
ふだんは走れないはずの原付や、公道を走ることのできないクラシックレーサーが、伊勢志摩の絶景を駆け抜ける。そんな夢のような光景が現実になるイベントが発表された。その名も「クラシック&原付・スペシャルバイク走行撮影会」だ。
●文:ヤングマシン編集部 ●写真/外部リンク:おかげ参りツーリングラリー公式サイト
ふだんは走れないマシンで、絶景ロードを独り占め
「クラシック&原付・スペシャルバイク走行撮影会」は、伊勢神宮への参拝をゴールとする「おかげ参りツーリングラリー2025」のスペシャルイベントという扱いだ。
2024年、試験的に開催された際には参加者から大好評を博し、2025年は募集台数を増やしての本格開催となる。愛機とともに最高のロケーションで、プロのカメラマンに走行写真を撮影してもらえるまたとないチャンスだ。
このイベント最大の魅力は、なんといっても伊勢志摩スカイラインを完全に占有できることにある。開催日時は2025年11月16日(日)の早朝、AM7時から8時までの1時間。この時間、コースは完全に閉鎖され、参加者だけの貸切状態となる。
対向車も一般車もいないクリアな路面で、伊勢志摩国立公園の息をのむような絶景をバックに、思いのままに愛機の走りを楽しめるのだ。
そして特筆すべきは、参加できる車両の幅広さだ。通常、自動車専用道路である伊勢志摩スカイラインは原動機付自転車の走行が禁止されている。しかし、このイベントでは特別に「原付(100cc以上推奨)」の参加が可能となるのだ。
ふだんは味わうことのできない絶景ワインディングを、自慢の原付で駆け抜けられる。これは原付オーナーにとって千載一遇の機会と言えるだろう。
さらに、「ふだんは公道を走行できない歴史あるクラシックバイクやさまざまなスペシャルバイク」も参加可能となっている。ガレージに眠る往年のレーサーや、保安基準の関係で公道走行を諦めていたカスタムマシンなどを、この日だけは堂々と走らせることができるのだ。
2024年開催時の様子
レジェンドが先導、プロが撮る! 一生の思い出をその手に
このスペシャルな走行会を、さらに特別なものにする要素が2つある。ひとつは、先導ライダーとして、あの八代俊二氏が登場することだ。1984年の全日本ロードレース選手権TT-F1初代チャンピオンに輝き、1987年にはロードレース世界選手権GP500でランキング9位を獲得した、三重県鈴鹿市在住のレジェンドライダー。
1984年全日本ロードレース選手権TT-F1初代チャンピオンであり、1987年世界選手権GP500でランキング9位を獲得した三重県鈴鹿市在住の八代俊二氏
そんな偉大なライダーの背中を追いかけて伊勢志摩スカイラインを走れるとは、レースファンにとってはたまらない体験になるはずだ。
もうひとつは、プロカメラマンによる本格的な走行撮影だ。後援についている二輪専門雑誌「Clubman」誌のプロカメラマンが、参加者とその愛機の勇姿をファインダーに収めてくれる。
撮影された写真は後日参加者に配布されるだけでなく、なんと2026年3月発売予定の「Clubman Vol.10」にも掲載される可能性があるという。さらに、写真販売サイトでの販売も予定されており、まるで専門誌の1ページのようなハイクオリティな写真を手にすることができるのだ。
当日の走行ルートは、朝熊山頂のパドック(第3駐車場)を起点とする往復約17kmのコース。鳥羽側の折り返し地点でUターンし、パドック前を通過。その後、伊勢側の折り返し地点「一宇田展望台」で再びUターンしてパドックに戻るというレイアウトで、これを2回走行する予定となっている。
募集はわずか30台! エントリー急げ
夢のようなイベントだが、参加できるのは限定30台のみ。昨年の試験開催では20台が参加し、大変好評だったことを受けての枠拡大だが、それでもプラチナチケットになりそうだ。
参加を希望するライダーは、事前エントリーが必須となる。参加費は1万円。申し込みは「おかげ参りツーリングラリー」の公式サイト内にある専用ページから行うことができる。受付は11月2日(日)までとなっているが、定員の30台に達した時点で締め切られてしまうので、気になる方はお早めに。
伊勢神宮参拝をゴールとする「おかげ参りツーリングラリー」自体も、2033年の式年遷宮まで10年連続開催を目指す壮大なプロジェクトだ。ラリーにエントリーすれば、ゼッケンステッカーやオリジナル御朱印帳などの記念品が手に入り、期間中いつでも好きな時に伊勢志摩エリアのツーリングを楽しめる。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(ツーリング)
インカムが使えない状況は突然やって来る!ハンドサインは現代でも有効 走行中は基本的に1人きりになるバイク。たとえ複数人でのマスツーリングだとしても、運転中は他のライダーと会話ができないため、何か伝えた[…]
「いつか一緒に走ろう」の約束から8年が経った レースの取材をしていると、大分県のオートポリス・サーキットに年に3度ほど訪れる。このサーキットは大分県に所在しているが、熊本側から向かう方が便利な立地だ。[…]
世界初の360度カメラを生み出したメーカーの現行モデル ツーリング時のスピード感溢れる風景や、ガレージでのカスタム作業の俯瞰映像など、SNS全盛の現代において、臨場感あふれる記録は、単なる思い出以上の[…]
フィジカルの土台作りから本気の肉体改造まで ホームフィットネス製品を展開し、日本においてトップクラスのEC販売実績を誇るステディジャパン株式会社(STEADY)が、年末を達成感で締めくくり、「なりたい[…]
神奈川の奥座敷・山北町の秘境を駆け歩く 秘境という定義は本当に難しい。難しいというか、奥深い。関東平野の西端・神奈川県にも秘境と呼ばれる場所は多い。身近なところでいうと、湘南平や足柄山地、世界的に知ら[…]
最新の関連記事(イベント)
ザ・キングスマン (Kingston Custom)──全長4メートルのストリームライナーに変身したショットガン650 キングスマンは2014年に作られたスパイ映画で、ドイツのビルダーのキングストン・[…]
大型バイクのカスタムはクルーザーからアドベンチャーまで 台湾から世界的なカスタムビルダーも登場したこともあって、カスタムエリアでは車種を問わずさまざまな仕様が展開されていた。「SPEED&CRAFTS[…]
初めてでも気軽に参加できるぞ! 「憧れの外国車に乗ってみたい」そんな読者の思いに応えてくれるのが、この「那須MSL外国車試乗会」だ。 ラインナップはBMW/ドゥカティ/トライアンフ/KTM/アプリリア[…]
KOL(Key Opinion Leader)は当日のサプライズ! 去る12月3日(水)、東京お台場のBMW Tokyo Bayにおいて、2026年にルーマニアで開催される「International[…]
自分の力量、目指す位置、さらに好きなカテゴリーでBMWを楽しむ 近年流行しているビッグオフロード車。多くの人を魅了し、その牽引役であるのがBMWモトラッドが生み出したGSシリーズだ。2023年に130[…]
人気記事ランキング(全体)
火の玉「SE」と「ブラックボールエディション」、ビキニカウルの「カフェ」が登場 カワサキモータースジャパンは、ジャパンモビリティショー2025で世界初公開した新型「Z900RS」シリーズについてスペッ[…]
16日間で211万着の「メディヒール」が物量攻勢で復活 ワークマンが展開するPBリカバリーウェア「MEDIHEAL(メディヒール)」シリーズが、いま爆発的なヒットを記録している。2026年、秋冬商戦に[…]
ライバルを突き放す90°Vツインと高剛性に低重心の新次元を構築! ヤマハRZ250の切り開いた2スト復活劇から、レーシングマシンのレプリカブームへとエスカレートさせたのは、1983年のスズキRG250[…]
経済性と耐久性に優れた素性はそのままに、ブレーキ性能を向上 ホンダはタイで、日本仕様のキャストホイール+ABSとは別ラインになっているスーパーカブ110(現地名:スーパーカブ)をマイナーチェンジ。新た[…]
アドベンチャールックは伊達じゃない! 大型バイザーの恩恵 まず目を引くのが、オフロードテイストを感じさせる大型ピークバイザーだ。これは単なるファッションではない。 直射日光を遮る“ひさし”としての機能[…]
最新の投稿記事(全体)
日本発のトランスフォーマブル・バイク「タタメルバイク」 タタメルバイクは、日本のものづくりの精神と、自由な発想が融合して生まれた「持ち運べるパーソナルモビリティ」だ。最大の特徴は、その名の通りの折り畳[…]
〈1978年3月〉SR400[2H6]/500[2J3]:ロードスポーツの原点 1976年に発売したオフロードモデルのXT500のエンジンとフレームをベースに、トラディショナルなロードスポーツとして登[…]
何でもありルールに世界のメーカーが飛びついた WRCグループBカテゴリーは1982〜86年まで続いたラリー競技。レース好きならご存じの通り、レギュレーションはほぼ「何でもあり」的なニュアンスでした。レ[…]
レーサーポジションでもツーリングするカルチャーを育んだGSX-R1100! 1985年、サーキット最速を目指した新世代の油冷エンジンに超軽量なアルミ製ダブルクレードルのスーパースポーツ・GSX-R75[…]
タフネスと優しさを両立した水冷エンジン「シェルパ450」 インド北部にそびえるヒマラヤ山脈は、ロイヤルエンフィールドにとって、ひいてはインド人にとって、いつでも憧れの旅路だ。そんな憧憬が表れているモデ[…]
- 1
- 2
















































