
超独特な断面形状のサイレンサーを持ち、1980年代に絶大な人気を誇ったマフラー「モリワキ フォーサイト」が復活するという。1980年代ブームの昨今、マフラー業界にまで復刻の嵐が吹き荒れることになるのか?!
●文:ヤングマシン編集部 ●CG:SRD
復活第1弾はヤマハXSR900GP用!
日本を代表するレーシングコンストラクター・モリワキエンジニアリング。彼らがオリジナルのアルミフレームにホンダ製エンジンを搭載した“モリワキ・ゼロ”で全日本選手権を戦っていた1980年代中盤、それらのマシンには断面がT字型となるフィンを持つ、独創的な形状のサイレンサーが装着されていた。
モリワキ絶頂期を象徴するこのマフラーこそ「フォーサイト」だ。考案者はモリワキの創始者・森脇護氏で、他にはない、独特きわまりない形状はサイレンサーの冷却効果を高めることで消音効果を狙ったものだ。
とはいえ、今となってはその効果云々よりも、‘80sを色濃く感じさせるルックスこそ最大の魅力だろう。コンピューター解析など存在しない時代に“少しでも速く”という熱意や創意工夫から生み出された、人間味溢れる雰囲気がたまらないのだ。
真の狙いは“唯一無二のデザイン”にあり?!
フォーサイト最大の特徴が、外周を取り巻くT字型のフィン。その目的はサイレンサーの冷却だが、考案者の森脇護氏は「他がアルミ円筒型のマフラーばかりの中で、唯一無二のカッコいいマフラーを作りたかった」とも語る。独特な形状はアルミ材の押出成形によって作られるが、T字型フィンの縦リブは成形後の追加工が難しいため、重量増を抑えつつ強度も保てるギリギリの肉厚が追求されており、量産化にこぎつけたのは大手アルミニウムメーカーの協力が大きかったという。
1983年鈴鹿8耐のカワサキZ1000Jレーサー(通称モンスター)でレースに初投入されたモリワキ フォーサイト。その後ホンダCBX750エンジンのゼロX-7(左・写真は1985年式)などに展開されていく。市販車ではホンダCBR400FやVT250F、カワサキGPZ400Fを始め、ヤマハRZなどの2サイクル用も販売された。
創業者の森脇護さん。独創的な発想が生む“他にない”モノ作りは、今もモリワキのDNAだ。
そんな伝説のマフラーがなんと! 今春の東京MCショーで復活することが判明した。モリワキは2025年、久しぶりに東京MCショーへのブース出展を予定しているが、その目玉となるのがこの「フォーサイト復活計画」なのだという。
その復活第1弾はヤマハXSR900GP用になるとの情報。車両自体が‘80年代オマージュだけにマッチングに疑いの余地はないが、モリワキといえばホンダのイメージがとても強い。もちろん第2弾/第3弾とバリエーションは拡充されるだろうが、初弾が“モリワキ・ヤマハ”なのはなんとも意表を突くセレクトだ。その仕上がりを東京MCショーで確認してほしい!!
復活第1弾はまさかのモリワキ・ヤマハ!
【MORIWAKI XSR900GP(IMAGE CG)】復活第1弾のフォーサイトは、ヤマハXSR900GP用として『東京モーターサイクルショー』のモリワキブースにてお披露目される。気になるサイレンサーは金型から起こした新規製作品になるとの情報だ。ヤマハ&3気筒と、あえてモリワキイメージの薄い路線から攻めるのも新たな挑戦だろうか。これは期待しちゃうぜ〜!!
モリワキの公式SNSにアップされた「フォーサイト復活」画像。デモ車のXSR900GPはモリワキ「ZERO X-7」のカラーリングを完コピする模様。XSRのヘッドライト穴とX-7のオイルクーラー冷却孔が同じ位置にあるなど、意外な共通項もアリ!!
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
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