スズキはジャパンモビリティショー2023の出展概要を発表。スズキとパナソニック サイクルテックが電動アシスト自転車の駆動ユニットを活用した新しいモビリティの共同開発に合意したと発表したのは9月15日だが、その先駆けとしての使命を託された(と思われる)のは「e choinori(イーチョイノリ)」だ!
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●外部リンク:スズキ
「ちょっと乗るだけ」の車名に込められた清々しい割り切りを電動バイクにも
スズキが発表したジャパンモビリティショー2023(JMS2023)の出展概要に、2003年2月に5万9800円で発売された伝説的なスクーター「チョイノリ」の後継車があった。その名も「「e choinori(イーチョイノリ)」だ。通勤や通学、買い物など近距離の移動に機能を絞り、リヤサスペンションすら持たないシンプルな構造だったチョイノリが、現代によみがえる!
eチョイノリは、幅広い世代に愛される超近距離モビリティをコンセプトとした、原付一種の電動スクーター。電動バイクを買わない理由としてしばしばバイク乗りがつぶやく「航続距離が足りない」という問題を逆手に取ったかのようなネーミングとコンセプトで、「いえ、ちょい乗り用ですから」と鮮やかに切り返したかのような、「その手があったか!!」の電動モビリティである。
車体は当時のチョイノリをベースとし、電動アシスト自転車の電動ユニットとバッテリーを組み合わせているのが特徴。バッテリーが思った以上に小ぶりなのが気になるかもしれないが、開発者によれば「パナソニックさんのバッテリーは、あの大きさからイメージするよりもかなり高性能」とのことで、ちょい乗りコンセプトとはいっても片道10km以内なら困ることもなさそうな話しぶりなのが印象的だった。
eチョイノリのバッテリーはシート下の前方向にマウントされ、かつてのチョイノリにはなかったシート下の収納スペースを確保。小さなヘルメットを収納している写真も配布された。バッテリー直下に配置された電動の駆動ユニットはかなり小型で、チェーンによって後輪を駆動する。メーターはとてもシンプルなつくりだし、リヤにサスペンションを持たないのはチョイノリと同じ。ブレーキは前後ともドラム式だ。
2003年発売のチョイノリは、OHV空冷単気筒エンジンに思い切った車体構造を組み合わせることで激安価格を実現したが、eチョイノリにも同じように電動バイクの革命児となることが期待される。まだ参考出品だが、実際に市販に結びつく日が待ち遠しい!
ヘッドライトが大きめでカワイイ eチョイノリ
主要諸元■全長1500 全幅600 全高1015 シート高680(各mm)■タイヤサイズ前後80/90-10
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
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