ヘルメット着用時に店舗や銀行へ入ると逮捕される? ジェットやハーフなら大丈夫?【元警察官が解説】
店舗や銀行の掲示物を見ていると、「ヘルメット入店お断り」といった注意書きをよく見かける。当たり前といえば当たり前な気がするが、はたしてこのルールを破った場合、警察のご厄介になることがあるのだろうか。例外があるのかについても含めて、その実際を元白バイ警官の宅島奈津子さんが解説する。
●文:[クリエイターチャンネル] 宅島奈津子
ヘルメット着脱の煩わしさ
みなさんはバイクに乗る際、どんな種類のヘルメットを着用していますか。ヘルメットと一言で言ってもいろんなタイプのヘルメットがあり、着脱の手間や煩わしさも大きく変わってきます。わかりやすいのが、ハーフタイプに慣れている方がフルフェイスタイプに変えたとき。
ヘルメットを外すのが大変なので、買い物やATMでの入出金等、ちょっとした用なら、かぶったまま済ませたいと思うのではないでしょうか。
白バイ隊員のヘルメットはジェットタイプですが、私にとってはそれでさえ着脱が面倒くさくて、暑かろうと重かろうと、またかぶるのであれば、かぶったままの方がいいと思っていました。お手洗いに行くだけ、とかちょっと飲み物買うだけっていうようなときは、いちいち外すのは面倒くさいって思う方がほとんどかと思います。私のツーリング仲間には、ヘアスタイルを気にして外したくない、という人もいますが(笑)。
ヘルメット着用時の入店拒否
ですが、ヘルメット着用時の入店拒否を謳っている店舗や施設をよくみかけます。では、こういったルールを破った場合、警察に逮捕されたりするのでしょうか?
じつは、そういった違反や刑罰を定めた法律はありません。あくまで、防犯上やマナーの問題なのです。想像してみてください。フルフェイスのヘルメットをかぶったままの人や目出し帽姿の人、なんらかのかたちで顔を隠した状態の人が自宅に来たら、「怪しい」「こわい」と思ってしまうのは当然ですよね。
日本は世界的に見れば、とても平和な国です。顔を隠している時点で、不審に思ってしまうのが人情というもの。 顔を見られると不都合なのか、隠す必要があるのか、防犯カメラに映るとまずいのか、と思われるのも当然なのです。
なんでヘルメットだけ禁止されるのか、もっと危険なものだってあるのに、と納得いかないライダーもいるかと思います。残念ながら、基本的には例外はないとされているので、入店時等、公共の場ではヘルメットを外しておきましょう。
入店が許されるヘルメットの例外はあるのか?
とくにフルフェイスタイプのヘルメットは、どうしても威圧感を与えてしまいます。「だったら、ハーフタイプやジェットタイプなら大丈夫じゃない?」といった声が聞こえてきそうですが、そこはあくまで、店舗や施設側の判断。「フルフェイスのヘルメットはお断り」なのか、「ヘルメット全般的にお断り」なのかといったわかりやすい表記は基本されていないので、やはり外しておく方が無難です。余計なトラブルを招きかねないですから。
ヘルメットマナーを守ろう!
「面倒くさいし、外したくない!」といったライダー側の言い分もわかりますが、周囲への配慮が大切です。大きなヘルメットをいちいち外すことは、面倒で一苦労だと感じるかもしれませんが、誤解を招くよりは、お互いに安心できますよ。
「高価なヘルメットだから、肌見放さず持ち歩きたい!」という方にしても、ヘルメットバッグを活用すると良いでしょう。折りたたんでコンパクトに収納できるタイプも出ているので、あまりかさばらないですよ。
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(宅島奈津子)
フルフェイスが万能⁉ ライダーにとって必需品であるヘルメット。みなさんは、どういった基準でヘルメットを選んでいますか。安全性やデザイン、機能性等、選ぶポイントはいろいろありますよね。 一言でヘルメット[…]
1分でわかる記事ダイジェスト 白バイだけじゃない特殊車両の数々 馴染みのある白バイ以外にも、黒バイ、青バイ、赤バイ、黄バイと言われる4種の特殊なオートバイがある。それらの役割や装備について解説する。 […]
1分でわかる記事ダイジェスト 電動スーツケースは車両扱い⁉ 電動スーツケースが海外からの観光客を中心に人気を博している。日本国内では普及していないため、見かけるものではない。電動スーツケースは、原動機[…]
1分でわかる記事ダイジェスト とにかく暑すぎる真夏のツーリング 連日、猛暑が続いている。ライダーにとって、ツーリングをする際の気温や天候って非常に気になるもの。真夏の沖縄で、白バイに乗車した際の暑さ対[…]
1分でわかる記事ダイジェスト 白バイやパトカーをカスタムした際、逮捕される可能性。公道を走るとか、公の場に現れるといったケースに限った話。自宅や私有地で行うといいかと思う。 警察官の模倣は問題ない? […]
最新の関連記事(ニュース&トピックス)
[ホンダ] EVスクーター「CUV e:」「ICON e:」をインドネシアで市販化(10/10) ホンダは、ジャパンモビリティショー2023などで次世代型電動パーソナルコミューターとしてたびたび出展し[…]
株式投資の本当って何? 株式投資とは、簡単に言ってしまえば「株を売り買いしてお金をふやすこと」です。この売り買いには2つのパターンがあって、短期(1日とか1週間とか)で売買する方法と、企業の成長に寄り[…]
各国の手本となるマザー工場・磐田ファクトリー 2024年10月現在、ヤマハ発動機は世界各国に2輪の生産拠点を有しており、その多くが需要伸長の著しい東南アジアに集中している。2023年、ヤマハが全世界で[…]
全国から70名を超えるベネリスタがバイカーズパラダイスに集結 1911年に生まれた、イタリア伝統のメーカーであるベネリ。現在はボルボ、ロータスなどを傘下に収めるGEELYの資本参加を受け、「新生ベネリ[…]
読者のみなさん、どうも初めまして! ちょっと古めのバイクと女の子の組み合わせをメインに描いてる、イラストレーターのすらくすと申します。すごいクリエイターやバイク乗りの方々から回ってきたバトンということ[…]
人気記事ランキング(全体)
タイや欧州、北米で先行発表済みのW230とメグロS1 カワサキモータースジャパンは、新型モデル「W230」と「メグロS1」をタイ、欧州、北米に続き日本でも2024年11月下旬に発売すると発表。これと併[…]
エンジンもシャーシも一気に時代が進む 第1回の記事では、新型CB400がトータルバランス路線を取り、77psを発揮するカワサキZX-4Rのような高性能路線には踏み込まない…という情報に対し、プロは「バ[…]
メグロS1と共通イメージのタンクデザインへ 目黒製作所の創立100周年となる今年、最新モデルのメグロK3が初のデザインアップデートを受けた。昨秋のジャパンモビリティショー2023で参考出品されたメグロ[…]
先代譲りの緻密さは最新電脳で究極化?! 旧CB400はハイパーVTECやABSこそあったものの、従来型(NC42)の登場は2007年だけに、近年の最新電脳デバイスは皆無だった。しかし新型CB400は電[…]
ナチュラルカラーの「パールシュガーケーンベージュ」と「パールスモーキーグレー」を追加 ホンダは原付二種に人気モデル「CT125ハンターカブ」にニューカラーを追加、一部仕様を変更して2024年12月12[…]
最新の投稿記事(全体)
ローライダーSTカスタム:最新トレンドを反映し、パフォーマンスUPの持ち主だ!! スピードクルーザーとしての戦闘力を全面的にアップしているが、キモとなるのはやはり足まわりだ。見た目にも鮮やかなレッドで[…]
ヘルメット着脱の煩わしさ みなさんはバイクに乗る際、どんな種類のヘルメットを着用していますか。ヘルメットと一言で言ってもいろんなタイプのヘルメットがあり、着脱の手間や煩わしさも大きく変わってきます。わ[…]
125ccクラスは16歳から取得可能な“小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり[…]
汚れならミガキング、点サビならサビトリキング。状態に合った下処理の後に仕上げのメッキングを 金属素材の上に金属クロムを生成するクロームメッキには、マフラーやフェンダーなどのパーツに施される装飾メッキと[…]
接地感とグリップ力は別のハナシ バイク乗りの皆さんなら、「接地感」という言葉を耳にしたり、口にしたりすることも多いと思う。この「接地感」、言葉通りに受け止めれば「タイヤが路面に接している様子を感じるこ[…]
- 1
- 2