都内でバイク駐車場の整備を進めている公益財団法人東京都道路整備保全公社(以降、公社)に、近年の整備状況等について尋ねた。EVの推進と同時に、駐輪場の整備も進んでいるのだという。
●文:ヤングマシン編集部(田中淳麿) ●取材協力:公益財団法人東京都道路整備保全公社
都内の公社駐車場にバッテリーステーション「ガチャコ」が設置
昨年、東京都都市整備局が「総合的な駐車対策の在り方(以降、在り方)」を示した。人口減少/少子高齢化/ゼロエミッション東京の実現/DXの推進など、ヒト中心の街づくりが進む2040年代に向けて、近年の都内駐車場を取り巻く状況を踏まえ、あらゆるモビリティを対象に地区特性を踏まえた駐車施策を提案している。この在り方について、東京都の政策連携団体である公社はどう関わっていくのだろうか。
「在り方で示されている多くの施策は、公社が推進する取り組みと連動しているものと理解しています。特に、在り方の中で大きな課題として挙げられている自動二輪車の駐車対策については、ハードとソフトの両面からの取り組みを推進しており、今後も引き続き取り組んでいく所存です」(担当者)
ハード面では、バイク駐車場の整備助成やバイク駐車場「TOKYO PUBLIC」の整備/運営に引き続き取り組み、ソフト面では検索サイトの運営やMAP配布のほか、3年ごとに実態調査も実施している。
在り方では、地域の実情に沿った取り組みを進めるべく、歩道やカーブサイド(車道)の活用など道路空間の再編にも踏み込んでいる。主体とされている地区マネジメント組織と公社が連携すれば、これまでに見られなかった駐車対策が実現する可能性にも期待できるだろう。
公社の具体的な取り組み内容
●ハード面:自動二輪車駐車場への整備助成、自動二輪車駐車場「TOKYO PUBLIC」の整備/運営
●ソフト面:都内時間制駐車場検索サイト「s-park」の運営、「都内オートバイ駐車場MAP」の作成/配布、「路上駐車実態調査」の実施
ハード/ソフトの両面で東京都とAJ東京がEVバイク普及で提携
2022年10月、EVバイクの普及促進に向けて東京都とAJ東京(東京オートバイ協同組合)が提携を結んだ。都内バイク販売店でのEVバイクの販売/メンテナンスのほかバッテリー交換ステーションの設置でも協力していく。
駐車場をEVバッテリーステーション用地として提供
こうした構想の中で注目したいのが、電動バイクに関連する駐車施策だ。公社は東京都産業労働局と株式会社Gachaco(ガチャコ)が共同で実施しているEVバイク等活用推進事業に対し、事業協力として用地を提供しており、2022年10月には「西新宿第四駐車場」にバッテリー交換ステーションが設置されている。
駐車場や駐輪場にこうしたステーションが設置されていけば、国内標準となるバッテリー交換式EVバイクの利便性が高まり、普及拡大につながっていくことだろう。
10月25日に行なわれた都主催のイベント「EVバイクバッテリーシェアサービス開始式」では、東京都と東京オートバイ協同組合によりEVバイク普及促進を目的とした協定も締結されている。EVバイクの普及が駐車環境にプラスに働くことを期待したい。
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