ドゥカティでなかったらオフローダーの試乗会には行ってなかったかも……

ドゥカティ デザートX試乗 インプレ【待望の上陸! ドゥカティ初のオフローダー、その正体を知りたくて……】

ドゥカティ初のオフローダーであるデザートXが上陸し、様々なライダーの元に届き始めている。僕の知り合いにも何人か入手している人がいて、その多くはこれまでに何台もドゥカティを乗り継いできた生粋のドゥカティスタだ。オフローダーにはそれほど興味を示さなかったライダーが「ドゥカティなら……」と触れている印象が強い。もちろん僕もそんな1人。普段はオフロードバイクの試乗会には行かないが、ドゥカティ初のオフローダーとなれば話は別だ。


●文:ミリオーレ編集部(小川勤) ●写真:ドゥカティ、松田大樹 ●外部リンク:ドゥカティ

ドゥカティの本格オフロードバイクに乗る日がくるなんて……

これまで新旧問わず多くのドゥカティに試乗し、その度に魅了されてきた。ドゥカティほど走りに割り切っているメーカーはなく、そのバイクづくりはとても魅力的だ。

Lツイン(今は搭載角度によってVツインと呼ぶモデルもある)エンジンはシングルエンジン並みに幅が狭く、だからハンドリングが良い。排気量を感じさせないクイックさがあるのだ。最近台頭しているV4エンジンも並列4気筒よりはるかに幅が狭く、その狙いは同じだ。

そんなドゥカティがついに、というか満を持して初のオフローダーを発売。これはファンとして気にならずにいられない。

でも、まさかドゥカティのオフローダーに乗る日がくるなんて思ってもいなかった……。

良き時代のダカールマシンを彷彿させるスタイルが特徴。近年のオフローダーにありがちな威嚇する雰囲気はなく、どこか安心感のある優しさも醸しながら、逞しさを感じさせるデザイン。ドゥカティ初のオフローダーは、一発目から真っ白なデザインで、それだけでも新しさに溢れている。

ドゥカティ本社のムゼオに展示されているカジバエレファント。1990年のダカールラリーで優勝したマシンで、デザートXの原型とも言える存在だ。

2019年のEICMAでプロトタイプとして登場したデーザートX。この時はスクランブラーをベースにした空冷のLツインエンジンを搭載していた。

単なる試乗会でなく、ドゥカティはオフロード初心者をサポート

デザートXの試乗会は、軽井沢で開催。前日に技術説明や試乗が行われ、夜は懇親会。そのまま宿泊し翌朝に解散という流れ。これを何チームか繰り返し、メディアだけでなくディーラーやドゥカティ・オーナーズ・クラブ(DOC)の面々も招いて行われた。

走行するのは浅間レースウェイと周辺のワインディングだ。浅間レースウェイは真っ黒い火山岩が細かくなっており、しかもウエットで少し滑りやすいシチュエーション。僕らは10月24〜25日の日程で行ったのだが、周辺の山々には雪が見えた。

さらに単なる試乗会でなく、欧州のドゥカティ・ライディング・エクスペリエンス(DRE)で講師を務めるベッペ・グアリーニさんと二輪&四輪でダカールラリーに参戦してきた三橋 淳さんが講師で登場。ようはDRE形式で彼らが我々をサポーツしてくれるのだ。本格オフローダー初心者にこれは心強い。

車名の通り、本国のPVは砂漠を縦横無尽に走り回る。こんな風に乗れたら気持ちがいいだろうなぁと思う。

TAKIVIVA&浅間レースウェイで日本初となる「DRE アドベンチャー・アカデミー」という名前でデザートXの試乗会は開催された。ディーラーやユーザーも含め、初めてオフロードバイクに触れる方が多いことから講師としてベッペさんと三橋さんが呼ばれた。本国の開発メンバーも来日しプレゼン。夜の懇親会も一緒に楽しんだ。

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