
ヤマハ発動機は2月12日に開催された2024年12月期の決算説明会にて、新たな代表取締役社長に現・代表取締役副社長の設楽元文(したら・もとふみ)氏が就任すると発表した。設楽氏は取締役会長兼代表取締役社長の渡部克明氏の後任となる。
●文:ヤングマシン編集部 ●写真:ヤマハ発動機
ヤマハの基幹事業を歴任。プライベートでもバイク趣味人
3月25日付で新社長に就任する設楽氏は1962年生まれ。ヤマハ入社は1986年で、以来、国内の2輪営業や商品企画/事業計画/ブランド推進事業などを歴任。2018年にはインド法人の最高責任者も含め、マリン事業の経験も持つなど、ヤマハ発動機の基幹事業に数多く関わってきた。また、2000年代にはカスタムトレンドを取り込んだプロモーション戦略を展開。あのTW200ブームの火付け役は設楽氏なのだという。
決算説明会に出席した渡部社長は、設楽氏の選出理由について「幅広い業務経験に加え、プライベートでは自社の2輪製品を楽しみ、ヤマハの企業目的“感動創造”を享受する生活を送っており、誰にも負けない熱烈なヤマハファンであるため」と説明。このタイミングでの社長交代については、2024年9月30日の前社長・日髙祥博氏の急な退任に際し、当時会長職だった渡部氏が社長を兼務し、設楽氏を副社長とした体制は当面のものだったことも明かされた。
2024年10月に内示を受けたという設楽氏は、社長就任に際して「変化に強い骨太な会社を目指す。市場環境の変化に左右されず、お客様に当社製品を選んでいただけるよう、ヤマハブランドの存在感をさらに高めていく。そのために次世代につながる技術を磨き、ヤマハらしいイノベーションを興していく」と述べた。
「YZF-R20」や「XSR200」がある…のかも?!
事業説明会ではまた、社長人事の発表に加えて、ASEANを中心にプレミアム領域でのシェアを拡大し、より高収益を目指していくとの説明もあり、ヤマハのプレミアム商品としてZ世代に浸透している現行155ccクラスより、さらにハイテックなモデルを求める声に応えるべく、上位モデルを含めたプレミアム戦略を展開していくことも語られた。
現行YZF-R15やXSR155の上位機種になる…と推察されるプレミアム商品は、新開発のプラットフォームも含めて検討されているそうで、パフォーマンスだけでなく、コネクティビティなどのデジタル化も盛り込んだ機種として開発を進めているとのこと。
ASEANやインドでは、現在200cc前後の排気量帯が活発化しており、ヤマハのいうプレミアム領域はこのクラスを差していると推察される。つまりは“YZF-R20”や“XSR200”、はたまた“XT200”といった商品がスタンバイしているのかもしれない?!「自分の強みは突破力と前向きな思考」と語る設楽新社長の、積極的な舵取りに期待したい。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(ニュース&トピックス | ヤマハ [YAMAHA])
ヤマハ「YZF-R9」日本価格は140万円台前半か ヤマハの新型スーパースポーツ「YZF-R9」の日本国内導入が2025年春以降と案内されており、正式発表への期待が高まっている。とくに注目したいのは価[…]
ヤマハ発動機と三菱重工業は、200kgの貨物を搭載可能な中型マルチコプター型無人機(以下、中型無人機)の開発に向けた共同研究を行っていることを発表した。 パワーユニットには、ヤマハが2023年にコンセ[…]
1980年代の鈴鹿8時間耐久の盛り上がりを再び起こしたい 設楽さんは、いま世界でもっとも伸長しているインドに2018年から赴任。その市場の成長ぶりをつぶさに見てきた目には、日本市場はどう映っているのだ[…]
ヤマハ発動機は、5月21日(水)~23日(金)にパシフィコ横浜で開催される国内最大級の自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展2025 YOKOHAMA」(主催:公益社団法人自動車技術会)に出展し、同[…]
都市型イベント「My Yamaha Motorcycle Exhibition」開催へ ヤマハは、2025年9月20日に桜木町駅前(神奈川県横浜市)にて「My Yamaha Motorcycle Ex[…]
人気記事ランキング(全体)
日本仕様にもニューカラー投入か 英国スズキは、マキシスクーター(日本でいうところのビッグスクーターにあたる)の「バーグマン400」にニューカラーを導入すると発表した。 深緑の『パールマットシャドウグリ[…]
2024年登場の「KLX230S」「KLX230SM」に続く新バリエーション KLX230プラットフォームに新顔が登場した。北米で発表されたのは、「KLX230 DF ABS(DF)」と「KLX230[…]
1998年登場のロングセラーモデル、ホンダCB1300シリーズの魅力とは? 今回は、私が白バイ隊員として約10年間、ホンダ CB1300に乗ってきた経験や感想を交えて、CB1300シリーズをお勧めする[…]
カブとは違うのだよスーパーカブとはっ! みなさんご存知のとおり、スーパーカブは2014年に立体商標として登録されている。この立体商標とは、いわば“形の特許”であり、立体商標として代表的なのは「コカコー[…]
東京モーターショーへ参考展示された3年後に商品化リリース! 1992年にスズキからデビューしたSW-1は、さすがにここまで異様さを纏うと、当時も街中で滅多に見かけなかったが、偶然でも目に入ると「SW-[…]
最新の投稿記事(全体)
ポイント1:ホルダー背面のエアバッグが高周波振動を効果的に除去 “振動対策”は、バイクにスマートフォンをマウントする際の大きな課題だ。 スマホの地図アプリが街乗りやツーリングで便利なことが知られ、20[…]
カフェだけじゃないバイク乗りのための空間 神奈川県座間市にある「ライダーズベース・リバティ」は、レンタルできる洗車場やピットなどを完備し、バイク用品やバイク本体(!)まで購入できるライダーズカフェだ。[…]
ガレージハウス「THE ROCKS」がバイク乗りの夢を形にする せっかくバイクを持っているのに愛車を手元に置けず、乗る際には駐輪場までバイクを取りに行く必要がある。本来、機動性が高く思い立った時に気軽[…]
コラボイベントの事前告知はSNS 「ウィズハーレー誌とのコラボ企画! イベントの模様は誌面にて掲載されます!!」 イベント開催が決定後、すぐにハーレーダビッドソン川口、そして関連店舗のSNSやホームペ[…]
2020年モデル概要:600スーパースポーツが戦闘力を向上して復活 2016年に国内仕様の生産が一時ストップしていた、600ccクラスのスーパースポーツ「CBR600RR」が復活したのは、2020年の[…]
- 1
- 2