バイク業界の現在を知ることができる二輪車新聞では、2024年1月1日号で2023年のバイク新車出荷台数(125cc以下)/販売台数(126cc以上)の推定値を掲載した。コロナ禍による出荷の遅れも2023年夏頃にほぼ一段落し、順調に数字を伸ばしてきている。ここでは原付二種クラスの販売台数ランキングをお伝えしたい。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●出典: 二輪車新聞
- 1 原付二種の国内出荷台数は、前年比47.8%で史上初の15万台超え
- 2 1位:CT125ハンターカブ[ホンダ]1万8600台(前年1万1400台)
- 3 2位:PCX[ホンダ]1万8500台(前年1万7300台)
- 4 3位:スーパーカブ110/プロ[ホンダ]1万300台(前年データなし)
- 5 4位:ディオ110/ベーシック[ホンダ]9200台(前年4700台)
- 6 4位:クロスカブ110[ホンダ]9200台(前年6600台)
- 7 6位:ダックス125[ホンダ]8900台(前年1900台)
- 8 7位:リード125[ホンダ]7400台(前年6500台)
- 9 8位:アクシスZ[ヤマハ]6000台(前年5200台)
- 10 9位:ジョグ125[ヤマハ]5300台(前年800台)
- 11 10位:アドレス125[スズキ]5100台(前年1000台)
- 12 2023年 原付二種(51~125cc) 国内出荷台数 TOP20
原付二種の国内出荷台数は、前年比47.8%で史上初の15万台超え
バイク業界の出来事を網羅する二輪車新聞は、1月1日号で2023年の二輪車総需要を総括した。これは毎年発表されるデータで、どの排気量クラスが盛り上がっているのか、売れた機種はなんだったのかを見ることができる貴重な特集号だ。ここでは二輪車新聞のデータをもとに、原付二種(51~125cc)クラスにフォーカスした記事をお届けしたい。
需要台数とは販売台数を意味するが、原付一種/原付二種クラスは全国的な販売データがないため出荷台数でカウントしているとのこと。
原付二種クラスは、全体で前年同期比47.8%増の15万400台。2021年以来2年ぶりのプラスだが、約5割増で初の15万台超え。ここ10年は9~10万台だったが、原付一種の9万4300台、軽二輪7万1900台、小型二輪9万1400台をおさえて原付二種が二輪車総需要をトップシェアを獲得した。
ホンダは前年比51.6%増の11万2100台で、1998年以来の10万台突破。シェアは1.8ポイントアップの74.5%にのぼる。これに続くのはヤマハで、前年比33.3%増の2万3100台と6年ぶりに2万台を超え、シェア15.4%(1.6ポイント減)となった。スズキは1万4600台で前年比46.5%増の大幅アップとなり、シェアは0.1ポイント減の9.7%に。カワサキは正規ラインナップがZ125プロ(生産終了)のみということもあり、600台。前年比13.4%増でシェアは0.1ポイント減の0.4%に。4メーカーが揃って増加したのは2年ぶりだ。
もやは定番ともいえるが特に目立った数字を残したのはホンダのCT125ハンターカブとPCXで、いずれも1万8000台を超えている。2022年はPCXが1万7300台、ハンターカブが1万1400台だった。
原付一種(~50cc)についても触れておこう。2023年の原付一種・出荷台数は3年ぶりのマイナスで9万4300台となり、前年比では28.2%のダウン。ついに10万台を割り込み、トップシェアの座を原付二種に明け渡した。メーカー別ではホンダが19.4%減で4年連続の前年割れ、ヤマハ37.5%減で3年ぶりの前年割れ、スズキ25.8%減で2年ぶりの前年割れと並ぶ。シェアはホンダ49.5%/ヤマハ38.7%/スズキ11.8%で、車両別でジョグシリーズ(1万8700台)がトップに。2位はタクト(1万660台)だ。
以下に原付二種クラスの上位10傑を紹介していこう。記事末にはTOP 20ランキング詳細も掲載している。
※出荷台数は全て二輪車新聞による推定値
1位:CT125ハンターカブ[ホンダ]1万8600台(前年1万1400台)
2020年6月26日に発売され、2022年12月に新エンジンを搭載してモデルチェンジ。AT小型限定普通二輪免許で乗れる気軽さと、アウトドア志向が強まった潮流にタフな外観と走りのよさ、使い勝手が評価されて大人気車種に。2023年12月14日にターメリックイエローが追加された。価格は初代から一貫して44万円をキープしている。
2位:PCX[ホンダ]1万8500台(前年1万7300台)
2023年1月にマイナーチェンジを受け、最新排出ガス規制に適合。ブルーとブラウンの新色も追加された。2021年のモデルチェンジではフレームまで全てが刷新され、フロントABSやトラクションコントロールを獲得していた。
3位:スーパーカブ110/プロ[ホンダ]1万300台(前年データなし)
2022年3月28日に発売された現行モデルは、ロングストロークの新型エンジンを搭載して令和2年排出ガス規制に適合。前後キャストホイールを新採用した。配達業務向けの“プロ”の存在も出荷台数を押し上げた。2023年12月14日に新色「フレアオレンジメタリック」を追加。
4位:ディオ110/ベーシック[ホンダ]9200台(前年4700台)
2023年2月にリーズナブル価格の“ベーシック”仕様とニューカラーが追加された、空冷単気筒エンジン搭載の通勤快速スクーター。ディオ110ベーシックはスマートキーの省略などで低価格を実現している。 ※写真はベーシック
4位:クロスカブ110[ホンダ]9200台(前年6600台)
2022年3月28日発売の最新モデルでは、スーパーカブ110と同じくロングストロークの新型エンジンを搭載して令和2年排出ガス規制に適合し、前後キャストホイールを新採用。2023年12月14日に新色「マットジーンズブルーメタリック」が追加された。
6位:ダックス125[ホンダ]8900台(前年1900台)
胴長短足のダックスフンドをイメージさせる、燃料タンクを内蔵したT字型バックボーンフレームに、ホンダ伝統の横型エンジンを搭載したレジャーバイク。モンキー125の1人乗り/MT5速に対し、ダックス125は2人乗り/自動遠心クラッチ4速トランスミッションを採用している。2022年9月22日に発売されたため前年の出荷台数は少ないが、2023年はモンキー125にダブルスコアの人気モデルとなった。、2023年12月14日に新色「パールグリッタリングブルー」が追加発売。
7位:リード125[ホンダ]7400台(前年6500台)
2022年3月24日にモデルチェンジした新型が発売された。高い利便性とシャープなデザインで、1982年に初登場したリード/リード80(2ストロークエンジン搭載)からの伝統の名を受け継ぐ、コンパクトなラグジュアリー系スクーターがリード125だ。2023年2月16日に新色「キャンディーノーブルレッド」と「マットギャラクシーブラックメタリック」が発売されている。
8位:アクシスZ[ヤマハ]6000台(前年5200台)
51.9km/L(WMTCモード)という低燃費、100kgという軽量な車体、そして770mmの低シートと、扱いやすさをとことん追求。ロングシートの下にはヘルメットが2個入る37.5Lの大容量トランクを装備する。2022年のマイナーチェンジで新ブルーコアエンジンを搭載したほか、始動時のエンジンの静音性を高める「SMG(スマートモータージェネレーター)」/リヤブレーキ操作時にフロントブレーキを動作させて車体バランスを保つ「USB(ユニファイドブレーキシステム)」/ヘッドランプ光量アップ/ニューカラーを採用した。2023年11月に価格改定。
9位:ジョグ125[ヤマハ]5300台(前年800台)
2022年11月28日に発売された、ヤマハ原付二種の最安価スクーター。アクシスZよりもさらにコンパクトで、車重95kg/シート高735mmと抜群の取っつきやすさを誇る。静粛なエンジン始動をもたらすSMG(スマートモータージェネレーター)や、左レバーを引くことでフロントブレーキも作動する前後連動型「UBS」を装備。シート下の収納スペースは容量約21.3Lだ。
10位:アドレス125[スズキ]5100台(前年1000台)
1991年に発売されたアドレスV100の“通勤快速”フィロソフィーを継承しながら、快適性とレトロな外観で現代を走るスズキの看板モデルのひとつ。2022年10月18日にフルモデルチェンジで登場した最新型は、エンジンは空冷単気筒SEP(SUZUKI ECO PERFORMANCE)で力強さと優れた燃費性能を両立。WMTCモード燃費は53.8km/Lで、燃料タンク容量5Lと掛け合わせると、計算上の航続距離は269kmだ。
2023年 原付二種(51~125cc) 国内出荷台数 TOP20
順位 | 銘柄 | 機種名 | 台数 |
1 | ホンダ | CT125ハンターカブ | 18600 |
2 | ホンダ | PCX | 18500 |
3 | ホンダ | スーパーカブ110/プロ | 10300 |
4 | ホンダ | ディオ110 | 9200 |
4 | ホンダ | クロスカブ110 | 9200 |
6 | ホンダ | ダックス125 | 8900 |
7 | ホンダ | リード125 | 7400 |
8 | ヤマハ | アクシスZ | 6000 |
9 | ヤマハ | ジョグ125 | 5300 |
10 | スズキ | アドレス125 | 5100 |
11 | ホンダ | モンキー125 | 4300 |
12 | ホンダ | スーパーカブC125 | 4100 |
13 | スズキ | アヴェニス125 | 4000 |
14 | ヤマハ | シグナスグリファス | 3700 |
15 | スズキ | バーグマンストリート125EX | 3200 |
16 | ホンダ | グロム | 2200 |
16 | ヤマハ | NMAX | 2200 |
18 | ホンダ | CB125R | 1000 |
19 | ヤマハ | YZF-R125 | 800 |
20 | スズキ | GSX-R125 | 700 |
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
あなたにおすすめの関連記事
エンジンは113.7ccで、8.9ps/7000rpmを発揮 ヤマハの新型車「PG-1」のさらなるスペックが明らかになった! タイに続いて発表されたベトナム仕様では、カラーバリエーションの拡充とより詳[…]
その名も“ターメリックイエロー”爆誕ッ!! もっか人気街道爆進中のホンダ原付二種レジャーバイク、CT125・ハンターカブに新色の「ターメリックイエロー」が追加された。ホンダいわく“市街地や郊外で映える[…]
歴代カブでオレンジ色は初設定 スーパーカブ110の新色として追加されたのは、快活でカジュアルな印象の「フレアオレンジメタリック」。既存色からはグリントウェーブブルーメタリック/タスマニアグリーンメタリ[…]
※2023年12月14日更新 125ccクラスは16歳から取得可能な“小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、[…]
※2023年12月14日更新 125ccスクーターは16歳から取得可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400[…]
最新の関連記事(新型原付二種 [51〜125cc])
125ccクラスは16歳から取得可能な“小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり[…]
通勤エクスプレスには低価格も重要項目! 日常ユースに最適で、通勤/通学やちょっとした買い物、なんならツーリングも使えるのが原付二種(51~125cc)スクーター。AT小型限定普通二輪免許で運転できる気[…]
CT125ハンターカブ[47万3000円] vs クロスカブ110[36万3000円/くまモン=37万4000円] 原付二種(51~125cc)クラスの販売台数でPCXとトップ争いを繰り広げるCT12[…]
グロムとは違うのだよ、このモンキー125は! 2018年7月、オールドウイングシリーズ第1弾として、スーパーカブC125よりも2か月だけ早く発表&発売されたモンキー125。思えばこのモンキー125とス[…]
PG‐1の国内導入がオフロードのヤマハを復活させる!? 国内の原付二種市場は、スーパーカブやモンキーなどのギヤ付きクラスはもちろん、PCXなどのスクーターを含めて長らくホンダの独壇場となっている。そん[…]
最新の関連記事(ニュース&トピックス)
二輪免許こそない私だけれど、子供の頃から「特攻の拓」や「バリバリ伝説」のようなバイク漫画がとにかく好きだった。学生時代ともなれば、漫画から読み取れた知識だけで「バリバリ伝説の主人公、巨摩 郡みたいにC[…]
ホンダV型5気筒ついに市販化!! ついにこのニュースを掲載する日がやってきた。ホンダの市販V型5気筒が出る! 2002年7月号で「V型5気筒の市販は白紙の状態」と報じて以来、約2年の月日が流れた。そし[…]
バイク王の初売り2025 企画①:「500台大放出! 初売り特選車争奪戦!」 バイク王の豊富な在庫車両から、このキャンペーンのため特別に用意された500台の特選中古車を2025年1月4日(土)から2回[…]
ホンダV3 どうなる新型モトGPマシン 築き上げた栄光にしがみつくことなく、常に挑戦を続けるホンダ。デビュー初年度に圧倒的な強さで王座に輝いたRC211Vとて例外ではない。すでに次期エンジンを搭載した[…]
「もしも出先でヘルメットを盗難されたら、自宅までどうやって帰るのだろう」バイクに乗っていると、こうした疑問も浮かぶのではないでしょうか。そもそもヘルメット窃盗犯は、なぜ人が使った中古のヘルメットを狙う[…]
人気記事ランキング(全体)
2025年こそ直4のヘリテイジネイキッドに期待! カワサキの躍進が著しい。2023年にはEVやハイブリッド、そして2024年には待望のW230&メグロS1が市販化。ひと通り大きな峠を超えた。となれば、[…]
中須賀克行から王座をもぎ取った岡本裕生は来季WSSPへ 全日本ロードレース選手権最終戦鈴鹿(10月26日・27日)を終えてから、アッという間に12月となり、2024年も終わりを告げようとしています。全[…]
速さを身近にする驚異のエンジニアリング ドゥカティのMotoGPマシンであるデスモセディチGPに最も近い市販車。これが2025年モデルのパニガーレV4Sの答えだ。デスモセディチGPは、2年連続でタイト[…]
4気筒CBRシリーズの末弟として登場か EICMA 2024が盛況のうちに終了し、各メーカーの2025年モデルが出そろったのち、ホンダが「CBR500R FOUR」なる商標を出願していたことが判明した[…]
CT125ハンターカブ[47万3000円] vs クロスカブ110[36万3000円/くまモン=37万4000円] 原付二種(51~125cc)クラスの販売台数でPCXとトップ争いを繰り広げるCT12[…]
最新の投稿記事(全体)
大型バイクのホーネットシリーズとしては、2001年発売(2002年型で国内販売終了)のCB900ホーネット以来となる新型モデル「CB1000ホーネット」「CB1000ホーネットSP」が2025年1月2[…]
幻のVTターボを発見! 4輪でターボチャージャーがブームになる中、ホンダは’81年に輸出専用のCX500ターボを発売したが、国内向けにVT250Fにターボを装着したのがこれだ。YMでもその存在をスクー[…]
【第1位】ホンダ CB1300シリーズ:114票 ホンダが誇るキングオブネイキッド、”CB1300スーパーフォアSP”および”CB1300スーパーボルドールSP”両シリーズが1位です。1992年に登場[…]
ナットツイスター:ツイスト形状がガッチリ食いつけばボルト/ナット/なべ小ネジにも使える 開口部から底部に向かって内径が狭まる特殊なツイストが食い込むことで、角が潰れたボルトやナットをしっかり捉えて緩め[…]
スーパースポーツの前傾姿勢は特にコーナリング向き! A.スーパースポーツとネイキッドでは、前傾度の違いだけでなく、シート座面へ体重の載る位置、重心となるエンジン位置とライダーの関係も違います。体幹移動[…]
- 1
- 2