
カワサキは北米で、2025年モデルを一挙に発表した。まずお届けしたいのは、タイで先行発表されていた新型モデル「W230」だ。空冷233cc単気筒エンジンを搭載するレトロモデル、日本仕様の登場も間もなくと期待!!
●文:ヤングマシン編集部(ヨ)
日本で登場したときの想定価格は60万円台か
カワサキはタイに続き北米でも「W230}を発表。空冷233cc単気筒エンジンはKLX230のものをベースとしているが、レトロモデルにふさわしいパワー特性と外観が与えられており、シャーシと外装は専用設計だ。
タイで登場したW230は、ジャパンモビリティショー2023で参考出品されたのとお同じホワイトのみだったが、北米仕様はメタリックオーシャンブルー×エボニーという新鮮なカラーで発表された。
エストレヤ以来の軽二輪レトロモデルとして日本でも登場確実だが、ここではW230の特徴を整理していきたい。
まずエンジンは、オフロードモデルKLX230のものをベースとしたボアストローク67.0×66.0mmの233cc単気筒で、扱いやすい低中速域のトルクを優先した調整が行われている。フライホイールの質量が大きいということで、発進時にクラッチを繋いだ瞬間の力強さを想像させ、エンストの可能性も低くなるはず。また、巡行時の安定性も高いはずだ。新たにギヤ駆動のバランサーが組み込まれ、振動も低減されている。
また、エンジンの外観は「美しいエンジンの構築」をテーマに仕上げられており、丸みを帯びたケースカバーや大型フィンが見る者を飽きさせない。左側のクランクケースカバーからチェーンカバーへのシームレスな繋がりやクローム仕上げのFIカバーなども見どころ。シリンダーのブラック塗装は往年の名車・W1へのオマージュだ。
マフラーもW1をオマージュしたピーシューターデザインとされ、バフ仕上げのオールステンレス製。ティアドロップ型の燃料タンクと水平基調のサイレンサー&シートがビンテージスタイルを構築する。
フレームは軽量でバランスに優れたセミダブルクレードルで、コンパクトな車体は装備重量143kg、シート高は嬉しい744mm(29.3インチ)を実現。サスペンションはφ37mm正立フロントフォークに5段階のプリロード調整が可能なリヤショックが組み合わされる。楕円断面のスイングアームはねじれと横方向のたわみを最適化した設計といい、穏やかなレスポンスが想像できる。
セミダブルクレードルフレームに正立フロントフォーク/ツインショックの組み合わせ、空冷単気筒エンジンはレトロスタイルに化粧直しされただけでなくエンジン特性から作り込まれ、バランサーも採用。水平基調のマフラーもスタイリッシュだ。
ワイヤースポークホイールは前輪18/後輪17インチとし、前後ディスクブレーキとABSを標準装備。細身のタイヤも軽快な走りを予感させる。
ニーグリップしやすい燃料タンク、防振処理を施したステップを装備し、ハンドルバーのバーエンドウェイトも振動を最小限に抑える。
メーターはアナログのツインタイプで、LCDスクリーンにはオド、トリップ、時計などを追加表示可能。盤面には「W」のロゴが目立つように配置されている。
φ130mmのLEDヘッドライトや大型のウインカー、スタイリッシュなテールライトなど、細かなディテールへのこだわりはWシリーズならではだろう。
このほか純正アクセサリーとしてニーパッド、リヤキャリア、USBタイプCソケット、クローム仕上げのエンジンガードなどがラインナップされるという。
価格は5599ドル(日本円換算約80万4000円・10/2現在)と、一見すると高めだがこれは円安のせい。現地で発売予定の2025年型W800は1万399ドルであり、その価格比を日本のW800(124万3000円)に掛け合わせると、日本仕様W230の計算上の想定価格は66万9000円になる。タイ仕様の価格からはギリギリ50万円台の計算だったが、実際はどうなる?
北米仕様の発売時期は2025年冬、そして日本仕様の発表時期は今秋以降とされている。続報を待て!
KAWASAKI W230 ABS[2025 U.S. model]
主要諸元■全長/全幅/全高未発表 軸距1415mm シート高744mm 車重143kg(装備)■空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 233cc 最高出力未発表 1.9kg-m/5800rpm 変速機6段 燃料タンク容量12.1L■キャスター/トレール27°/99mm ホイールトラベルF=116mm R=94mm■ブレーキF=φ265mmディスク+2ポットキャリパー R=φ220ディスク+1ポットキャリパー タイヤサイズF=90/90-18 R=110/90-17 ※諸元は北米仕様
KAWASAKI W230 ABS[2025 U.S. model]METALLIC OCEAN BLUE / EBONY
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(カワサキ [KAWASAKI])
CBXと双璧をなした6気筒マシンの誕生【1979 カワサキZ1300】 CBXと同時期に登場した6気筒マシンが、カワサキのZ1300だ。 しかし、こちらは同じ6気筒でも色合いが違う。排気量は1300と[…]
空冷エンジンのノウハウを結集【カワサキGPz1100】 航空機技術から生まれたハーフカウルと、レース譲りのユニトラックサスを装備。 さらに、Z-GP以来の燃料噴射装置を採用。インナーシム化や多球形燃焼[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
そもそも”アメリカン”バイクとは? 一般にクルーザーとも呼ぶが、車体の重心やシート高が低く、長い直線をゆったり走るのに適した設計のバイク。ハーレーダビッドソンなどのアメリカ車に代表されることから、アメ[…]
GP技術をフィードバック【カワサキZ1100GP】 当時はH1、H2RやZのレースでの実績に加えて、カワサキは世界GP250ccクラスの1978〜1981年連続チャンピオンを獲得。 こうしたレースで活[…]
最新の関連記事(新型ヘリテイジ/ネオクラシック)
レトロな容姿になってもやっぱり走りはイマドキ 2024年の全日本ロードレース選手権最終戦で、鈴鹿サーキットに対する苦手意識をようやく克服しました。日曜日朝のフリー走行で、走り方の意識を変えたことがその[…]
燃料タンク/サスペンションカバー/ディープフェンダーも新作! ホンダは、2023年11月に車両の姿を公開し、後日国内で発売予定としていた新型モデル「GB350C」を2024年10月10日に発売した。開[…]
電子制御スロットル採用でユーロ5+適合、走行モードやクルコン、トラコンなど電子制御も充実 ピアッジオグループジャパンは、EICMA 2024で初公開された新型V7シリーズの国内正式導入を発表。2025[…]
2018年モデル:Z1/Z2モチーフ 発売は2017年12月1日。モチーフとなったZ1・Z2は、ショートピッチの燃料タンク形状とオレンジの塗色から「火の玉オレンジ」と呼ばれたカラーリング。これが伝説の[…]
王道ネイキッドは相変わらず人気! スズキにも参入を熱望したい 共通の775cc並列2気筒を用い、ストリートファイターのGSX-8S、フルカウルのGSX-8R、アドベンチャーのVストローム800系を展開[…]
人気記事ランキング(全体)
いざという時に役に立つ小ネタ「結束バンドの外し方」 こんにちは! DIY道楽テツです。今回はすっごい「小ネタ」ですが、知っていれば間違いなくアナタの人生で救いをもたらす(大げさ?)な豆知識でございます[…]
スマートライドモニターがスマートフォン化! 2023年、業界に先駆けて登場した、Akeeyoのスマートライドモニター「AIO-5」。その後継機となるAIO-6が、2025年3月末からクラウドファンディ[…]
クラッチ操作の負担を減らす「Honda E-Clutch」 今回、大注目! レブルに「Honda E-Clutch」搭載タイプがラインアップされることとなりました。 Honda E-Clutchは、発[…]
エンジン積み替えで規制対応!? なら水冷縦型しかないっ! 2023年末にタイで、続く年明け以降にはベトナムやフィリピンでも発表された、ヤマハの新型モデル「PG-1」。日本にも一部で並行輸入されたりした[…]
作業環境を整えるアイテムが、ミスを減らして仕上がりを向上させる 塗装好きのサンデーメカニックといえども、整備で使う工具に比べて塗装関連の道具を使う機会は少ないはず。スプレーガンの置き場が定まらずひっく[…]
最新の投稿記事(全体)
人気キャラクター・ジュリをイメージ 世界累計販売本数が5,600万本を超える⼈気ゲーム「ストリートファイター」シリーズ。eスポーツの⼤会も盛んに⾏なわれており、最新作である『ストリートファイター6』で[…]
我が道をゆくヤマハ【1982 ヤマハXJ650ターボ】 ホンダのCX500ターボと同じく、1981年の東京モーターショーに出展されたモデルで、XJ650をベースにしたターボ車。 モーターショーにはイン[…]
ライダーにとって天気は走行計画を左右する重要な要素。気持ちのいいツーリングも雨や強風で修行のような一日に早変わりしてしまう。ひとつは、天気予報アプリを手元のスマートフォンにインストールしていることだろ[…]
Q:雪道や凍結路は通れるの? チェーンやスタッドレスってある?? 一部の冒険好きバイク乗りと雪国の職業ライダー以外にはあまり知られていないが、バイク用のスノーチェーンやスタッドレスタイヤもある。 スタ[…]
スマートライドモニターがスマートフォン化! 2023年、業界に先駆けて登場した、Akeeyoのスマートライドモニター「AIO-5」。その後継機となるAIO-6が、2025年3月末からクラウドファンディ[…]
- 1
- 2