
カワサキは世界スーパーバイク選手権(SBK)での活動を、2025年から傘下ブランドのビモータに移管することを発表した。それを伝えるビモータのプレスリリースには「カワサキからZX-10RRエンジンの供給を受けて…」という主旨の一文が!! ということはビモータから、カワサキエンジンのSBKホモロゲーション用マシンが登場することは間違いない!! さっそくその姿を大胆予測してみた!
●CG製作:SRD(不許複製/All rights reserved)
ビモータ発の超スペシャル・ホモロゲマシン
WEBヤングマシンでもすでにお伝えした、ビモータがSBKに参戦するというニュース。カワサキのファクトリーチームであるKRT(Kawasaki Racing Team)がビモータと合流し、かつカワサキがZX-10RRのエンジンを供給。新チーム「BbKRT(Bimota by Kawasaki Racing Team)」を立ち上げて2025年からのSBK参戦を行うというものだ。
2015年〜2020年に6連覇を達成するなど、一時はSBKで無双を誇ったカワサキファクトリーのニンジャZX-10Rだが、2021年はヤマハに、ここ2年はドゥカティに王座を奪われており、以前のようなアドバンテージはなくなってしまった。かつての優位をふたたび築き、もう一度SBKの王座に君臨する…。そのためのカワサキの秘策がビモータの活用というアイデアなのだろう。
ドゥカティのパニガーレV4RやBMWのM1000RRのような少量生産のホモロゲーションモデルを開発するには、カワサキよりも小回りの利くビモータの方が有利だし、カワサキとしてもSBK活動を継続しつつ、勝てば傘下ブランドであるビモータの価値向上に直結する。市販車で協業してきた両者が、お互いの利点を活かした新たなステージに進むということだ。
アレックス・ロウズとアクセル・バッサーニの2名を擁し、2024年のSBKに参戦中のKRT。参戦車両のZX-10RRは2024年型で可変ファンネルのVAIを投入するなどで戦闘力を高めているが、基本設計は2011年まで遡る車両なだけに…そろそろ完全刷新版が欲しいところ?!
お家芸トレリスフレームのSBKマシンに期待!!
【ビモータ・テージH2】カワサキの資本参加後、初めてリリースされたビモータがテージH2。ニンジャH2用のスーパーチャージドエンジンを、ビモータの代名詞であるハブセンターステアリングの車体に搭載する。
となれば楽しみなのは、ZX-10RRエンジンを搭載したビモータ製ホモロゲーションモデルの登場だ。SBKで勝てる速さとビモータのブランド力が合体すれば、速さでもプレミアム感でも先述のパニガーレV4RやM1000RRに匹敵する1台が誕生する。SBKのホモロゲ車には4万4000ユーロ≒740万円以下の価格規定があり、そこまでではないにせよ高価なモデルになることは間違いないが、だからこそZX-10RRでは難しかった“飛び道具”も投入可能なはずだ。
では「KB5」を名乗るであろうこのホモロゲマシンはどんな姿になるのか?ビモータブランドでの参戦となれば、他社にない独自性にあふれた“らしい”アイテムが欠かせない。同社のアイデンティティといえばテージH2のハブセンターステアリングだが、これは重量がかさむこともあり、サーキットにおけるスプリントレース向きの技術とは言いがたい。
というわけでヤングマシンが予想するのは、ビモータのもうひとつのお家芸・スチール製トレリスフレームの投入だ。そうなればSBK唯一のスチールフレーム・ファクトリーマシンとして、他にはない個性を発揮できるし、ZX-10RRのアルミ製ツインスパーフレームとの差別化も明確。ニンジャH2以降、積極的にトレリスフレームを採用してきたカワサキとのシナジー効果も期待できるはずだ。
スチールフレームと聞くと怪訝に思う向きもあるだろうが、やり方次第でアルミフレームに劣らない戦闘力を発揮できるのはMotoGPでKTMが証明しているし、今のSBKで使われるピレリタイヤは独特なフレーム形態のドゥカティ・パニガーレのような、やや剛性が低めの車体とマッチするとの説もある。ホンダCBR1000RR-Rが2024モデルでフレーム剛性を下げたのもこの噂を裏付けており、SBKをとりまく諸事情はスチールフレーム向きとも取れるのだ。
そもそもビモータは2014年に、トレリス+アルミのハイブリッドフレームにBMW・S1000RRエンジンを搭載した「BB3」でSBK参戦を目論んだことがある。今回のチャレンジはリベンジとも言えるし、それをカワサキがバックアップするという体制も興味深い。当然ながらZX-10RRエンジンにはカワサキがさらなるチューニングを加えるハズだ。
2025年からの参戦となれば、今年中にその姿を拝めるのは間違いない。SBK再制覇をもくろむカワサキ✕ビモータによる超スペシャル・ホモロゲーションモデルの登場を楽しみに待ちたい!!
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(ビモータ | 新型大型二輪 [751〜1000cc])
購入希望者は改めての発売案内を待つべし Ninja ZX-10RRのエンジンを搭載したビモータ製スーパーバイク「KB998 Rimini」が正式発表されたのは2025年5月。スーパーバイク世界選手権を[…]
ビモータの工房があるイタリアの都市「リミニ」をその名に冠する Ninja ZX-10RRのエンジンを搭載したビモータ製スーパーバイクが、ついに正式発表された。すでにスーパーバイク世界選手権を走っている[…]
スーパーチャージャーにハブステアでクロスオーバー…全部載せじゃん!! EICMAで発表されたビモータのニューモデル「テラ」は、カワサキ体制となって初めて発表された、2019年のテージH2から数えて5番[…]
いきなり、ニンジャZX-25Rの重量に『あと3kg!』まで迫る! ビモータKB4のあまりの完成度の高さと衝撃的なハンドリングに驚いたレポート記事をこちらに公開したばかりだが、大阪のケイファクトリーがそ[…]
ロケットダッシュを整然と安定させるスーパー車体 前に突き出たスイングアーム……ビモータのテージH2は、威圧的な大柄カウルも異様だが、前輪を支えるフロントフォークが見えない不気味さで異彩を放つ。これはハ[…]
人気記事ランキング(全体)
日本仕様が出れば車名はスーパーフォアになるか ホンダの名車CB400スーパーフォアが生産終了になって今年ではや3年目。入れ替わるようにカワサキから直列4気筒を搭載する「Ninja ZX-4R」が登場し[…]
トレリスフレーム+ユニトラックサスペンションの本格派 カワサキは欧州で、15psを発揮する水冷125cc単気筒エンジンをスチール製トレリスフレームに搭載し、前後17インチホイールを履かせたフルサイズス[…]
125ccクラス 軽さランキングTOP10 原付二種は免許取得のハードルも低く、手軽に楽しめる最高の相棒だ。とくに重要なのは「軽さ」だろう。軽ければ軽いほど、街中での取り回しは楽になるし、タイトなワイ[…]
高級感漂うゴールドカーキのデザイン 「IQOS ILUMA PRIME ゴールドカーキ」は、その名の通り落ち着いたゴールドトーンとカーキを組み合わせた洗練デザインが特徴です。手に取った瞬間に感じられる[…]
PROGRIP専用の信頼接着剤 デイトナ(Daytona)の「グリップボンド PROGRIP 耐振ゲルタイプ専用 12g 93129」は、PROGRIP用に設計された専用接着剤です。容量は12gで、初[…]
最新の投稿記事(全体)
その姿、まるでハンターカブ×ミニトレ?! タイ仕様は新型に切り替わるとともにカラーバリエーション変更&グラフィックが変更された。 一方ベトナム仕様は、従来モデルを標準仕様として併売。この標準モデルはカ[…]
滑りにくさと耐久性を両立したソール設計 アシックスの安全靴「WINJOB CP113」は、油で劣化しにくく耐久性に優れたCPグリップソールを採用。濡れた床や油で汚れた現場でも安定したグリップ性能を発揮[…]
生産累計1億台、60周年の原点モデル 初代スーパーカブはホンダ創業の本田宗一郎氏と藤澤武夫氏が直接開発の先頭に立ったオートバイ。それに続く東南アジアのドリーム、WAVEなどを含む歴代スーパーカブシリー[…]
W230/MEGURO S1 デビュー応援キャンペーン 株式会社カワサキモータースジャパンが、2025年9月1日(月)より、全国のカワサキプラザにおいて「W230」および「MEGURO S1」の新車([…]
デビュー時は2スト125で敵ナシ状態! 1982年のヤマハRZ125が生んだムーブメントは、高速道路へ入れないマイナーな125スポーツだったのを、2ストの水冷化で通勤通学だけでなくレースへ興じる層が加[…]