
ダンロップからリリースされているスポーツタイヤ「スポーツマックスQ5」シリーズには、サーキットからストリートまで楽しめるよう「Q5」「Q5S」「Q5A」という3種類がラインアップされる。見た目は似たパターンのタイヤだが、性能の違いはどうなのだろうか? また、アドベンチャーモデルに向けて用意される「トレイルマックス」シリーズにも、新たに「ミッション」が追加され、従来からある「ミクスツアー」との違いも気になるところ。元レーシングライダーの高橋裕紀さんに比較試乗してもらうため、鈴鹿サーキット・交通教育センターで開催されたタイヤ試乗会に参加してみた。
●文と写真:川島秀俊 ●BRAND POST提供:ダンロップ
「スポーツマックスQ5」シリーズ&「トレイルマックス」シリーズのタイヤ開発者トークも!
TESTER
高橋裕紀さん
元レーシングライダー 高橋裕紀さん
各種カテゴリーでのチャンピオン獲得やMotoGPへの参戦、鈴鹿8耐準優勝など、一線級の活躍を経て2023年に現役を引退。現在はアジアで活躍するジュニアライダーの育成に尽力しつつ、ダンロップタイヤのアドバイザーとしても活動している。
タイヤ開発者
日南有紀子さん
住友ゴム工業 第二技術部 日南有紀子さん
今年発売された「トレイルマックス ミッション」の開発を担当。アメリカで先行開発されたタイヤなので、国内マーケットを想定した煮詰めに奔走。ルックス&性能とロングライフを高次元にまとめることに成功した。
午前中に鈴鹿サーキットフルコースにて「ダンロップサーキットステーション」が開催された後、午後はイベント会場を鈴鹿サーキット・交通教育センターへ移し、ダンロップタイヤの走行会参加者に向けた試乗会を実施。スポーツマックスQ5シリーズ、トレイルマックスシリーズが用意され、合計で5種類のタイヤを体感することができた。
ダンロップ タイヤ試乗会
タイヤ走行インプレッション
まずは、スポーツ系タイヤの「スポーツマックスQ5シリーズ」の開発者トーク&高橋さんの走行インプレッションだ!
・スポーツマックスQ5
スポーツマックスQ5
【日南’s 開発者トーク】
本格的にサーキットを走るために生まれたタイヤです。想定するユーザーは中級者~上級者で、フロント/リヤともフルカーボン配合のコンパウンドを採用し、強力なドライグリップ性能を発揮します。ハードなブレーキングに耐えられるよう、フロントタイヤの剛性はシリーズで一番高く設計されています。逆にリヤタイヤは接地感やトラクション性能を重視し、柔らかめに作られています」
[スポーツマックスQ5]
スポーツマックスQ5のリヤタイヤのトレッドは中央が高く、スピーディに倒し込める設計。素早くバンクしたり切り返すなど、実戦向けのハンドリングが得られる。
【高橋’s 走行インプレッション】
「見た目はほとんどスリックタイヤ。一番に感じたのはグリップ力の高さで、250ccよりももっと大きなパワーが欲しくなるほど強烈でした。スラロームの切り返しがとても軽く、荷重を抜くとスッと反対へ舵角が入る感じでとてもスムーズ。ただ、サーキット向けということでフロントタイヤの剛性が高く、多少路面の継ぎ目でゴツゴツ感を感じました。サーキットの路面にはギャップはないので、攻めるにはこれだけフロントに剛性があるとフルブレーキングからの進入も安定して走れます。サーキットを攻めて、タイムを出しに行くタイヤですね」
[スポーツマックスQ5]
スポーツマックスQ5はサーキットでタイムを出すためのタイヤで、高い剛性のフロントタイヤはハードブレーキングや軽快なハンドリングに寄与する。公道よりもサーキットを主眼に置く、中級者以上をターゲットにしたハイグリップタイヤだ。
・スポーツマックスQ5A
スポーツマックスQ5A
【日南’s 開発者トーク】
「幅広いユーザーに使ってもらえるタイヤで、オールラウンドの頭文字を取って『A』というネーミングをつけました。フロント/リヤとも3分割のトレッドで、センター部分にシリカ配合のコンパウンドを採用してQ5シリーズで一番ウェット性能を重視。両サイドはハイグリップなコンパウンドで、サーキット走行にも対応します。フロントタイヤが柔らかい構造で、ハンドルに伝わる振動を抑え、疲れにくいのも特徴です」
[スポーツマックスQ5A]
スポーツマックスQ5Aのリヤタイヤのトレッドは、シリーズ中でもっとも緩やかなカーブを描く。クイックに曲がれるQ5に比べ、中央が低くて落ち着いた乗り味だ。タイヤの溝は多めで、排水性や偏摩耗の抑制、素早いウォーミングアップなど高機能が盛り込まれる。
【高橋’s 走行インプレッション】
「特に印象に残ったのは乗り心地の良さです。ちょうどスラロームのところに舗装の継ぎ目があったのですが、Q5で感じられたギャップがほとんど感じられませんでした。グリップ感というのとは違った、吸い付くような安定感と快適さはストリートに最適です。乗り心地がいいぶんフロントタイヤの剛性は柔らかめで、ハードなブレーキングをすると弱さを感じるかも? それを感じるレベルまで上達したら、Q5SやQ5へステップアップすればいいと思います。街乗りやツーリングがメインで、たまにサーキットをエンジョイする程度ならQ5Aがオススメ! Q5に比べて操舵性が落ち着いているので、初心者の方なら安心感があっていいと思います」
[スポーツマックスQ5A]
スポーツマックスQ5Aのフロントタイヤは、剛性をシリーズ中でもっとも柔らかく設計することで快適な乗り心地と疲労感の軽減を実現。ハンドリングはスポーティーだが、Q5シリーズの中では一番落ち着きのある安定志向で、安心感がある。
・ダンロップスポーツマックスQ5S
スポーツマックスQ5S
【日南’s 開発者トーク】
「スポーツマックスQ5とQ5Aの中間に位置するキャラクターのタイヤです。Q5Aでスポーツ走行してみて、もっとタイムを出したい方にオススメです。コンパウンドはフロントにQ5と同じフルカーボン配合を採用。リヤはトレッドを3分割し、中央にシリカ配合コンパウンドを採用してウェットグリップと耐摩耗性を考慮しています。3分割のショルダー部はQ5と同じコンパウンドなので、コーナリング性能は非常に高くなっています。フロントタイヤの剛性はQ5よりもやや柔らかい程度で、十分にハードブレーキングに耐えるスペックになっています」
[スポーツマックスQ5S]
スポーツマックスQ5Sのリヤタイヤのトレッドは、Q5とQ5Aの中間という高さ。中央部が程よく湾曲することで、ニュートラルなハンドリングに仕上げられる。リヤタイヤのトレッドは3分割構造で、中央にシリカ配合のコンパウンドを使用してウェットグリップと耐摩耗性に配慮。ショルダーはQ5と同じコンパウンドでコーナリング性能を高めている。
【高橋’s 走行インプレッション】
「昨年発売された、スポーツマックスQ5シリーズで一番新しいタイヤです。見た目からもわかる通り、サーキット向けのQ5に近いキャラクターです。試乗した印象はQ5に比べてゴツゴツ感は少なく、こういったストリートを想定した試乗コースで100km/h未満の走行なら、一番グリップ感があって安心して走れました。ハードブレーキングでもフロントの剛性不足は感じませんでしたが、これが150~200km/hからのフルブレーキならどうなるかな? スポーツ走行で中級者レベルまではQ5Sで十分楽しめると思いますので、ほとんどのユーザーはQ5Sで満足できると思います。今回の試乗コースなら、私としてはQ5Sが一番お気に入りでした」
[スポーツマックスQ5S]
スラロームの切り返しでは、積極的に曲がってくれるQ5と安定志向のQ5Aに対し、まさにニュートラルなハンドリングだったのがQ5S。ハードブレーキングに対してフロントタイヤの剛性も高く、多くのライダーが満足できるだろう。
■スポーツマックスQ5シリーズ 総括
スポーツマックスQ5シリーズ
街乗りやツーリングがメインという人にはスポーツマックスQ5Aがオススメ。路面のギャップを吸収することで疲労が軽減でき、抜群の乗り心地を提供してくれる。エンジョイレベルのサーキット走行にも対応するが、よりスポーツ性能を求めるならスポーツマックスQ5Sをチョイスしたい。サーキット走行の中級者レベルまでカバーする本格スペックで、ストリート兼用でサーキット走行に対応できる欲張りなタイヤだ。より本格的にサーキットでラップタイムを縮めたい人には、スポーツマックスQ5がしっかり応えてくれる。ハイレベルな荷重コントロールに耐える剛性バランスや絶対的なグリップ力、優れたトラクション性能、軽快なハンドリングなど、スポーツ走行に特化した性能は上級者の要求を満たしてくれる。
さあ、次はアドベンチャー系タイヤの「トレイルマックスシリーズ」を高橋さんに走行インプレッションしてもらったぞ!
・トレイルマックス ミクスツアー
トレイルマックス ミクスツアー
【日南’s 開発者トーク】
「タイヤの性格として、オンとオフの比率は8:2くらいの想定です。オンロード走行を基本にしながら、たまにダート程度のオフロード走行をする人にオススメ。ラジアル構造を採用しており、オンロードでの乗り心地やハンドリングを確保しています。実際にはほとんどオンロード走行だけど、ブロックパターンのタイヤが欲しい方に最適です」
[トレイルマックス ミクスツアー]
大きめのブロックを並べ、いかにもアドベンチャー系というトレッドデザインのトレイルマックス ミクスツアー。オンロード性能を重視しつつ、軽いオフロード走行にも対応してくれる。
【高橋’s 走行インプレッション】
「アドベンチャー系タイヤというだけで、ブロックノイズやゴツゴツした乗り心地を想像していましたが、実際には普通のスポーツタイヤに近い印象でした。ある程度のバンク角も許容し、強いブレーキングからのコーナリングでもしっかりグリップ感があり、その安心感に驚かされました。ストレートでクラッチを切って惰性で走ってみましたが、エンジン音が小さくてもロードノイズは判別できないほどでかなり優秀! ほとんどアスファルトの上しか走らない人には、このトレイルマックス ミクスツアーを推奨します」
[トレイルマックス ミクスツアー]
しっかりグリップ感があって、ハンドリングも普通のスポーツタイヤの感覚で走れるのがミクスツアーの魅力。アドベンチャー系バイクでオンロード走行がメインという人には最適なチョイスだ。
・トレイルマックス ミッション
トレイルマックス ミッション
【日南’s 開発者トーク】
「今年デビューしたNEWタイヤです。ブロックの高さやサイドデザインなど、見た目のアグレッシブさとタイヤライフを重視しています。オンとオフの比率は6:4で、ミクスツアーよりもオフロード性能を重視。一部を除いてベルテッドバイアス構造をリヤタイヤに採用しており、バイアス構造の上にベルト構造を重ねています。これはバイアス構造によってギャップの吸収性を高めつつ、ベルト構造による補強で積載時の荷重や高速走行に対応するというもの。大排気量アドベンチャーモデルを存分に楽しめるスペックに仕上げています」
[トレイルマックス ミッション]
オフロード走行を重視したトレッドパターンを採用。溝は大きくて深く、オフロードグリップが高められている。トレッド中央をフラットにして接地圧を分散し、耐摩耗性を向上。実走行テストでは1万5000kmのライフを記録した。
[トレイルマックス ミッション]
擦り減ってもオフロードでのトラクションを確保するため、ブロックに階段状の構造を採用してカドが順番に誕生する仕組み。ロングライフ設計には、このような実用面でのアイデアが盛り込まれている。
【高橋’s 走行インプレッション】
「まず、見た目がカッコイイ! サイド部分までしっかりブロック感が出ていて、本当にワイルドですね。このサイドのブロックはタイヤの保護も兼ねたディテールとのことで、よく考えられています。実際に走った感想としては、見た目のゴツゴツ感は全然感じられませんでした。ちょっと倒して走るくらいは、ミクスツアーと変わらない印象です。特に良かったのはハンドリングの軽快さですね。深くバンクさせるとトレッドのゴツゴツ感を少し感じるようになるので、そこはキャラクターの違いを理解してほしいところ。オフロード性能を重視するタイヤなので、理解して乗ってください。ちなみにトレッドに刻まれた階段状のブロックは、擦り減ってもカドが現れてオフロードグリップを発揮する設計。今回はオンロードだけの試乗でしたが、ぜひオフロードも走ってみたいタイヤです」
[トレイルマックス ミッション]
フロントタイヤはバイアス構造で、トレイルマックス ミッションのハンドリングはミクスツアーよりも軽快。アグレッシブなブロックパターンのわりに乗り味は快適で、ある程度のバンク角まではスムーズに走行できる。
■トレイルマックスシリーズ 総括
トレイルマックスシリーズ
タイヤパターンもカスタムの重要なポイントなので、まずはどちらのタイヤデザインが好みかで選んでもいいだろう。トレイルマックス ミッションはアスファルト路面で深くバンクさせると多少ゴツゴツ感を感じるので、オンロードでの快適性を重視するならトレイルマックス ミクスツアーがオススメ。見た目のワイルド感やオフロードの走破性を重視するならトレイルマックス ミッションを選んでほしい。
ダンロップの人気タイヤを高橋裕紀がインプレッション!
※本記事はダンロップが提供したもので、一部プロモーション要素を含みます。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。























