
ヤマハは、2023年5月24日~26日にパシフィコ横浜で開催される「人とくるまのテクノロジー展 2023」にて、自動車向け製品・技術のコンセプトブランド「α live(アライヴ)」の各種展示を行うと発表した。同展のオンライン版(5月17日~6月7日)にも同様の出展を行う。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●外部リンク:ヤマハ
ドローンへの搭載を想定した「αlive RX」、水素エンジン技術の「αlive H2E」
ヤマハのカーボンニュートラル技術を間近で見られる機会が訪れる。2023年5月24日~26日にパシフィコ横浜で開催される国内最大級の自動車技術展 「人とくるまのテクノロジー展 2023 YOKOHAMA 」(主催:公益財団法人自動車技術会)に出展し、自動車向け製品・技術のコンセプトブランド「αlive(アライヴ)」の各種展示を行うと発表したのだ。
まず目新しいのは、バッテリーのみでは航続距離に課題を抱えるドローン等に搭載する、高性能レンジエクステンダー(航続距離延長)ユニット「αlive RX」だ。ドローンの航続距離を伸ばすためには内燃機関が有効というのが定説になってきているが、高性能エンジンを発電機として使うことで、電動モーター+プロペラの制御の自由度を活かしたまま長距離の運用を可能にするというコンセプト。
小型軽量ハイパワーエンジン技術と、社内開発のモーター技術を融合したコンセプトモデルというが、MT-09系と思われる3気筒エンジンに発電&始動用モーターを組み合わせた形になっている。パワーユニットは想定出力値88kWとされ、MT-09と同じ数値だ。モーターはけっこう大型で、ちょうどトランスミッションぐらいのボリュームに収まっているのが面白い。
この「αlive RX」については、ドローンだけでなく電動モビリティのバッテリーの一部と置き換えることも想定しているようだ。また、次世代燃料にも対応しているという。
もう一方の水素エンジン「αlive H2E」は、既存のエンジン技術を生かしながら燃料に水素を使い、CO2を発生しない(超微粒のエンジンオイル燃焼分を除く)内燃機関として次世代に期待されているものを未来っぽい四輪モビリティに搭載した形で展示される模様。このほか発電機等への活用の可能性もあり、水素にウェル・トゥ・ホイールのトータルで脱炭素時代のカギを握るエネルギーとして期待をかける。
水素エンジン「αlive H2E」
水素は自然由来の発電から生成→貯蔵でき、CO2を発生させずに使用できるエネルギー源として次世代を担うとされている。水素エンジンはエネルギー密度やNOX(窒素酸化物)が今後の課題として残されているものの、トヨタやカワサキが同じく水素エンジンの開発を公言し、ホンダもいすゞ自動車が2027年に導入予定の燃料電池(FC)大型トラック向けにFCシステムを開発・供給すると発表した。今後の動きも目が離せない。
このほか、「αlive EE(エレクトリックエンジン)」、「αlive AD(アコースティックデザイン)」を展示するとしている。前者は電動モーターユニット、後者はサウンドデバイスとのことだ。
「人とくるまのテクノロジー展 2023 」ヤマハ発動機ブース(イメージ)
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