
ヤマハがかつて販売していたSUVテイストあふれる原付スクーター「BW’S(ビーウィズ)」は、その後フランスに渡って「BOOSTER(ブースター)」を名乗り大ヒット。そして2023年、その車名が蘇ることになった。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●外部リンク:ヤマハEU(リンク先はUK)
ヤマハが世界初の電動アシスト自転車を発売してから30年
ヤマハは欧州で、ファットタイヤにミニマルなデザインを組み合わせた「BOOSTERシリーズ」を発表した。BOOSTER Easyは25km/hまでのモーターによるアシストを得られる電動アシスト自転車(eBIKE)で、BOOSTERは45km/hまでアシスト可能な電動モペッド(S-Pedelec)だ。
ヤマハは1993年に世界初の量産eBIKEであるPAS(パス)を発売したメーカーであり、これまでに多くのフォロワーを生んできたが、人気スクーターの名跡を継ぐことで新しい価値を生み出そうとしてる。
車名やファットタイヤを持つイメージの元になっているのは、1988年に発売されたオフロード志向のスクーター「BW’S」が欧州で名乗った「BOOSTER」だ。初代モデルに近いデザインで2016年モデルまで販売され、人気モデルの地位を築いていた。
いずれも2015年型のBOOSTER。左は13インチホイール版で、右は10インチのファットタイヤを履いたバージョンだ。生産はMBK(ヤマハ発動機傘下のフランス現地関連会社)が行った。
その車名を受け継ぎながら生まれ変わったのが、今回発表されたBOOSTERシリーズである。
シリーズ共通の現代的なデザインは、乗り降りが楽なU字型のアルミダイキャスト製フロントフレーム、20インチ径×4インチ幅のファットタイヤ、ワイヤースポークホイールからなり、これにシームレスなパワーを提供する軽量コンパクトなPW-S2ドライブユニットを組み合わせている。バッテリーは簡単に取り外しでき、充電はその場でもリモートでも可能だ。
モーターサイクルを思わせるフロントフェンダーやフォークカバー、小型のヘッドライト、前後にφ180mmディスクブレーキを備えるのも共通の仕様。フロントフォークのホイールトラベルは80mmを確保する。
左がBOOSTERで、右がBOOSTER Easy。
BOOSTER Easyは630Wh/36Vのバッテリーを搭載し、ディスプレイはLCDだ。下り坂で利用可能なゼロモードのほか、+ECO、ECO、STD、HIGH、AUTO の5つの走行モードを持つ。ドライブユニットによって供給されるトルク比は、+ECOモードでは50%に設定され、HIGHモードでは最大280%。これらのモード選択により、フル充電で60~120kmの航続レンジ(体重75kgの場合)になる。
欧州で『S-Pedelec』と呼ばれ、国によっては電動モペッド(≒ペダル付きの電動原付バイク)に分類される「BOOSTER」は、上記に加えWVTA(L1e-B)の630Wh/36Vバッテリーを搭載し、ドライブユニットをPW-S2 45に換装。マルチファンクションのフルカラーTFTメーターを装備し、法規対応のためナンバープレートホルダーや左側ミラー、ホーンなどを備えている。フル充電の航続レンジは50~110kmだ。供給されるトルク比は、+ECOモードの60%から始まり、HIGHモードで400%にまで増加するという。こちらを運転するためには、欧州のAMライセンスと保険加入が必要だ。
いずれも価格は未発表だが欧州の広い範囲で2023年6月に発売される模様。日本への導入については今のところ望み薄かもしれないが、国内の電動アシスト自転車は24km/hまでのアシストとなっているためBOOSTER Easyのほうは少しのセッティング変更で導入できそうな気も。また、BOOSTERをベースに、2023年7月1日から施行される“特定小型原動機付自転車”のルールに沿った車両に仕立てれば、一部の下手な電動キックボードよりもよっぽど安全&快適に思えるが……。
【動画】2023 Yamaha BOOSTER and BOOSTER Easy. Boost Up Your City
YAMAHA BOOSTER[2023 model]
主要諸元■車重:36kg ホイールサイズ:20インチ E-BIKEクラス:S-Pedelec (L1e-B)■ドライブユニット:Yamaha PWSeries S2, S-Pedelec, 75Nm バッテリー:Yamaha 630 WH-Batterie, 36V, 17.5 Ah 最高アシスト速度:45km/h limited – 42km/h usage■ディスプレイ:Yamaha Display C TFT
YAMAHA BOOSTER Easy[2023 model]
主要諸元■車重:35kg ホイールサイズ:20インチ E-BIKEクラス:EPAC■ドライブユニット:
Yamaha PWSeries S2, 75Nm バッテリー:Yamaha 630 WH-Batterie, 36V, 17.5 Ah 最高アシスト速度:
25km/h limited – 23km/h usage■ディスプレイ:Yamaha Display A LCD
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
あなたにおすすめの関連記事
「カスタムは後でも良い」開発者の拘りを感じる走り 世界的に人気の電動ファットバイクだが、そのほとんどは日本人にはシートが高すぎる。そこで有志のエンジニア達が設計開発を行い商品化したのが、ペダルが付いた[…]
'22年4月19日、電動キックボードに関する改正道路交通法が衆議院本会議で可決した。このまま行けば、ほぼ自転車と同じ運用体制となりそうで、2年以内を目途に施行される見込みだ。 電動キックボードの道交法[…]
車体の中央に積む、だから安定する カワサキモータースは、電動3輪ビークル「noslisu(ノスリス)」シリーズの新モデル「noslisu 電動アシスト自転車カーゴ仕様」(以下、ノスリス カーゴ仕様)を[…]
ヤマハ YPJシリーズ WABASH RT [◯] 「野暮ったさ」皆無! スポーティな本格モデル ヤマハの新型スポーツ電動アシストが'22年3月10日より発売され、メディア向けの試乗会が開催された。発[…]
パスを創造したヤマハとは異なる路線で自転車ライフを豊かに ところで何が新しいの? コネクテッド化によるメリットは? アシストユニットは、ギヤクランクにモーターの力を伝えるクランク合力タイプ。クランク軸[…]
最新の関連記事(新型EV/電動バイク)
約半年遅れて発売の全国版はバッテリー&充電器付き! 本田技研工業(以下ホンダ)とヤマハ発動機(以下ヤマハ)は2024年8月、原付一種に相当するホンダの電動二輪車をベースとした日本市場向けモデルを、ヤマ[…]
サーキット最速の血統を受け継ぐ猛烈な加速力 街乗り用のスマートな電動バイクかと思いきや、その中身は生粋のスポーツモデルだ。E-VOは、珠海サーキットにおいて二輪ラップタイムの記録を打ち立てた業界のベン[…]
立ち乗りも座り乗りも自由自在。免許不要で広がる行動範囲 「近所の買い物や通勤を楽にしたいけれど、ペダルを漕ぐのは疲れるし、バイクの免許は持っていない」。そんな悩みを吹き飛ばしてくれる有力な選択肢が、こ[…]
7/1:ビモータ「TESI H2 TERA」 カワサキ「Z H2」譲りの200PSスーパーチャージドエンジンと、ビモータ伝統のハブセンターステアリングを融合させた究極のクロスオーバー。ノーズダイブを抑[…]
ホンダの心臓を宿した、ヤマハの新しい「ジョグ」 「EVスクーターに興味はあるけれど、どこのメーカーのシステムが安心できるのだろう」。そんな疑問を持つライダーにとって、この一台はひとつの信頼できる答えに[…]
最新の関連記事(ヤマハ [YAMAHA])
サーキットも峠でも“勝ち”に行く! ’80年代初頭からの空前のバイクブームとシンクロするように、400cc4気筒が一気に出揃った。そしてその性能を競うべく、TT-F3やSS400といったレースが盛り上[…]
ズバ抜けた速さとピーキーさにシビレタ ’70年代、国内における250㏄クラスの人気は低迷していた。車検がないためコスト的に有利だが、当時は車体設計が400㏄と共通化されるのが普通で、多くのモデルに35[…]
新型YZF-R1レースベース車が受注開始 ヤマハ発動機販売は、水冷直列4気筒997ccエンジンを搭載するサーキット走行専用モデル「YZF-R1 レースベース車」の2027年モデルを発表した。2026年[…]
高速に乗らないと行けない海ほたるPA 編集部がある上野を出発して渋滞している国道4号線に入った。車重が137kgと軽くてスリムなので市街地はとても走りやすい。通勤通学にはもってこいのバイクだ。そして目[…]
【ウィンドストップライトパーカー】 高機能&カジュアルに使えて2万円を切るフーディ 防風ストレッチ生地と中綿を組み合わせ、冬のライディングでも暖かい一着。バイクを降りても街に似合うパーカースタイルのデ[…]
人気記事ランキング(全体)
Rebel 250(レブル250)のエンジンが予想以上…… 今や250ccクラスのバイクにおいてナンバーワンの人気車と言っても過言ではないRebel 250。ノーマルの時点から既にカスタムされているよ[…]
スズキ「ジクサー / ジクサーSF」155ccシリーズが新グラフィックに更新 スズキのインド現地法人は155cc単気筒エンジンを搭載するロードスポーツ「ジクサー」ならびにフルカウルの「ジクサーSF」に[…]
SV650/Xが絶版後も評価され続ける理由 スズキのミドルクラスを長年支え、2025年1月発売モデルをもって新規受注を終了した「SV650/X」だが、生産終了後もその価値は色褪せていない。1999年の[…]
ベースは2009年グッドデザイン賞を受賞した伝説の名作「Y-350」 今回デイトナがタッグを組んだ東洋スチールといえば、国内シェア7割を超えるまさに金属工具箱の絶対王者。 ベースモデルに選ばれたのは、[…]
現地で予約開始! 501cc空油冷単気筒「CB500」のメカニズム ホンダは2026年7月24日にインドで世界初公開した新型モデル「CB500」について、同年9月21日に現地価格を公表し、予約受付を開[…]
最新の投稿記事(全体)
125年のヘリテージを「現代の走り」へ昇華!アニバーサリーな空間 会場となったバイパラに一歩足を踏み入れると、目に飛び込んでくるのは「125th Anniversary」の特大フラッグと、歴史を彩るヒ[…]
「秋の激しい寒暖差を乗り切る」WORKMANフェアが全1,111店舗で開催 周期的な雨や急激な気温低下、そして晴天時の朝晩と日中における大きな気温差など、秋の気候はライダーにとって極めて過酷だ。寒暖差[…]
MotoGP™直系の安全性能と快適性。ベースモデル「K1 S」が持つ圧倒的魅力 今回コラボレーションのベースとして選ばれたのは、AGVのラインナップにおいて高い人気を誇るベストセラーモデル「K1 S」[…]
Rebel 250(レブル250)のエンジンが予想以上…… 今や250ccクラスのバイクにおいてナンバーワンの人気車と言っても過言ではないRebel 250。ノーマルの時点から既にカスタムされているよ[…]
奥まった場所でも楽に作業ができる 今回登場した「エクステンションクランプツール」は、カウルの奥深くに潜むボルトや、スクーターの入り組んだ外装、エンジン周辺などの狭小スペースにアプローチするための優れも[…]
- 1
- 2































































