バイク業界の現在を知ることができる二輪車新聞では、2023年1月1日号で2022年のバイク新車出荷台数(125cc以下)/販売台数(126cc以上)の推定値を掲載した。新排出ガス規制の導入によって多くの機種がモデルチェンジしたほか、生産終了モデルも……。ここでは原付二種クラスの販売台数ランキングをお伝えしたい。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●出典: 二輪車新聞
2022年ランキング|原付二種(51-125cc)|軽二輪(126-250cc)|小型二輪(251-400cc)|小型二輪(401cc以上)
- 1 原付二種の国内出荷台数は、前年比83.4%の10万4800台
- 2 1位:PCX[ホンダ]1万7300台(前年同期2万1300台)
- 3 2位:CT125ハンターカブ[ホンダ]1万1400台(前年同期9700台)
- 4 3位:シグナス[ヤマハ]6900台(前年同期 4100台)
- 5 4位:クロスカブ110[ホンダ]6600台(前年同期 8400台)
- 6 5位:リード125[ホンダ]6500台(前年同期 5400台)
- 7 6位:アドレス110[スズキ]5200台(前年同期 6300台)
- 8 6位:アクシスZ[ヤマハ]5200台(前年同期 8800台)
- 9 8位:ディオ110[ホンダ]4700台(前年同期 4400台)
- 10 9位:モンキー125[ホンダ]3100台(前年同期 4300台)
- 11 10位:ダックス125[ホンダ]1900台(前年──)
- 12 2022年原付二種(51~125cc) 国内出荷台数 上位18機種(二輪車新聞推定)
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原付二種の国内出荷台数は、前年比83.4%の10万4800台
二輪車新聞は、元旦号で2022年の二輪車総需要を総括。これは毎年発表されるデータで、どの排気量クラスが盛り上がっているのか、売れた機種はなんだったのかを知ることができる貴重な特集号だ。ここでは二輪車新聞のデータをもとに、原付二種(51~125cc)クラスにフォーカスした記事をお届けする。
ちなみに需要台数とは販売台数を意味するが、原付一種/原付二種クラスは全国的な販売データがないため出荷台数でカウントしているとのこと。原付二種および軽二輪クラスは前年を割り込んでいるが、全体としてはほぼ前年並みの41万台を維持したという。
原付二種クラス全体では、前年比16.6%減の10万4800台。ホンダは2.5%減にとどまり、シェア73.2%(7万6700台)を獲得してこのクラスを牽引する。これにシェア16.7%のヤマハ(台数は前年比19.9%減の1万7500台)が続き、2022年後半は新排ガス規制の導入で機種の切り替わりに重なってしまったスズキはシェア9.5%(台数は前年比54.4%減の1万台)に。カワサキはZ125の2021年モデルが残るのみということもあって、前年比89.3%減の600台でシェア0.6%となった。
マイナスの数字が目立つようだが、2021年が2022年比22.9%増の12万5651台で大きなヤマとなったことも理由のひとつ。これを踏まえつつ排出ガス規制の導入タイミングであったことも加味すれば、けっして悪い水準ではない。
ちなみに原付一種(50cc以下)はというと、前年比4.6%増の13万3600台を達成し、3年ぶりの13万台超え。シェアはホンダ=45.4%、ヤマハ=43.4%、スズキ=11.2%だった。明らかになっている1月~11月の出荷台数はヤハマジョグシリーズ=3万300台、ホンダタクト=2万2100台、スズキレッツ(バスケット含む)=1万1200台などが主なところだ。
さあ、以下に原付二種クラスの上位10傑を紹介していこう。記事末にはその他18位までのモデルを含めたランキング詳細も掲載している。
※出荷台数は全て二輪車新聞による推定値
※以下の機種別ランキングは2022年1月~11月の推定出荷台数をカウント
1位:PCX[ホンダ]1万7300台(前年同期2万1300台)
2021年1月にフルモデルチェンジを受け、コロナ禍のバイク通勤需要に応える形で爆売れした。新型需要が一段落してか、2022年上半期の出荷台数は前年同期比の約半分になり、台数増のハンターカブに首位の座を明け渡したが、通年ではさすがのランク1位。PCXハイブリッド、電動バイクのPCXエレクトリック(リース販売のみ)、軽二輪クラスのPCX160などバリエーションも豊富だ。
2位:CT125ハンターカブ[ホンダ]1万1400台(前年同期9700台)
2020年6月26日に発売され、瞬く間にホンダ横型エンジンの一番人気に。2021年10月にグリーンが追加されたが、2022年7月時点で受注を一時停止していた。2022年12月15日に新排出ガス規制に適合した新エンジンを搭載した2023年モデルが発売された(本記事の機種別ランキングでは未集計)。
3位:シグナス[ヤマハ]6900台(前年同期 4100台)
可変バルブ採用の水冷ブルーコアエンジンを搭載し、人気モデルだったシグナスX(空冷)に対しパワーで20%以上プラス、燃費は約20%改善(WMTCモード/クラス1)したスポーティな原付二種スクーターがシグナスグリファスだ(写真)。
4位:クロスカブ110[ホンダ]6600台(前年同期 8400台)
2022年4月に発売された新型は、スーパーカブ110同様に令和2年排出ガス規制に適合する新型エンジンを搭載し、ブラックのキャストホイールにワイドなセミブロックのチューブレスタイヤを装着。前輪がディスクブレーキになりABS(フロントのみ)も装備。最低地上高はスーパーカブ110より25mm高い163mm。刷新したメーターは液晶パネルを内蔵し、トリップメーターの他にギヤポジション/時計/燃料計/平均燃費を表示する。
5位:リード125[ホンダ]6500台(前年同期 5400台)
2022年3月にモデルチェンジした新型が発売された。高い利便性とシャープなデザインで、1982年に初登場したリード/リード80(2ストロークエンジン搭載)からの伝統の名を受け継ぐ、コンパクトなラグジュアリー系スクーターがリード125だ。新型需要もあってか前年同期からプラスの結果に。
6位:アドレス110[スズキ]5200台(前年同期 6300台)
クラストップの軽量な車体や前後14インチの大径アルミホイール、48.9km/Lの低燃費を誇り、22万5500円という国産原付二種クラスで最安のスクーター。残念ながらすでに生産終了が告げられているが、新型のアドレス125やアヴェニス125が登場して、新たなラインナップを敷いている。
6位:アクシスZ[ヤマハ]5200台(前年同期 8800台)
マハ125スクーターでトップの低燃費54.6km/L、最軽量の100kg、もっとも低い770mmのシートと、扱いやすさをとことん追求。ロングシートの下にはヘルメットが2個入る37.5Lの大容量トランクを装備する。2022年のマイナーチェンジで令和2年排出ガス規制に適合した新ブルーコアエンジンを搭載したほか、始動時のエンジンの静音性を高める「SMG(スマートモータージェネレーター)」/リヤブレーキ操作時にフロントブレーキを動作させて車体バランスを保つ「USB(ユニファイドブレーキシステム)」/ヘッドランプ光量アップ/ニューカラーを採用した。
8位:ディオ110[ホンダ]4700台(前年同期 4400台)
高張力鋼板をレーザー溶接で組み立てたフレームに空冷eSPエンジンを搭載し、安定性と軽快性に優れる前後14インチの大径タイヤを履く。施錠やシート解錠もできるスマートキーを採用し、フルフェイスも入る18Lラゲッジ/センタースタンドも装備する。
9位:モンキー125[ホンダ]3100台(前年同期 4300台)
乗ってイジって遊べる50ccモンキーは、初代登場の1967年から半世紀以上も世界中で愛され、惜しまれながらも’17年に生産終了。しかし翌’18年にグロムをベースに125ccで見事に復活し、今大人気のホンダリバイバルの先鞭を切った。
そして2021年9月に新型エンジンにバージョンアップ。ユーロ5に相当する令和2年排出ガス規制への対応が主目的だが、従来の4速からファン待望の5速トランスミッションが投入されたのが大きな魅力。ボディ同色のフォークやリヤショックのスプリングなど、レジャーバイクとしてのファンな佇まいも一線級だ。
10位:ダックス125[ホンダ]1900台(前年──)
胴長短足のダックスフンドをイメージさせる、燃料タンク類を内蔵したT字型バックボーンフレームは、鋼板プレス加工や溶接の美しさをとことん追及。開発時の合言葉に「ファミリー&レジャースニーカー」を掲げ、休日はライダーひとりだけでなく、大切な家族や仲間とともにバイクライフを楽しめるよう、イージーライドやタンデム性能にこだわった。
ホンダ伝統の横型エンジンはモンキー125と共通だが、モンキーのMT5速に対して、ダックスはレバー操作の必要ない自動遠心クラッチの4速トランスミッションを採用。またモンキーはひとり乗りだが、ダックスは座り心地の良いロングシートを装備して、快適なタンデムを実現した。
2022年原付二種(51~125cc) 国内出荷台数 上位18機種(二輪車新聞推定)
順位 | メーカー | 機種名 | 台数 |
1 | ホンダ | PCX | 17300 |
2 | ホンダ | CT125ハンターカブ | 11400 |
3 | ヤマハ | シグナス | 6900 |
4 | ホンダ | クロスカブ110 | 6600 |
5 | ホンダ | リード125 | 6500 |
6 | スズキ | アドレス110 | 5200 |
6 | ヤマハ | アクシスZ | 5200 |
8 | ホンダ | ディオ110 | 4700 |
9 | ホンダ | モンキー125 | 3100 |
10 | ホンダ | ダックス125 | 1900 |
11 | ヤマハ | NMAX | 1500 |
12 | ホンダ | グロム | 1400 |
13 | スズキ | アドレス125 | 1000 |
14 | ヤマハ | トリシティ125 | 900 |
15 | ヤマハ | ジョグ125 | 800 |
16 | スズキ | アヴェニス125 | 700 |
17 | ホンダ | CB125R | 500 |
18 | スズキ | GSX-R125 ABS(※2022年上半期のみ集計) | 300 |
※本記事は“ヤングマシン”が提供したものであり、文責は提供元に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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