バイク業界の現在を知ることができる二輪車新聞では、2023年1月1日号で2022年のバイク新車出荷台数(125cc以下)/販売台数(126cc以上)の推定値を掲載した。新排出ガス規制の導入によって多くの機種がモデルチェンジしたほか、生産終了モデルも……。ここでは小型二輪クラスの401cc以上にフォーカスして販売台数ランキングをお伝えしたい。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●出典: 二輪車新聞
2022年ランキング|原付二種(51-125cc)|軽二輪(126-250cc)|小型二輪(251-400cc)|小型二輪(401cc以上)
- 1 Z900RSは1.6倍増! GB350とともに小型二輪カテゴリーを牽引
- 2 1位:Z900RS/カフェ/SE/50thアニバーサリー[カワサキ]6803台
- 3 2位:レブル1100/DCT[ホンダ]3972台
- 4 3位:FLHCS/FLFBS/FXBRS/FXFBS/FXLRS/FXBBS[ハーレーダビッドソン]2310台
- 5 4位:W800/ストリート/カフェ/メグロK3[カワサキ]1970台
- 6 5位:CB1100/EX/RS[ホンダ]1951台
- 7 6位:GSX-S1000/GT/カタナ[スズキ]1658台
- 8 7位:1200カスタム/ロードスター/フォーティーエイト[ハーレーダビッドソン]1627台
- 9 8位:CB650R/CBR650R[ホンダ]1584台
- 10 9位:スポーツスターS[ハーレーダビッドソン]1547台
- 11 10位:YZF-R7 ABS[ヤマハ]1400台
- 12 2022年小型二輪(401cc以上) 国内販売台数 上位20機種(検査届出ベース・二輪車新聞推定)
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Z900RSは1.6倍増! GB350とともに小型二輪カテゴリーを牽引
二輪車新聞は、元旦号で2022年の二輪車総需要(需要台数=販売台数のこと)を総括。これは毎年発表されるデータで、どの排気量クラスが盛り上がっているのか、売れた機種はなんだったのかを知ることができる貴重な特集号だ。ここでは二輪車新聞のデータをもとに、小型二輪の251~400ccクラスにフォーカスした記事をお届けする。
ちなみに需要台数とは販売台数を意味するが、原付一種/原付二種クラスは全国的な販売データがないため出荷台数でカウントしているとのこと。原付二種および軽二輪クラスは前年を割り込んでいるが、全体としてはほぼ前年並みの41万台を維持したという。
251~400ccクラスの記事でもお伝えしたが、小型二輪クラス全体(251cc以上の全て)では前年比21.7%増の10万1700台を達成し、4年連続のプラスで24年ぶりの10万台超えに。2021年には二輪車全体で8年ぶりの40万台超を記録していたが、2022年も小型二輪および原付一種クラスの奮闘でほぼ同レベルの41万台を維持した。
401cc以上のクラスに注目すると、やはり断トツの数字を記録したのはZ900RSだった。以前の型式で発売された2022年モデルがクラス首位、令和2年排出ガス規制に適合した新型が12位にランクインし、合計では8000台を超えるセールス。2021年の4853台(昨年の記事より参照)に比べると実に1.66倍もの販売台数となった。もちろん5年連続の401cc以上クラス首位である。
以下に小型二輪[401cc~]クラスの上位10傑を紹介していこう。記事末にはその他20位までのモデルを含めたランキング詳細も掲載している。
※販売台数は全て二輪車新聞による推定値
1位:Z900RS/カフェ/SE/50thアニバーサリー[カワサキ]6803台
直列4気筒ストリートファイターのZ900をベースに、レジェンダリーな外装とワイヤースポークをイメージした専用ホイールで、見事なまでに往年のZ1/Z2イメージを再現した「Z900RS」シリーズ。’17年暮れのデビュー以来、大型自動二輪のトップセールス街道を爆進する超人気モデルだ。2段階+オフのトラクションコントロールとツーリングに便利なETC2.0車載器を標準装備。
2022年モデルではSTDと足まわりが豪華な「SE」に加えて、Z生誕50周年を記念する特別仕様車がラインナップされた(完売済)。初代Z1/Z2の火の玉カラーをモチーフとし、特別な重ね塗り技法による深みあるキャンディカラーを実現。ホイールもゴールド色となるほか、サイドエンブレムやタンクトップのロゴなどに専用装飾が施されている。
また、ランキング12位には令和2年排出ガス規制に適合した新型の2023年モデルがランクインしており、合計すると8057台にもなる。
2位:レブル1100/DCT[ホンダ]3972台
CRF1100Lアフリカツインに使われている水冷パラレルツインエンジンに低中回転域重視の変更を加え、専用の鋼管フレームに搭載。日本では2021年3月にDCT、同年5月にMTがデビューした。低いシート高とムダを排除したボバースタイルを追求。35度のバンク角でスポーティなライディングに対する許容度も高めている。4タイプに切り替えられるライディングモードを装備。クルーズコントロールとグリップヒーターとETC2.0車載器も標準装備している。
2022年2月にはツーリング仕様のレブル1100Tが新登場の予定だ。また、同日にはSTDモデルにもニューカラーが用意される。
3位:FLHCS/FLFBS/FXBRS/FXFBS/FXLRS/FXBBS[ハーレーダビッドソン]2310台
ハーレーダビッドソンはソフテイルファミリーやツーリングファミリーをひとつの機種として計上し、それらの合計で3位にランクイン。
写真のファットボーイは筋肉質なフォルムが自慢で、「ターミネーター2」の活躍が印象深い。2021年モデルではクロームパーツを多数採用し、より華やかになった。2022年モデルからはディッシュホイールを、スポークを持つオープンセンタースタイルに変更。またタンクバッジのデザインを小変更。スターマークをそのままに、ウイング部を後方ひとつとしている。
4位:W800/ストリート/カフェ/メグロK3[カワサキ]1970台
W1に始まるカワサキWシリーズのDNAを現代に受け継ぐ空冷バーチカルツインのネオクラシック。ベーシックなストリート/ビキニカウルとローハンドルでスポーティなカフェ/フロント19インチでもっともクラシカルな最上級版となる無印の3バリエーションで展開されている。
また、カワサキWsiri-zu no先祖となったメグロブランドを復活させたメグロK3も兄弟車としてラインナップされる。
2022年モデルで令和2年排出ガス規制に適合した新型エンジンに切り替わり、2022年8月/9月には2023年モデルが発売済みだ。
5位:CB1100/EX/RS[ホンダ]1951台
2021年10月に登場したRS&EXのファイナルエディションをもって、その歴史に終止符を打つこととなった空冷直列4気筒のビッグネイキッド。このファイナルエディションにはそれぞれ専用車体色やタンク上面に特製ステッカーが奢られ、最後を飾るにふさわしい佇まいが与えられている。エンジン自体は、21世紀に入った後にわざわざ空冷で新規開発されたものだけに、非常に惜しい存在だ。
前後18インチのワイヤースポークホイールで、クラシック色がより色濃いモデルがEX。前後17インチキャストホイールと別体リザーブタンク付きリヤサスで、スポーティな走りを実現したのがRSだ。タンク形状の異なるベーシック版の無印STDは、2021年早々の段階で先に生産を終えていた。
6位:GSX-S1000/GT/カタナ[スズキ]1658台
ネイキッドのGSX-S1000が先行して新型に切り替わり、これをベースとしたGTが2022年に新登場。KATANAもベースを共有することから同一機種としてカウントされる。
写真のGSX-S1000GTはスポーティなグランドツアラーで、GSX-S1000同様のトラクションコントロール/パワーモード/クイックシフターはもちろんのこと、電脳面はさらに充実しており、フルカラーTFTメーター/スマホ接続機能/クルーズコントロール/ETC2.0車載器などが標準装備だ。特にメーターは、スマホアプリとの連動でナビ画面の表示も可能なのが特徴。車体も専用に新作されたシートレールやハンドルやステップへの振動対策など各所に手が加えられ、タンデムを含めたツアラーらしい快適性を高めるための工夫がなされている。
7位:1200カスタム/ロードスター/フォーティーエイト[ハーレーダビッドソン]1627台
空冷スポーツスターファミリーは、フラットトラックレーサーを由来とするミッション一体式のエンジンをリヤ2本サスペンションのフレームに搭載。軽快な走りが信条だが、新排ガス規制に対応することなく、遂にその歴史に幕を降ろすことに。
フォーティーエイトには専用装備をあしらったファイナルエディションが限定1300台で用意されたが、2021年12月6日の予約受付開始から瞬く間に完売してしまった。
8位:CB650R/CBR650R[ホンダ]1584台
100万円と少しで買えるフルカウル4気筒として人気のモデル。アッパーカウル左右のダクトから吸気するツインラムエアシステムを採用しており、648ccの直列4気筒は最大95psを発揮する。オン/オフ2段階のトラクションコントロールも備えている。車体はスチール製ツインスパーフレームで、フロントにはショーワ製SFF-BP倒立フォークとラジアルマウントブレーキキャリパーを装着。急制動時にハザードを高速点滅させるESS機能も持つ。
兄弟車のCB650Rは、ヘリテイジ要素を融合したネオスポーツカフェとして仕上げられたネイキッドモデルだ。
9位:スポーツスターS[ハーレーダビッドソン]1547台
2021年に導入された新生スポーツスター。エンジンは水冷となり、パンアメリカとベースを共有するレボリューションマックス1250Tエンジンを搭載。パンチのある加速をみせるが、コントローラブルで低速時の取り回しもしやすい。現在は1タイプのみだが、クラシックスタイルもそう遠くない将来に登場しそうだ。2022年モデルではカラーリングを変更。ブラックを継続とし、新色のホワイトとグリーンを加えた。
10位:YZF-R7 ABS[ヤマハ]1400台
MT-07の並列2気筒エンジンとフレームをベースに、フルカウル/セパレートハンドル/倒立フォークが与えられたミドルスーパースポーツ。73psの扱い切れるパワーと税込100万円を切るリーズナブルな価格で、エントリー層からサーキットを含めた本格スポーツ走行を楽しめるモデルとした。エンジンの最高出力&トルクはMTそのままに、アシストスリッパークラッチを新装備したのに加え、2次減速比をロングにして伸び感を向上。車体は倒立フォークやセンターブレース追加などで剛性を高めたほか、量産車では初となる純ラジアルマウントタイプのブレンボ製マスターシリンダーが採用された。
2022年小型二輪(401cc以上) 国内販売台数 上位20機種(検査届出ベース・二輪車新聞推定)
順位 | メーカー | 機種名 | 台数 |
1 | カワサキ | Z900RS/カフェ/SE/50周年車(’17~) | 6803 |
2 | ホンダ | レブル1100/DCT(’21~) | 3972 |
3 | ハーレーダビッドソン | FLHTC/FLFBS/FXBRS/etc.(’21~) | 2310 |
4 | カワサキ | W800/ストリート/カフェ/メグロK3(’21~) | 1970 |
5 | ホンダ | CB1100/EX/RS(’17~) | 1951 |
6 | スズキ | GSX-S1000(’21~)/GT/カタナ(’22) | 1658 |
7 | ハーレーダビッドソン | フォーティエイト/1200カスタム/etc.(’18~) | 1627 |
8 | ホンダ | CB650R/CBR650R(’19~) | 1584 |
9 | ハーレーダビッドソン | スポーツスターS(’22) | 1547 |
10 | ヤマハ | YZF-R7ABS(’22) | 1400 |
11 | スズキ | ハヤブサ(’21~) | 1363 |
12 | カワサキ | Z900RS/カフェ/SE(’22) | 1254 |
13 | ヤマハ | ボルト/ボルトR/SCR950(’17~) | 1063 |
14 | ハーレーダビッドソン | ローライダーS/ST(’22) | 1060 |
15 | スズキ | SV650/X ABS(’22) | 1015 |
16 | ヤマハ | XSR900(’22) | 1010 |
17 | トライアンフ | ボンネビルT120/スピードツイン | 919 |
18 | カワサキ | Z650RS/50周年車(’22) | 902 |
19* | カワサキ | ニンジャZX-6R/KRT(’18~) | 864 |
20 | スズキ | GSX-S750ABS(’17~) | 820 |
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