●文/写真:モーサイ編集部(手束毅)
今はなき高速道路回数券とは?
高速道路回数券は、ETCが普及(そもそも登場していませんが)していなかった1980年代に、高速道路や首都高速で販売を開始しました。各高速道路が利用促進を図ったことで、トラック運送を担う物流業界などを中心に、ビジネスシーンで大いに活用されました。
また、料金の支払いに利便性があったことで、現在40代以上の方なら利用したことがあるのではないでしょうか。
ただ、高速道路の回数券は、組織的犯行により金券ショップで大量に換金されたことや、偽造券が相次いで発見されたこと。そして、2000年代に入ると高速道路にETCが導入されたことで、廃止が決定しました。
とくに偽造問題は深刻だったようで、回数券のデザインの変更を何度も余儀なくされたことや、割引率(約18%)が高いことで人気だった100回券を廃止するなどの対応に追われたことが、回数券廃止の大きな原因になったと思われます。
高速道路回数券は販売/利用が2005年に停止。回数券の払い戻しも2016年3月31日をもって終了となりました(仙台東部道路など一部の道路は、2018年3月31日まで支払い戻しを行いました)。
回数券の廃止にともない、運送業界などから反対の声が挙がったようですが、ETC車を対象とする早朝夜間時間帯の割引など、通行料金の値下げが実現したことで沈静化。
じつは、回数券廃止を一番残念がっていたのは、料金所でお金の出し入れに手間がかかる2輪ユーザーだったのかもしれません。
偽造カードに悩まされ廃止された、ハイカことハイウェイカード
また、回数券と同様に2輪ユーザーから支持されていたアイテムで廃止されたのが、ハイウェイカード。
ハイウェイカードとは、1987年に登場した、高速道路の料金を決済できるプリペイドカードで、3000円券から5万円券まで5種類のカードを販売。
5000円券より上のカードはプレミアムが付くことで額面が購入金額より高くなり、通常よりもリーズナブルに高速道路を利用することができたのです。
5万円券を購入すると額面は5万8000円となるため、回数券同様、運送業者などがこぞって利用。
また、回数券同様に料金所で通行料金を手間なく支払うことができたため、2輪ユーザーからも好評なプリペイドカードでした。
しかし、ハイウェイカードも2005年に廃止されます。その理由は……
※本記事は2021年11月9日公開記事を再編集したものです。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
モーサイの最新記事
突然の交通取り締まり! 違反をしていないときでも… 交通ルールを守って安全運転に努めているのに、とつぜん取り締まり中の警察官に止められてしまった経験がある方は多いはずです。 「え? なにか違反した?」[…]
ジクサー150でワインディング 高速道路を走れる軽二輪で、約38万円で買えて、燃費もいいというウワサのロードスポーツ──スズキ ジクサー150。 まだ子どもの教育費が残っている50代家族持ちには(まさ[…]
「お金も時間もありそうなのに、なぜこんな天気の良い日にツーリングにも行かず、用品店に来ているんだろう?」という疑問 都内の某大手バイク用品店の駐輪場にて。今日も「なぜ来ているのかわからない?」ようなバ[…]
交通取り締まりは「未然に防ぐため」ではなく「違反行為を探して検挙するため」? クルマやバイクで運転中に「なんでそんな所に警察官がいるの?!」という運転者からすれば死角ともいえる場所で、交通違反の取り締[…]
「もしも出先でヘルメットを盗難されたら、自宅までどうやって帰るのだろう」バイクに乗っていると、こうした疑問も浮かぶのではないでしょうか。そもそもヘルメット窃盗犯は、なぜ人が使った中古のヘルメットを狙う[…]
最新の関連記事(バイク雑学)
元々はブレーキ液の飛散を防ぐため フロントブレーキのマスターシリンダーのカップに巻いている、タオル地の“リストバンド”みたいなカバー。1980年代後半にレプリカモデルにフルードカップ別体式のマスターシ[…]
ライダーを魅了してやまない「ハイパーVTEC」 CB400SF(スーパーフォア)に採用されていることでも有名な、バルブ制御システム「ハイパーVTEC(HYPER VTEC)」。この口コミを検索してみる[…]
夏場はサイドスタンドがアスファルトにめり込む危険性あり!いったいどういうこと? 駐車場などに使われている一般的なアスファルトについて、その軟化点は47.0〜55.0℃と言われていますが、夏場の強烈な直[…]
「コスプレとバイク」本編 今回のバイク:Vストローム250とNIKEN Vストローム250はスズキの250㏄クラスのアドベンチャースタイルのバイクです。ガソリンが17L入るタンクやフロントのスクリーン[…]
バイクのハンドルに荷物をかける行為は交通違反? じつは、ハンドルにレジ袋/カバンなどを引っかけて運転する行為は、明らかな交通違反です。 道路交通法第55条第2項には、「運転視野やハンドル操作などを妨げ[…]
人気記事ランキング(全体)
アッパーカウルはフランスで882.5ユーロ 1980年代のGSX1100S KATANAをモチーフにしたスペシャルモデルを製作することは、S2コンセプトのスタッフが何年も温めていたアイデアだった。それ[…]
【’09VMAX開発秘話】2リッター「音魂(オトダマ)」は失敗だった 新VMAXの開発には実に十数年の歳月が費やされた。このプロジェクトを長い間推し進めてきた中心人物は開発の経緯をおよそ次のように語る[…]
ライトグレーのボディにライトブルーのホイールが新鮮! ヤマハが「MT-25」の2025年モデルをインドネシアで世界初公開した。欧州で発表済みの兄弟モデル・MT-03に準じたモデルチェンジ内容で、現地価[…]
従来は縦2連だったメーターが横2連配置に ヤマハは、2004年に欧州で誕生し、2017年より日本を含むアジア市場へ(250として)導入されたスポーツスクーター「XMAX」の2025年モデルを欧州および[…]
欧州&北米で昨秋登場した新型YZF-R3の250cc版 ヤマハはインドネシアで新型「YZF-R25」を発表した。2024年10月に欧州&北米で登場した新型YZF-R3と同様のモデルチェンジ内容とした2[…]
最新の投稿記事(全体)
振動、路面を蹴飛ばす感じ、エンジンで走らせる気持ちよさ バイクはエンジンを懐に抱えて走るような乗り物だ。単純にライダーとエンジンの距離が近いことがエンジンの存在感を大きく感じさせるだけではなく、エンジ[…]
何よりも高耐摩耗性の実現 圧倒的な耐摩耗性を誇るのが、アルミめっきシリンダーの大きな特徴である。iB井上ボーリングが、アルミめっきスリーブを作ろうと考えた最大の理由は、同社の社是でもある「減らないシリ[…]
ベテランカメラマンに「これはアートだ」と言わしめる流麗なフォルム リヤタイヤが路面を蹴り飛ばすかのような、豪快で胸の空く加速フィールはスタートダッシュだけではなく、速度レンジが上がってからもまだまだ続[…]
Screenshot 未塗装樹脂の白化 バイクのミラーや泥除け(フェンダー)、樹脂製リアボックスなどに使われている黒い未塗装樹脂部品。ここに使われている素材の多くは「ポリプロピレン」という軽くて丈夫な[…]
スイングアームにスプールを装着できれば、アドベンチャーやオフ車でもガレージREVOが使える スーパースポーツモデルやビッグバイクユーザーのみなさんからご好評をいただいているガレージREVOは、バイク置[…]