
Photo:Kichiro Okamura
石川県能登半島の先端部に位置する珠洲市にて、市内の各地で展示を行う芸術祭「奥能登国際芸術祭2023」が開催される。半島の美しい自然景観を活かしつつ、国内外から招聘された数多くのアーティストが土地に根ざした作品表現を行う。展示は市全域に及ぶことから、バイクで巡るのにもうってつけだ。期間は2023年9月23日(土)~11月12日(日)まで。
●文:ヤングマシン編集部 ●外部リンク:奥能登国際芸術祭
奥能登国際芸術祭とは〈最涯の芸術祭、美術の最先端。〉
本州の中央から日本海に飛び出している能登半島。そのさいはてに位置する珠洲が「未来を切り開く”最先端”」を発想とする大規模な芸術祭を開催する。
かつて栄華を誇った日本海の歴史の中で独自の発展を遂げた珠洲は、いまなお伝統的な文化が受け継がれる土地。「奥能登珠洲の秋祭りとヨバレ」に象徴される”祭り”と”食”、農耕儀礼「あえのこと」のほか、揚げ浜式製塩や炭焼き、珠洲焼、珪藻土を使った七輪などの伝統的な生業も残っている。
3年に1度開催される奥能登国際芸術祭では、国内外のアーティストが珠洲という場所に向き合い、土地に根差した作品表現をすることで支持を集めてきた。
荒々しい外海と穏やかな内海という2つの海や、黒瓦と板壁の家が軒を連ねるまち並みなど、日本の原風景ともいえる景観が広がる珠洲市内。これらを活かした芸術作品が市内全域約250キロ平方メートルの各地に点在する。
自然も豊かでもとよりツーリングスポットに事欠かない石川県。そうなるとヤングマシンとしてはやはり、バイクを使った周遊ツーリングプランにこの芸術祭を組み込んでみるのを提案したい。能登半島の”さいはて”で”最先端”を巡る旅に出るのはいかがだろうか?
出展作品紹介(一部抜粋)
【Soilstory -つちがたり- bacilli/旧世界土協会(日本/シンガポール)】土の記憶にまつわる地元の人たちとの対話をもとに、大蔵ざらえで得た「モノ・証拠」を素材として展開する。パンデミックで生じた人の距離感を念頭に、共に有する願いを物語りとして、未来の社会のあり方を問う。Photo:Keizo Kioku
【珠洲海道五十三次 アレクサンドル・コンスタンチーノフ(ロシア)】珠洲の風景の特徴のひとつである屋根つきのバス停。数学者でもある作家は、4か所のバス停を垂直平行を基本構造とするアルミニウムのパイプで包みこみ、作品化した。立地に応じて異なるテーマでデザインされた造形は、周囲の風景と呼応してさまざまな表情を見せる。Photo:Kichiro Okamura
【石の卓球台第3号 浅葉克己(日本)】奥能登国際芸術祭のクリエイティブディレクターを務める作家は、卓球の名手としても名高い。卓球をコミュニケーションを活発にする絶好のツールと考える作家は、これまでにも一枚の石からつくった卓球台をデザインして各地で展開してきた。Photo:Kichiro Okamura
【Something Else is Possible/なにか他にできる トビアス・レーベルガー(ドイツ)】道路で断ち切られた線路跡に設置され、色を変えながらうねるような空間。鑑賞者が中を進み、行きついたところから双眼鏡を覗くと、のと鉄道の終点だった旧蛸島駅の先に、作家からのメッセージが見える。鉄道軌道跡から、かつての終着点とその風景の先にある未来を望む。エレン・エスコベード作「coatl」[1980 年メキシコ国立自治大学文化センターに恒久設置]を参照。Photo:Kichiro Okamura
【うつしみ ラックス・メディア・コレクティブ(インド)】のと鉄道旧上戸駅の駅舎のシルエットをなぞった骨組みだけの構造物を、駅舎の上部に角度を変えて重ねた。昼間は周囲の風景になじむその構造物は、夜になると重力から解き放たれたかのように青白く光りだす。それは駅舎の亡霊なのか、それとも未来の映像なのか。場所や物がもつ記憶、非物質的なものの存在を問いかける作品。Photo:Kichiro Okamura
奥能登国際芸術祭2023 開催概要
会期:2023年9月23日(土)~11月12日(日)
会場:石川県珠洲市全域
主催:奥能登国際芸術祭実行委員会
総合ディレクター:北川フラム(アートディレクター)
パスポート[前売/当日]:一般2750/3300円 大学生1320/1650円 小中高生550/550円
個別鑑賞券:一般、大学生330円 小中高校生220 円
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(ツーリング)
インカムが使えない状況は突然やって来る!ハンドサインは現代でも有効 走行中は基本的に1人きりになるバイク。たとえ複数人でのマスツーリングだとしても、運転中は他のライダーと会話ができないため、何か伝えた[…]
「いつか一緒に走ろう」の約束から8年が経った レースの取材をしていると、大分県のオートポリス・サーキットに年に3度ほど訪れる。このサーキットは大分県に所在しているが、熊本側から向かう方が便利な立地だ。[…]
世界初の360度カメラを生み出したメーカーの現行モデル ツーリング時のスピード感溢れる風景や、ガレージでのカスタム作業の俯瞰映像など、SNS全盛の現代において、臨場感あふれる記録は、単なる思い出以上の[…]
フィジカルの土台作りから本気の肉体改造まで ホームフィットネス製品を展開し、日本においてトップクラスのEC販売実績を誇るステディジャパン株式会社(STEADY)が、年末を達成感で締めくくり、「なりたい[…]
神奈川の奥座敷・山北町の秘境を駆け歩く 秘境という定義は本当に難しい。難しいというか、奥深い。関東平野の西端・神奈川県にも秘境と呼ばれる場所は多い。身近なところでいうと、湘南平や足柄山地、世界的に知ら[…]
最新の関連記事(モトツーリング)
チェリーパークラインはピストン路 信州とは長野県のことである。古来より信濃国であった同地は、国を表す州の字を用い信州と呼ばれるようになった(他に甲州や武州などあり)。信州と言うと絶景道のビーナスライン[…]
まるで極楽浄土に迷い込んだような景色 例年は、9月ごろが見頃の埼玉県日高市の巾着田の曼珠沙華。2024年は暑さが長引いたせいか、10月前半が見頃とのことで、さっそく、日高市に向けてツーリングに出かけた[…]
市内の対象各店舗で割引やプレゼントが 魚沼市と福島県を結ぶ国道252号線・国道352号線は、風景の良さなどでライダーから好評価を集めている、国道だ。ほかにも、魚沼市には自然景観、グルメ、体験、温泉など[…]
2つのワイヤーシステムで足全体をホールド 足との一体感を構成し、足首まで保護してくれるハイカットシューズ。登山靴やレーシングブーツ、バスケットシューズなどに多いのも足首をしっかりホールドすることで靴の[…]
Screenshot バイクだからこそ行きやすい秘密の絶景を紹介! インバウンドが活況の中、日本の著名な絶景地はどこも混雑していて、せっかくリフレッシュしにツーリングに出かけたのに、人が多くて景色も見[…]
人気記事ランキング(全体)
何でもありルールに世界のメーカーが飛びついた WRCグループBカテゴリーは1982〜86年まで続いたラリー競技。レース好きならご存じの通り、レギュレーションはほぼ「何でもあり」的なニュアンスでした。レ[…]
16日間で211万着の「メディヒール」が物量攻勢で復活 ワークマンが展開するPBリカバリーウェア「MEDIHEAL(メディヒール)」シリーズが、いま爆発的なヒットを記録している。2026年、秋冬商戦に[…]
日本発のトランスフォーマブル・バイク「タタメルバイク」 タタメルバイクは、日本のものづくりの精神と、自由な発想が融合して生まれた「持ち運べるパーソナルモビリティ」だ。最大の特徴は、その名の通りの折り畳[…]
火の玉「SE」と「ブラックボールエディション」、ビキニカウルの「カフェ」が登場 カワサキモータースジャパンは、ジャパンモビリティショー2025で世界初公開した新型「Z900RS」シリーズについてスペッ[…]
アドベンチャールックは伊達じゃない! 大型バイザーの恩恵 まず目を引くのが、オフロードテイストを感じさせる大型ピークバイザーだ。これは単なるファッションではない。 直射日光を遮る“ひさし”としての機能[…]
最新の投稿記事(全体)
F1チームが正式にオーダーするほどの完成度──フォーミュラファクトリー製 1/1「フェラーリF2004」 言うまでもなく、シューマッハが2004年にタイトルを獲得したF1マシンですが、スケールは1/1[…]
ホンダのレース会社であるホンダ・レーシングと、スポーツ用品の国内大手メーカーであるミズノは、ユニフォーム供給に関するパートナーシップ契約を締結したと発表した。 これにより、HRCスタッフは2026年か[…]
開口部は“面ファスナー×バックル”の鉄壁仕様! まず注目したいのが、このルックス。 無骨でカッコいいロールトップスタイルだが、見た目だけじゃない。 開口部には面ファスナーとバックルのダブルロックを採用[…]
バイク向けの次世代コネクテッドクラスター かつてオーディオ機器を生産し、現在はカーナビやドライブレコーダーといったモビリティ向けの製品を主力としているパイオニアが、2026年1月6日(火)~9日(金)[…]
オフ走行の質を高める「ピボットレバー」と「アドベンチャーフットペグ」 オフロード走行において、転倒時のレバー破損リスクを軽減し、操作性を高めるパーツは必須レベル。それに応えるかのように設定されたのが「[…]
- 1
- 2










































