
こんにちは。MattriderJapanのマットです。
今回はBMW F 450 GSの上級グレードである「GS Trophy」をお借りして、北海道や東京都内、箱根などあらゆるシーンで約1,000kmを走行しました。注目したいのは、クラッチレバーを操作せずに走れるERC(Easy Ride Clutch)の使い勝手です。
●文と写真:Matt RiderJapan
軽さが生む、旅先での扱いやすさ
F 450 GSに乗って、まず好印象だったのが車体の扱いやすさです。GSらしいデザインを受け継ぎながら、全体がコンパクトにまとまっています。
オフロードも想定されているモデルのため、キャンプ場等でも大活躍。F 450 GSとキャンプの相性は抜群でした。
F 450 GSの車重は178kg、標準のシート高は845mmです。身長165cmの僕にとって、車格や重さを必要以上に意識せずに扱える点は大きな魅力です。同じ排気量帯のライバル車種の車重が190〜200kg前後であることを考えると、この軽さは大きな利点といえます。実際、普段の取り回しでも安心感がありました。また足つきな不安な方の為に15mmダウンのローシート設定もオプションであります。
シート高は845mmと、クラス相応の高さです。身長165cmの僕がまたがると、片足の母指球あたりまで地面に着きます。車重は178kgと比較的軽量なため、足つきが多少悪くても安心感がありました。足つきに不安がある方には、シート高を15mm下げられる純正オプションのローシートも用意されています。
今回の北海道ツーリングでは景色のいい場所で少し寄り道をしたい。そんなときにも気軽にふらっと寄り道ができ、バイクから降りて写真を撮影したりできるサイズ感が、F 450 GSの魅力のひとつです。
ミルクロード(開陽台)
開陽台
低速の粘りと、回して楽しめる2気筒エンジン
F 450 GSに搭載するのは、新設計の420cc水冷並列2気筒エンジン。最高出力は48馬力、最大トルクは43Nmです。135度のクランクピンオフセットを採用している点も特徴です。
神の子池
僕が乗り味で気に入っているのは、特に低速域の粘り強さです。低い回転域で扱いやすく、アクセル操作に対して急に飛び出すようなドンツキ感が少ないことが印象に残りました。
走行中のハンドル周り目線の画像。BMWのフラグシップモデル類と遜色ないレベルの共通した作りになっています。冬場に嬉しいグリップヒーターも標準装備です。
ワインディングでは、3,000rpmあたりから力が立ち上がってくる感覚があり、アクセルを開けていく楽しさがあります。ゆっくり流す場面でも扱いやすく、回転を上げれば気持ちよく走れる。この幅の広さが、いろいろな道をつないで走るツーリングに合っていると感じます。
大空町ひまわり畑
高速道路も走りましたが、100km巡航時でもパワー不足を感じませんでした。排気量の数字だけでは分からない、実際に使ったときの走りやすさを備えたエンジンだと思います。
能取岬への道
また、この新設計エンジンも既存のバイクにない不思議な感覚とフィーリングで、乗っている際にもエンジンの鼓動感を楽しめました。
発進から停止までクラッチレバー操作が不要なERC
今回借りたGS Trophyグレードには、ERCが標準装備されています。遠心クラッチを発展させた機構で、エンジン回転数に応じてクラッチの接続と切断を行います。
ERC(Easy Ride Clutch)は、クラッチ操作を自動制御するシステムです。シフトアシストとの組み合わせにより、クラッチレバーを握らずに発進・変速・停止が可能です。エンストへの不安やクラッチ操作の負担を軽減し、気軽に走りを楽しめます。
発進時にはクラッチレバーを握って半クラッチを作る必要がなく、停止時にもレバー操作は不要。走行中は上下のクイックシフターである、ギアシフト・アシスタント・プロを使い、クラッチレバーを握らずにシフトアップ、シフトダウンができます。
野付半島
クラッチレバーを握らずに走れるメリットは、単に「楽」というだけではありません。ダートでのUターンでは、エンストの心配がないため、車体のコントロールとアクセルワークに集中できオフロード初心者の僕でもスムーズにUターンできました。
野付半島
林道やキャンプ場のダートなど、普段なら一度バイクから降りて、押しながら向きを変えていた場面でも、気づけば乗ったまま余裕を持ってUターンしている自分がいました。
また、東京の渋滞でもERC搭載モデルは大活躍しました。クラッチレバーを握る必要がないため、左手の疲労感は大きく違います。
メーター下にはUSB Type-Cソケットが標準で用意されています。ハンドル周りに標準装備されているのは嬉しいポイントです。
試乗した車両では、2,700rpmあたりからクラッチがつながり始めます。その感覚が比較的はっきりしているため、渋滞などの極低速走行では、少し違和感を覚える人もいるかもしれません。それでも、クラッチ操作の負担を減らしてくれる便利な次世代のシステムだと感じました。
旅の相棒として感じる、F 450 GSの魅力
約1,000kmを走行した北海道ツーリングでは、平均燃費32km/Lを記録しました。メーカー公称値の約26.3km/L(WMTCモード値)を上回る、非常に良好な結果です。タンク容量も14Lあり、公称燃費をもとに計算するとワンタンクで350km以上の航続距離が見込めます。給油のタイミングに余裕を持てるためロングツーリングでも安心です。
北海道ツーリングでは、合計約10kmのフラットダートを走行しました。オフロード経験の浅い僕でも、車体の安定感のおかげで不安なく走り切ることができました。エンストを気にせず走れるERCの恩恵も大きく、普段なら行わない砂利道でのUターンも乗ったままこなせるほど車体への信頼感がありました。
低速では粘りがあり、ワインディングではエンジンを回して楽しめる。車体はコンパクトで、走行中だけでなく取り回しもしやすい。そうした基本的な乗り味に、クラッチレバー操作を省ける便利さが加わっています。
裏摩周展望台
僕はこれまで、自分の体格では大きなアドベンチャーバイクでオフロードへ入るのは難しいと感じていました。F 450 GSは、そんな僕にも寄り道をしてみたいと思わせてくれた一台です。GS TrophyのERCは、その気持ちを後押ししてくれる装備だと思います。自分でギアを選びながら、もう少し気軽に旅を楽しみたい。そんなライダーにとって、F 450 GSは魅力のある相棒になるはずです。
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