
バイクツーリングを思いきり楽しむためには、持ち物の準備が欠かせません。しかし「最低限、何を持っていけばいいの?」と悩むライダーも多いはず。この記事では、初心者でも安心して出発できる最低限のツーリング持ち物を、日帰り・宿泊などのシチュエーション別にご紹介します。あわせて、あると便利なおすすめアイテムや積載の工夫も解説します。
●文・写真:ヤングマシン編集部(カイ)
ツーリングの持ち物【最低限必要な基本アイテム】
オートバイ趣味のもっとも一般的な楽しみ方は、オートバイならではの機動力や爽快さを満喫しながら好きな場所へ自由に行くこと。いわゆるツーリングです。
初心者からベテランまで、ライダーならほぼ必ず一度はツーリングを経験しているはず。なぜなら近所のコンビニへ買い物に行くのも、オートバイを運転して「楽しい!」と思えれば、それも立派なツーリングだからです。
手ぶらでもツーリングはできますが、まずはどんなツーリングでも共通して必要な「最低限の持ち物」がありますので紹介します。これだけは必ず持っていきましょう。
1. 運転に必要な基本装備
これが無ければ排気量の大小を問わず自動二輪車だったら公道走行ができないアイテム、それがヘルメットです。フルフェイス型、ジェット型、システム型など多様な種類が流通していますが、最も大事なのは安全性が担保されているかです。
ヘルメットの安全性には規格が存在し、国が定めた安全基準に適合した製品にのみ表示されるマーク「PSCマーク」を取得しているかが最重要です。他にも「SGマーク」や「JISマーク」、「MFJマーク」「ECE規格」「SNELL規格」などありますが、国内であれば最低でもPSC及びSGマークを取得したヘルメットを選択しましょう。
身を守る最低限の装備として、ヘルメットのように道路交通法で規定されてはいませんが、ライディンググローブも欠かせません。軍手のような手袋でも代用はききますが、しっかりしたプロテクターがついた専用品を選ぶと安心です。転倒時の手の保護はもちろん、走行時の飛び石被害や雨天時にグリップが滑るなどのアクシデントにも対応してくれます。
ヘルメットはSGマーク付きが不可欠。フルフェイス型やジェット型、オフロード型、システム型、ハーフ型など形状はいろいろあるので、オートバイの性格や好みによって選びたい。グローブはプロテクター付きが無難。季節によってはメッシュ型なども快適なライディングに繋がる。
服装も専用のライディングジャケット、ライディングパンツ、ライディング用革ツナギなど、安全性に配慮したアイテムを選択するのが良いでしょう。いずれも肘や肩パッド、脊椎パッド、胸パッドが付いたものが販売され、万一の事故の際に役立ちます。
また、ツーリング中に雨に降られることも珍しくはありません。レインウェアを携行すれば安心です。レインウェアは走行時にバタつかず蒸れない工夫がされている、ライディング専用品がベストです。
普段使いの服装でも間違いではないが、クルマとは異なり身体を露出させて高速走行するライダーには専用ウェアが心強い。肩、肘、膝、腰、脊髄、胸など、転倒時にダメージを負いやすい箇所に効果的なパッドを装備するものを選びたい。
不意の雨にもレインウェアがあれば安心。走行風でバタつかないように設計されたライディング用も多数販売されている。身体の蒸れを軽減する透湿素材を採用しているものがベター。また、レイングローブやブーツカバーも用意しておけば万全だ。
2. 緊急対応用の最低限アイテム
ツーリング中に関わらず、アクシデントはどんなに注意していても起こり得るもの。オートバイツーリングなら、最低限用意しておきたいものがあります。
まずは自分のオートバイに対応する携帯工具セット。純正で付いてくる車載工具も良いですが、あまり品質が良くない上に使いにくいものもあるので、プラグやカウルなどの脱着がスムーズできる精度の良い工具を用意しておけばトラブル時のストレスも減ります。
アクシデントに遭遇した際、まず行うのは携帯電話での通報や連絡。現代人にとって携帯電話は必携ツールですが、肝心なときに電池切れではお先真っ暗なので、モバイルバッテリーもセットで持ち歩きましょう。
不幸にも事故に遭ったときに備え、身分証明書や保険証も携行すべきです。同様に緊急連絡先のメモなども財布の中に忍ばせておきましょう。
車載ツールは最低限の機能しかなく、大抵の場合は品質も低い。自分のオートバイに適した工具を揃えて携行すれば万一の際にストレスを和らげてくれるだろう。現代人必携のスマホは言うまでもないが、バッテリー切れを想定して専用電池やモバイルバッテリーも用意したい。
【日帰り】ツーリングの持ち物リスト
最低限必要なもの
気軽な日帰りツーリングでも、最低限装備したいものがあります。特に暑い時期は熱中症への備えは最重要項目。水分補給用のペットボトルや、バックパックにハイドレーションを装備するのも手です。
また、通常の財布とは別に小銭入れやカード入れを持っていれば、現金しか使えない有料道路などで役立ったり、各種支払いをスムーズに行えるのでオススメです。
水分補給はペットボトルでも充分だが、「水を飲むためだけに止まりたくない」というライダーには、バックパックなどに装備できる山登り用のハイドレーションはいかがか? 通常の財布とは別に小銭入れやカード入れを取り出しやすい場所に装備すると便利。
ツーリング先での天候急変に備え、フェイスマスクやネックウォーマーを用意しておくと意外に役立ちます。また、オートバイを降りたあと、ヘルメットでペチャンコになった髪型をごまかすキャップやハットがあると行動範囲が広がりますよ。
また、汗や汚れ対策ほか、様々なシーンで使えるタオルはぜひ携帯したいアイテムです。雨天時にヘルメットのシールドを拭いたり、ツーリング中に購入した壊れやすいお土産を包んだりと、工夫次第で万能ツールに早変わりします。
天候急変に備えて着替えを用意するのも面倒だが、フェイスマスクやネックウォーマーなら嵩張らず気軽に持ち運べる。多少の寒さなら首元をカバーすれば想像以上に温まり効果大だ。タオルは何にでも使える。マシントラブル時のウエス代わりにもなるので1枚は装備したい。
あると便利な持ち物
必ずしも無いと困るほどではありませんが、効率的かつ快適なツーリングに役立つものがスマホホルダーやナビアプリ。時間が限られている日帰りツーリングであれば尚更です。
また、ペアや集団でのツーリングにはインカムがあれば便利。会話しながらのライディングは結構楽しいものです。気軽に予定外の立ち寄りもスムーズにできます。
万が一パンクに遭遇した際に備え、小型空気入れとパンク修理剤もあれば安心ですね。
今どきのツーリングではスマホホルダーとナビアプリはもはや必携かも? 気ままにライディングしたい派には不要かもしれないが、有限な時間を効率的に使いたいならナビアプリは是非利用したいツールだ。
マスツーリングや二人乗りでのツーリングにはインカムがあれば楽しみは広がる。ツーリングしながらのコミュニケーションは思った以上に楽しいものだ。パンク修理剤はあくまでも緊急用で、パンク修理ができる場所への移動に使うものと考えよう。
【宿泊あり】ツーリングの持ち物リスト
最低限必要なもの
キャンプやホテル・民宿利用など、お泊りも予定に加えた旅もツーリングの醍醐味です。日程に準じた着替え(下着・靴下・Tシャツなど)、洗面用具(歯ブラシ・洗顔ソープなど)、各種ガジェットの充電器&ケーブル類は忘れずに。
また、宿泊予約情報の控えなども、メモとしていつでも確認できるように準備しておきましょう。想定以上に移動時間がかかって暗くなってきたりするとパニクるものですが、メモなどの控えがあれば宿泊先へスムーズに連絡できて安心です。
着替えはツーリングの日数に合わせて厳選したい。ツーリング先のコインランドリーを利用すれば最低限の荷物で済む。また、ドライバッグなどを使って絶対濡らさないような工夫も必要だ。ホテルや民宿などではアメニティを期待できるが、キャンプなどでは歯ブラシなどを事前に用意すべし。
スマホやインカム、PCやカメラなど、現代の旅には様々な電子ガジェットは必須装備になりつつある。充電環境は自分で用意するのが鉄則であり、ガジェットに合わせた充電器や充電ケーブルはしっかり確認して装備しよう。
キャンプ泊の場合の追加アイテム
満天の星空の下、アウトドアを満喫しながら時を過ごすキャンプツーリングは人気のアクティビティ。キャンプ場でバンガローなどの宿泊設備を利用しないのであれば、テント/寝袋/スリーピングマットはマスト装備。スリーピングマットはロール式が一般的ですが、エアーで膨らむタイプも嵩張らず人気です。また、コットやハンモックなど、好みやシーンに応じて準備しましょう。
夜中に辺りを照らすランタンやライトは必携装備のひとつ。暗い中トイレに行く際にも必要になります。また、カップラーメンやホットコーヒーを淹れるのに、バーナーやコッヘル、点火用の火器類やガスも忘れずに。
積載場所が限られるオートバイの場合、徒歩キャンパーほどではないがテントの重量と仕舞寸法は注意すべきポイント。同様に寝袋も化繊より羽毛のほうが積載性が高いので検討しよう。真夏であればシュラフカバーだけでもなんとかなるケースは多い。
アウトドアで飲むコーヒーはなぜか美味い。インスタントでも家で飲むより美味しく感じるが、こだわり派ならコーヒーミルやフィルターを持参して淹れたてをつくるのも格別だ。ランタンとライトをひとつでこなすアイテムもあるが、もっとも便利なのはヘッドライトだろう。
ツーリング持ち物の収納・積載の工夫
シートバッグ/サイドバッグを活用
オートバイへの荷物の積載は、ツーリングにとってもっとも重要な前準備のひとつです。自分のオートバイに荷掛けフックはあるか? 充分な積載スペースがあるか? などを確認し、自分にあった収納・積載の工夫をしましょう。
シート用のバッグ、シート脇に装備するサイドバッグなど、オートバイ用に用意されるバッグも多数リリースされています。自分のオートバイに備わる積載用装備と、ツーリング時の荷物容量に応じてバッグを使い分るのがベターです。選ぶ際には防水性や取り外しやすさも重要ですので、オートバイ用品店などで現物を確認してから購入することをオススメします。
シートバッグと言っても様々な容量、装着方法がある。用途に応じた容量のバッグを、シーンに合わせて使い分けるのが良い。サイドバッグやタンクバッグなども検討し、バックパックもライディングしやすいものを選択したい。
荷物を減らすパッキングのコツ
積載する荷物を効率的に収納するコツは、種類別にまとめることです。例えば衣類などの嵩張るけど圧縮できるものは市販の圧縮袋やスタックバッグなどを利用すると劇的に省スペース化できます。
モバイル機器や小物類も同様に、ポーチなどに種類別で一括収納してまとめておけば、必要な時に必要なものだけスムーズにアクセスできます。
コンプレッションベルトを締めれば簡単に衣類などを圧縮収納できるスタックバッグは登山用品店などでも購入できる。すぐに取り出したい小物類はポーチにまとめておけばスムーズだ。ベルトから下げたり腿に装備可能なポーチもある。
あると便利なツーリング用おすすめグッズ
充電に便利なUSB電源は、標準あるいはオプション装備としてオートバイメーカーが設定するケースも増えています。もちろんオートバイ用品店でも多数販売されているので、モバイル機器を多用するなら導入を検討しましょう。
他にもドリンクホルダーや、バイク用盗難防止ロックなど、あると安心かつ便利なアイテムが多数あります。自分にあった装備をあれこれ考えて装備していくのも、オートバイツーリングをする際の楽しみのひとつです。
あると超絶便利なUSB電源は新し目のオートバイなら純正装備も珍しくない。もちろん後付けも可能なのでオススメ装備のひとつだが、モバイルバッテリーでも用は済むので、予算と用途次第で検討したい。ドリンクホルダーもあると便利なアイテムだ。
ツーリング先での観光時、駐輪したオートバイの防犯用に専用ロックがあれば安心だ。持ち運べるコンパクトなタイプ、ヘルメットをロックできるものなど種類は豊富だ。また、駐輪場所の地面がぬかるんでいたり砂地だった場合、サイドスタンドが地面にめりこまないパッドがあると安心。
まとめ|最低限でも安心して楽しめるツーリングを
ツーリングでは「これだけあれば大丈夫」という最低限の持ち物を把握しておくことで、余計な荷物を減らし快適に走ることができます。ここに挙げたアイテムはほんの一例ですが、ご自身の用途や旅のスタイルに合わせて工夫するのが大事です。
また、宿泊やキャンプの場合は用途に応じて事前に万全の準備をすることが、旅の楽しさや快適さに直結します。出発前にチェックリストを作成し、忘れ物なく安全で楽しいオートバイライフを楽しみましょう!
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