
二輪車新聞が2023年上半期のバイク新車出荷台数(125cc以下)/販売台数(126cc以上)の推定値を発表した。原付二種クラスは前年同期比水準を大きく上回り、令和2年排出ガス規制に適合した新型モデルが順調に推移している。特に強さを見せたのはCT125ハンターカブ、PCXというツートップを抱えるホンダだ。 ※出荷台数は全て二輪車新聞による推定値
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●出典: 二輪車新聞
新型登場で再びPCXを上回ったCT125ハンターカブ
バイク業界の出来事を網羅する二輪車新聞は、10月13日号で2023年上半期の二輪車総需要を総括した。これは毎年発表されるデータで、どの排気量クラスが盛り上がっているのか、売れた機種はなんだったのかを見ることができる貴重な特集号だ。ここでは二輪車新聞のデータをもとに、原付二種(51~125cc)クラスにフォーカスした記事をお届けしたい。
需要台数とは販売台数を意味するが、原付一種/原付二種クラスは全国的な販売データがないため出荷台数でカウントしているとのこと。
原付二種クラスは、全体で前年同期比55.9%増の7万7656台。2年ぶりに上半期をプラスで折り返したが、前半で7万台を超えるのは、9万台を超えた1998年以来25年ぶりで、1996年(7万9476台)並みの高水準だという。
ホンダは前年同期比66.6%増の5万8281台で、シェアは4.8ポイントアップの75.1%にのぼる。これに続くのはヤマハで、前年同期比13.6%増の1万66台と7年ぶりに1万台を超え、シェア13.0%(4.8ポイントダウン)となった。スズキは9199台で前年同期比56.7%増の大幅アップで、シェアは0.2ポイントアップの11.8%に。カワサキはラインナップがZ125プロ(生産終了)ということもあり、110台。前年同期比31.7%減でシェアは0.2ポイントダウンの0.1%に。カワサキを除いてプラスの数字が並び、コロナ禍以前と比べても高い水準だ。
特に目立った数字を残したのはホンダのCT125ハンターカブとPCXで、いずれも1万台を超えている。前年同期は最高記録がハンターカブの9200台だった。ハンターカブは2022年夏に受注停止となり、12月に新型が発売されたことから下半期は失速気味だったものの、やはり大ヒットは続いている。ちなみに2021年上半期から2022年上半期はほぼ倍増だった。PCXは安定の強さか。
原付一種(~50cc)についても触れておこう。2023年上半期の原付一種・出荷台数は3年ぶりのマイナスでの折り返しとなり、前年同期比では27.7%のダウン。メーカー別ではホンダ21.6%減、ヤマハ36.4%減、スズキ18.2%減と並ぶ。シェアはホンダ46.6%/ヤマハ40.1%/スズキ13.3%で、車両別トップは唯一1万台を超えたジョグシリーズ(1万300台)がトップになった。
※出荷台数は全て二輪車新聞による推定値
2023年上半期 原付二種(51~125cc) 上位5傑
【1位:CT125ハンターカブ】2020年6月26日に発売され、2022年12月に新エンジンを搭載してモデルチェンジ。AT小型限定普通二輪免許で乗れる気軽さと、アウトドア志向が強まった潮流にタフな外観と走りのよさ、使い勝手が評価されて大人気車種に。
■空冷4ストローク単気筒 123cc 9.1ps/6250rpm■車重118kg シート高800mm 燃料タンク容量5.3L ●価格:44万円
【1位:CT125ハンターカブ】2020年6月26日に発売され、2022年12月に新エンジンを搭載してモデルチェンジ。AT小型限定普通二輪免許で乗れる気軽さと、アウトドア志向が強まった潮流にタフな外観と走りのよさ、使い勝手が評価されて大人気車種に。
■空冷4ストローク単気筒 123cc 9.1ps/6250rpm■車重118kg シート高800mm 燃料タンク容量5.3L ●価格:44万円
【2位:PCX】2023年1月にマイナーチェンジを受け、最新排出ガス規制に適合。ブルーとブラウンの新色も追加された。2021年のモデルチェンジではフレームまで全てが刷新され、フロントABSやトラクションコントロールを獲得していた。
■水冷4ストローク単気筒 124cc 12.5ps/8750rpm■車重133kg シート高764mm 燃料タンク容量8.1L ●価格:36万3000円
【2位:PCX】2023年1月にマイナーチェンジを受け、最新排出ガス規制に適合。ブルーとブラウンの新色も追加された。2021年のモデルチェンジではフレームまで全てが刷新され、フロントABSやトラクションコントロールを獲得していた。
■水冷4ストローク単気筒 124cc 12.5ps/8750rpm■車重133kg シート高764mm 燃料タンク容量8.1L ●価格:36万3000円
【3位:スーパーカブ110/プロ】2022年3月28日に発売された現行モデルは、ロングストロークの新型エンジンを搭載して令和2年排出ガス規制に適合。前後キャストホイールを新採用した。配達業務向けの“プロ”の存在も出荷台数を押し上げたようだ。
■空冷4ストローク単気筒 109cc 8.0ps/7500rpm■車重101kg シート高738mm 燃料タンク容量4.1L ●価格:30万2500円
【3位:スーパーカブ110/プロ】2022年3月28日に発売された現行モデルは、ロングストロークの新型エンジンを搭載して令和2年排出ガス規制に適合。前後キャストホイールを新採用した。配達業務向けの“プロ”の存在も出荷台数を押し上げたようだ。
■空冷4ストローク単気筒 109cc 8.0ps/7500rpm■車重101kg シート高738mm 燃料タンク容量4.1L ●価格:30万2500円
【4位:ディオ110/ベーシック】2023年2月にリーズナブル価格の“ベーシック”仕様とニューカラーが追加された、空冷単気筒エンジン搭載の通勤快速スクーター。ディオ110ベーシックはスマートキーの省略などで低価格を実現している。 ※写真はベーシック
■空冷4ストローク単気筒 109cc 8.7ps/7500rpm■車重96kg シート高760mm 燃料タンク容量4.9L ●価格:25万3000円/ベーシック=21万7800円
【4位:ディオ110/ベーシック】2023年2月にリーズナブル価格の“ベーシック”仕様とニューカラーが追加された、空冷単気筒エンジン搭載の通勤快速スクーター。ディオ110ベーシックはスマートキーの省略などで低価格を実現している。 ※写真はベーシック
■空冷4ストローク単気筒 109cc 8.7ps/7500rpm■車重96kg シート高760mm 燃料タンク容量4.9L ●価格:25万3000円/ベーシック=21万7800円
【5位:クロスカブ110】2022年3月28日にスーパーカブ110と同時発売。同じくロングストロークの新型エンジンを搭載して令和2年排出ガス規制に適合し、前後キャストホイールを新採用した。前モデルで人気だった限定色プコブルーがレギュラー色に。
■空冷4ストローク単気筒 109cc 8.0ps/7500rpm■車重107kg シート高784mm 燃料タンク容量4.1L ●価格:36万3000円/くまモン=37万4000円
【5位:クロスカブ110】2022年3月28日にスーパーカブ110と同時発売。同じくロングストロークの新型エンジンを搭載して令和2年排出ガス規制に適合し、前後キャストホイールを新採用した。前モデルで人気だった限定色プコブルーがレギュラー色に。
■空冷4ストローク単気筒 109cc 8.0ps/7500rpm■車重107kg シート高784mm 燃料タンク容量4.1L ●価格:36万3000円/くまモン=37万4000円
2023年上半期 原付二種(51~125cc) 国内出荷台数 上位20機種
順位 | 銘柄 | 機種名 | 台数 |
1 | ホンダ | CT125ハンターカブ | 12400 |
2 | ホンダ | PCX | 11900 |
3 | ホンダ | スーパーカブ110/プロ | 6000 |
4 | ホンダ | ディオ110 | 5500 |
5 | ホンダ | クロスカブ110 | 4750 |
6 | ホンダ | ダックス125 | 4500 |
7 | ホンダ | リード125 | 4200 |
8 | スズキ | アドレス125 | 3600 |
9 | ヤマハ | アクシスZ | 3400 |
10 | スズキ | アヴェニス125 | 3300 |
11 | ホンダ | スーパーカブC125 | 3150 |
12 | ヤマハ | シグナスグリファス | 2700 |
13 | ヤマハ | ジョグ125 | 2500 |
14 | ホンダ | モンキー125 | 1800 |
15 | スズキ | バーグマンストリート125EX | 1350 |
16 | ホンダ | グロム | 750 |
17 | スズキ | GSX-S125 | 500 |
18 | スズキ | GSX-R125 | 400 |
18 | ヤマハ | トリシティ125 | 400 |
20 | ホンダ | CB125R | 150 |
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