病院では4カ所骨折で泣き叫ぶライダーと一緒に……

Moto Himalaya 2022:Day05 標高5000m越えのワインディングで転倒……現地でレントゲンを撮るの巻【with HIMALAYAN vol.14】

40歳でバイクに乗りたいと思い立ち、普通二輪&大型二輪の免許を取得。2022年2月に人生初バイク・ヒマラヤを購入したと同時にバイクライフが本格的にスタートしたミリオーレ営業・ムラタ。「いつかヒマラヤでヒマラヤを走れたらおもしろいですよね〜」と常々冗談のように話していたのだが、その夢が思いがけず早々にかなったのだった! 標高3500〜5000mを駆け抜けるヒマラヤ冒険ツーリングで、ついに転倒! 負傷! わーーん!!


●文:ミリオーレ編集部(村田奈緒子) ●写真:河野正士、Moto Himalaya 2022クルー、@dustino_dstn、村田奈緒子 ●外部リンク:ロイヤルエンフィールド東京ショールーム

Day 05:予定していた道が通行止め! 急遽、峠2つ越えのハードルートに

ルート変更により、走行距離240kmの新たな予定が前夜に発表された。距離は大したことないのだが、標高5000mオーバーのワリ・ラとチャン・ラ(ラはチベット語で「峠」の意味)の2つを越えるため、なかなかのハードツーリングとのこと。翌日に備えて、前夜は22時には就寝したのだった。

ヌブラ渓谷のテント宿で一晩を過ごし、旅も5日目。この日は、標高4350mにあるパンゴンツォ(ツォは「湖」の意味)を目指すわけだが、当初予定していたルート(約169km)が通行止めと分かり、前夜に急遽ルート変更が発表されていた。

振りかえってみると、この日が一番ハードな旅だった。私だけでなく、参加していた他のメンバーも誰もがそう言っていたので間違いないだろう。川を何本も渡り、高山病で苦しむメンバーもいたり、ガレ場続きの道をバイクやクルマ、軍関係の大型トラックが追い越し追い抜きというノールールの道中。

ロイヤルエンフィールドが主催するヒマラヤプログラムのなかでは一番ライトだというモト・ヒマラヤだが、ヒマラヤツーリングの本領発揮といわんばかりに難所が続いた。

朝8時半に出発し、パンゴンツォの宿に到着したのは20時過ぎ。約12時間の間に、さまざまなドラマがあった……。ということで、この日を振り返り〜!

この日、朝はとても清々しい晴天に恵まれ、体調も良好。ご機嫌に旅はスタートした。

ヒマラヤツーリング名物! 川渡りに挑戦

ヌブラ渓谷の宿・Apple Nubra Cottageを出発し、早々に出くわしたのが川渡りだった。このとき、バイク歴7ヶ月の私は思った。「バイクって川も走れるんだ!」と。

なぜか渡れる前提で考え、転ぶ可能性をまったくイメージせず。何事も無知ゆえの強さ、あるいはポジティブイメージによる成功体験というものはあるようで、これ以降、数えきれないほどの川を渡ることになったのだが川渡りは楽しかった。

人生初となるバイクでの川渡り。とりあえず、勢いが大切なのだろうと思いながらダイブ。

勢いがありすぎて、水圧で足がステップから外れる。メンバー内で一番豪快な水しぶきを披露したが、とりあえず渡り切った!

朝の清々しさから徐々に天気が曇ってきて、道も舗装路が少なくなっていった。

雨が降るなか、ガレ場のヘアピンで転倒……

一つ目の峠、ワリ・ラに向かうにつれ、徐々に雨が降るようになっていた。そのうち水溜りやドロでぬかるんだ道に変わり、石もゴロゴロと転がっているガレ場も登場しつつ、さらにヘアピンカーブが続くという難所に突入していった。

このとき、朝方の川渡りで抱いていたポジティブさは皆無で、正直いつか転ぶだろうというイメージしかなかった。その理由はいくつかあった。

まず一つが、この日は舗装路もコンディションがよくなく浮砂などで大きくふらつくことがあったため、怖々と乗っていた。標高が上がるにつれ寒さも増し、緊張しながら走っていたので呼吸も浅くなっていたのだろう。やや酸欠で、指先にしびれをおぼえはじめていた。

そして、SHOEIヘルメットのシールドを紫外線が当たることで発色する機能をもつCWR-F2 フォトクロミックシールドにしていたこと。雨も降って薄暗い天気だったのだが、高地ゆえにシールドはマックスで発色。雨の水滴に加えて、見えづらさがずっと気になっていた。

1速でトコトコとヘアピンカーブを登るだけなのだが、なんとなく嫌な感じを抱いて走っていた。このコンディションの道はいつまで続くのだろうか……と、雲がかかった頂上に視線を送ったりしていた。そしたら、うまく曲がれずにコーナー立ち上がりでふくらんで崖に突っ込んだのだった。突っ込むだけならまだしも、うまく止まれずに転倒。左足がバイクの下敷きになった。

転倒したのは標高5100mほどの地点。あと200mほど上がればワリ・ラのテッペンだったそう。みんなに救助されつつ、旅に同行しているドクターのワンチュックさんに診てもらう。山側に突っ込んだのでよかったが、これが谷側に突っ込んでいたら間違いなく落ちていたと思う。

Let’s shaking time! ドクターカーの旅はひたすら揺れる

転倒による負傷は大したことないのだが、気持ち的に疲れていたのでこれ以降はドクターカーに乗せてもらうことに……。自走で完走できればそれに越したことはないのだが、この旅ではとにかく無理をせず、無事に帰国することを一番としていたので迷わずにドクターカーを選んだ。

が、悪路が続くためクルマでの旅もハードだった。前後左右、そして上下に体が揺さぶられ、三半規管が常にグルグルグルグル……。ここまでバイクで走ってきた時も、車酔いして窓から青白い顔をしてリバースしている人を何人か見かけてはいたが、図らずもそれを体験できる機会となった。このときほど車酔いに強くてよかったと思ったことはない。

ドクターカーに優雅に乗っているように見えるが、実際は車の天井に頭をぶつけながら移動。ドクターは「ナオコさん、Let’s shaking time!」と終始ご機嫌。しかし揺れがすごすぎて車内では会話ができず、そんな私を気遣ってジャスティン・ビーバーやBTSなどアップテンポな洋楽をかけてくれた。バイクはメカニックが乗るガンワゴンで移動!

レントゲン室で一緒になったインド人ライダーは骨折4ヶ所!

転倒したワリ・ラを越え、下りの道中はびっくりするぐらいの晴天。天気がよくなるだけでこんなに気持ちも明るくなるのかと思ったのだが、徐々に足の痛みが響き始めていた。あー、だいぶ打ち身が痛いなぁと思っていたら、とある建物に到着。どうも病院らしいのだが、到着早々に駆け足でドクターは院内に消えていった……。

しばらく外で待っていたら、「ナオコさんもレントゲン撮ろう!」とドクター。ナオコさんも? と不思議に思ったのだが、院内を進むにつれ喚き声が聞こえてきて納得。レントゲン室前のストレッチャーには、どう見ても足の曲がり具合がおかしいですねという大男が乗せられていた。

話を聞くと彼も同じようにツーリングツアーに参加し、崖から落ちたとのこと。ドクター曰く、左腕を2ヶ所、左太腿を2ヶ所骨折しており、この悪路を麻酔なしでここまで運ばれるだけでも相当辛かっただろうねとのことだった。

何事も紙一重なのだ。

病院の壁画を見ると、注射などの一般的な治療イメージだけでなく、妊婦さんの診察やヨガをしているシーンも。また都心部の病院との遠隔診察も行っているようでパソコン越しにドクターと話しているシーンが描かれていた。「ナオコさんの骨はvery good!」ということで、記念にレントゲンももらう。

やがて日が暮れ、闇夜を走る

この日の午後、私は前後左右、上下にシェイクされながらクルマでの旅となった。モト・ヒマラヤのメンバーは悪路に苦戦したり、高山病で酸素吸入をする人もいた。やがて日が暮れ、周囲が闇に包まれると途端に寒さが増していった。

こまめに小休憩を挟むが、徐々にみんなの口数が減っていった。それを私は車窓から眺めるだけなのだが、正直こちらもクルマの揺れに消耗していた。

もちろん街灯なんてないので、頼りになるのはバイクのテールライトのみ。川とは言えないまでも、雪解け水が流れる道も多く慎重なライディングが求められた。

この日の宿は1人ひと小屋。到着した時点で暗かったので、周囲がどんな場所なのか分からず。シャワーはお湯が出たが、やや泥水的な濁りあり。この日も持参したボディシートやドライシャンプーを入浴代わりとし、足湯で体を温めた後、夕飯を軽く済ませて早々に就寝。

宿に到着すると、一緒に旅をしていたMIGLIOREディレクターの小川に「この旅のメンバーで、お前が一番バイクに乗るの下手だ。(だから自覚して、明日も無理はするな。という意味だったらしいが伝わらず)」と言われ、さらに意気消沈。

小川とは険悪な雰囲気になり、それを他のメンバーになぐさめてもらうというひとときを過ごした。足も痛いし、なんだかなぁと、この日は終わった。

I want to go to the Himalayas again with Himalayan!

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モト・ヒマラヤ・エクスプローラーエディション・キャンペーンのアクセサリーキット

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11月26日(土)はMotorimoda 銀座店で特別試乗会を実施

「大人の6輪モータースタイル」を標榜する “Motorimoda”。そのフラッグシップ店である銀座店でロイヤルエンフィールドの特別試乗会が実施される。ヒマラヤにも乗れるチャンス!

日時:2022年11月26日(土)午前11時~午後4時まで
試乗車(予定):Continental GT650 / Himalayan / Scram 411 / Classic 350
場所:Motorimoda 銀座店 〒104-0061 東京都中央区銀座8-16-6-1F

試乗会の詳細は、ロイヤルエンフィールド東京ショールームwebサイトのイベントページまで。


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