に対応した「新型GSX-R1000」が登場する可能性はゼロではない。かつて油冷エンジンやアルミフレームで大排気量レーサーレプリカを築いたGSX-R750が登場した時のように、ライダーに歓びの衝撃を与えてくれることを願って止まない。
※本記事は“ミリオーレ”が提供したものであり、文責は提供元に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
あなたにおすすめの関連記事
レプリカの一時代を築いたGSX-R 令和2年排出ガス規制≒ユーロ5に未対応のGSX-R1000Rが生産終了(国内および欧州モデル)。このニュースに衝撃を受けたライダーは少なくないだろう。モデルチェンジ[…]
俺たちの青春バイク!【ヨンヒャクが熱かった!Vol.1 ホンダ編】はこちら俺たちの青春バイク!【ヨンヒャクが熱かった!Vol.2 ヤマハ編】はこちら俺たちの青春バイク!【ヨンヒャクが熱かった!Vol.[…]
いまどきは水冷が優勢のようだけど…… なにを今さら……の話ながら、エンジンのシリンダーの中(燃焼室)では、空気とガソリンを混ぜた混合ガスをギュッと圧縮し、点火プラグで火花を飛ばして爆発燃焼させている。[…]
暖機をするのは何のため? 金属は熱膨張するため、ピストンとシリンダーの隙間(クリアランス)は、エンジンが十分に温まった状態で最適になるように設計されている。逆に言えば、エンジンが冷えている時はクリアラ[…]
マフラーは右側が主流 バイクや自転車といった二輪車は、身体でバランスをとって乗るモノ、と感じている人が多いだろう。もちろんそれは正解だが、ならばバイクそのものも左右対称に作られていて、重量的にもきちん[…]
最新の記事
- 「カワサキ初のレーサーレプリカ」ライムグリーンカラーを導入した初の大排気量車:カワサキZ1000R【あの素晴らしい名車をもう一度】
- 変化を一気見! カワサキ「Z900RS」歴代カラー大図鑑【2018~2025年モデル】
- 2025MotoGPヘルメット勢力図は5社がトップを分け合う戦国時代へ突入! 日本の3メーカーに躍進の予感!?
- 【SCOOP!】スズキ「GSX-8」系にネオクラが存在か!? 丸目のGS&クーリーレプリカ復活希望!!
- 「初の100ps超え!! 」全面改革で進化した第二世代のZ:カワサキZ1000J【あの素晴らしい名車をもう一度】