軽いだけのホイールもグリップ力だけのタイヤもダメ! [アドバンテージのフットワーク戦略]

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設計、製造、テストの全過程を日本国内で行うEXACTホイールは、アドバンテージが掲げる「MADE in JAPAN」のモノ作りを具体化した高性能ホイールです。長年に渡ってモータースポーツに関わる中で、ホイールにとって何が重要なのかを研究して設計に反映させて開発したEXACTの狙いとは何か?また路面とのコンタクトにとって最も重要なタイヤ選びでブリヂストン製バトラックスRS11をチョイスした理由を、足周りを中心にカスタムを行ったZ900RSを通じて解説します。

●BRAND POST提供:アドバンテージ

「回転バランス」「剛性」「しなり」の3要素を成立させたEXACT

アドバンテージでは令和5年の今から25年以上前の1990年代終盤からEXACTホイールの研究と開発、製造を行ってきました。高性能ホイールといえばキャストホイールが普及し始めた1970年代中盤以降、一貫して海外メーカー製品がマーケットを牽引してきました。

そんな中、日本人による設計、日本国内での製造、日本人ライダーによるテストを製品造りをコンセプトとしてきたアドバンテージでは、是が非でも「MADE in JAPAN」の優秀性をアピールしたかったのです。

ブレーキやサスペンションでも、プロモーション力やモータースポーツ界でのシェアこそ海外ブランドの勢力が優勢でしたが、性能面で見れば日本製ブランドも引けを取らない実力を蓄えてきていました。

アドバンテージのホイール開発で常に重要視しているポイントは「回転バランスと剛性としなり」です。

回転バランス

ホイールの軽量化がバネ下重量の軽減につながり、運動性能の向上に寄与することは誰もが感覚的に理解できるでしょう。しかしホイールには回転時に発生するジャイロ効果によって安定性を得るという役割もあり、仮に重量ゼロkgのホイールがあったとしたら、きっとハンドリングが不安定で神経質になるでしょう。

また重量が同じでも、ホイールのどの部分にどのように重量を配分するかによって、ジャイロ効果は変化します。

重いより軽い方がメリットがあるのは確かですが、回転バランスを考慮した設計が重要になるというわけです。

剛性についても軽さと同様、軽さを追求しすぎて剛性が不足するようでは本末転倒です。

剛性

ここはEXACT最大のこだわりで、開発当初から国内屈指の8000トンプレスによる鍛造製法を採用しています。製造コストや量産性の点では鋳造製法にかないませんが、我々が目指す世界トップレベルの性能を実現するには鍛造以外あり得ないというのが、25年にわたる実績から導き出された結論です。

マグネシウムの素材は8000トン、アルミの場合は6000〜8000トンの圧力でプレスすることで、内部組織は点状から線状に再結晶化され、緻密で均一な組織となります。この過程で生まれる線状の状態をメタルフロー効果と呼び、しなやかさと強靱さを両立する要素となります。

EXACTのスポークとリムは驚くほど細くて薄いことが特長ですが、これは鍛造製法だから実現したデザインです。もちろん、細くて薄いだけが重要なのではなく、先の回転バランスを考慮した際に、必要な剛性を確保できる鍛造だからこそ形状の自由度が増す利点も得られるのです。

しなり

最後の「しなり」については剛性との間に矛盾を感じるかも知れません。剛性が低ければ強度不足につながりますが、剛性が高いだけでしなりが不足しているとソリッドな乗り心地になりライダーに不安感を与えてしまいます。

アルミとマグネシウムという素材に注目すると、マグネシウムはそれ自体に衝撃を受け止めていなす特性があります。このいなす力によって路面からのダイレクトな衝撃をホイール自体が受け止めることで、ライダーは乗り心地をソフトに感じ、タイヤのグリップ感が把握しやすいメリットが生まれます。

これらの条件を満たすことで理想のホイールに近づくと理解していても、一朝一夕に実現できるわけではありません。設計ソフトによって各部に加わる応力を解析しつつ設計を行っても、走行させてみないと狙いが正しいか否かは分からないし、強度や耐衝撃性も実際に試作品でテストしてみないと正確なところは分かりません。

そのため私たちは試作ホイールができるたびに国内最大手のホイール検査機関、エンケイ・テスト&ラボラトリーにおいて厳しい検査を受けています。一般的には壊れないよう剛性や強度を高めに設計してテストを行うようですが、EXACTは破壊前提の「攻めた」設計からスタートします。

製品同様のプロセスで製造する試作品を破壊するのはもったいないのですが、壊れる場所や壊れ方を自分たちの目で確かめることで、肉厚や強度が必要部分、逆に薄く軽く作っても良い部分の見きわめができ、それがノウハウとなって蓄積されることで今ではEXACTの大きな財産となっています。

しかも、毎ロットごとで製品が水準に合わない可能性を考え、テストを繰り返します。そのためEXACTホイールは、テストのたびに毎年と言っていいほど破壊されています。

株式会社エンケイテストアンドラボラトリー 社では厳格なテストを繰り返すことから、同社の試験は世界屈指の厳しさと言えます。

またMotoGP主催から「HOMOLOGATION STANDARD FOR FIM WORLD CHAMPIONSHIP GRAND
PRIX RACING WHEELS」に対応するためのレーシングホイール用のテストを要求されることもあります。

高いスキルを持つライダーはもちろん、平均的なライダーがパッと乗っても違和感なく乗りこなせて、路面からの情報が的確に伝わり低荷重領域でもライディングの楽しさを実感できるよう開発しているのがEXACTです。

ホイールは単体で機能するわけではなく、タイヤやサスペンションとの組み合わせによって真価を発揮するパーツですが、装着すればアドバンテージが考える理想のホイールはこれだ!と納得いただけるはずです。

Z900RS用EXACTホイール

ハブからリムにまっすぐ伸びた10本のスポークが印象的なADVANTAGE EXACT RACIN10をZ900RSに装着。真横から見るとリムの薄さが際立つものの、強度と剛性は国内有数のテスト機関も舌を巻くほどのハイレベル。

フロントホイールは純正と同じ3.50-17。HITACHI Astemo SHOWA製BFFとNISSINモノブロックキャリパー、アドバンテージ製ダイレクトドライブレーシングディスクでトータルチューニング。

リヤホイールは純正よりワンサイズアップの6.00-17。ダイレクトドライブレーシングディスクのインナーにABS用センサープレートが付く。RACIN

NSR250R(NC28)用EXACTホイール

アドバンテージEXACTはすべて自社で設計し、製造にまつわる治具類も自社で管理している。そのため設計次第で様々な機種用に展開できる。これはホンダNSR250R(NC28)用。片持ちリヤ

EXACT推奨タイヤはブリヂストン「バトラックスRS11」

国内トップメーカーのサスペンションやブレーキを取り扱い、自社ブランドのEXACTホイールやダイレクトドライブレーシングディスクなどフットワークパーツを中心に開発と製造を行うアドバンテージでは、最終的に路面とコンタクトするタイヤ選びにもこだわりがあり、カワサキZ900RS用EXACTについてはブリヂストン製バトラックスRS11を推奨タイヤとして設定しています。

EXACTのリムサイズはフロント3.50-17、リヤ6.00-17で、このリム幅に適合するタイヤであれば組み込みは可能ですが、ホイールやサスペンションとのマッチングではRS11に軍配が上がります。

RS11はそもそもサーキット専用(公道走行不可)のR11をベースとして公道用に開発されたタイヤで、こうしたタイヤはクセが強め、具体的にはコーナリング動作に入る時の姿勢変化に対してレスポンスが良すぎる傾向にあるという印象がありました。車重が軽くハイパワーの大型車だと、実際には滑っていないのに滑り出しの反応が早すぎるようなイメージだったのです。

これはアドバンテージ代表がモトクロス出身という来歴のせいもあるかもしれません。モトクロスは路面のμがロードに比べて格段に低く、ブレーキングで簡単にロックします。しかし滑りながらでもグリップ感があり、雨のレースでもほとんど怖さを感じないのは一定のグリップがあったからだと認識しています。

そうしたレース経験からブリヂストンタイヤに対する信頼性が醸成されており、その感覚でRS11をテストすると、先述のようなハイスペックタイヤに対するネガティブな印象が出てこなかったのです。

先回、F.C.C.トラクションコントロールクラッチキット使用の際にモチュール製オイルを強く推奨していることに触れましたが、私たちがパーツを選択する際に重視しているのは信頼性と安定性です。

どこか秀でる点がある代わりに明らかなウィークポイントがある部品や製品は、万人におすすめできるものにはならないというのが私たちの基本的なスタンスです。

その観点からRS11は推奨タイヤとしての必要十分条件を満たしています。元来リッタークラスのスーパースポーツ向けのキャラクターですが、ネイキッドのZ900RSに装着してもバイクとの一体感が生まれるように感じています。

ただし現行モデルならではの要注意ポイントとして、ABSとの兼ね合いは慎重にテストを繰り返しました。Z900RSの純正リヤホイールは5.50-17、タイヤサイズは180/555ZR17なのに対して、EXACTは6.00-17、RS11は190/55ZR17です。

タイヤサイズの変更によってタイヤハイトや周長が変化すると、ABSのセンサープレートに影響を与えるリスクがあり、変化の割合が大きいくなるとセンサー異常のトラブルにつながることもあります。

せっかく高性能なホイールとタイヤを組み合わせても、パフォーマンスが低下するようではコンストラクターとしては問題ありと言わざるを得ません。フットワークのプロショップを名乗る以上、そして公道向け車両のカスタムに活用していただく以上、これも先回使った言い回しですが「どこからも何も言われない」よう仕上げるのが私たちの使命です。

ホイールもタイヤも、さらにはサスペンションもブレーキも物理的に取り付けできれば良いというわけではなく、互いを組み合わせた上で総合的に性能を発揮できるか否かが重要です。

動画で紹介する和歌山利宏さんのインプレッションの通り、EXACTとRS11の組み合わせはマッチングが良好で、サーキットのスポーツ走行だけでなく街乗りでもツーリングでも目的地まで楽に安全に到着できる性能を作り込むことができたと自負しています。

RS(レーシングストリート)11はブリヂストンの公道用スポーツラジアルタイヤのフラッグシップモデル。ワインディングやサーキットでスポーツ走行を楽しみたいユーザー向けの高いグリップ力が特長。サイズはZ900RS純正と同じ120/70ZR17。

リヤは純正よりワンサイズ太い190/55ZR17。トレッドパターンはレース用のR11をベースとしており、主溝をタイヤへの入力と同じ方向に配置。そのためフロントとは主溝の角度が逆になる。リヤのショルダー部分は新開発コンパウンドを採用してグリップ力を向上している。

リヤ用のショルダー部分(オレンジ色部分)が新開発コンパウンド採用部分。リヤタイヤのトレッドベルトは剛性分布を見直し接地特性を改善し、車体を傾けた際のグリップを向上させているのが特長。


※本記事はアドバンテージが提供したもので、一部プロモーション要素を含みます。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。