アールズギア代表・樋渡治「引退はあるがバイクに終わりはない!」〈上がりのバイク論〉

総決算として、バイクライフ最後の1台を選ぶとしたら…。“上がりのバイク”は、人それぞれ、バイクへの考え方がモロに露出する正解のない概念だろう。…というわけで、2輪業界の様々な識者たちに質問してみた。「アナタにとっての“上がりバイク”を教えて下さい!」レーサーとして全日本やWGPに参戦し、今はアールズギア代表を務める樋渡治氏に話を伺うと、”これで終わり”というバイクは考えていないという。


●文:ヤングマシン編集部

【樋渡治 AGE:65】モリワキやスズキで名を馳せた名レーシングライダー。現在は「アールズ・ギア」の代表として、極上マフラーの開発に精力を注ぐ。

引退はあるがバイクに“終わり”はない

「上がりバイク」。嫌な言葉ですねぇ(笑)。もちろん歳を取れば、体力、反射能力は衰えてくるけど、それに合わせた乗り方やバイクは必ずあるはず。考え方は人それぞれなので「引退」はあると思うものの、私にとって「これで終わり」というバイクはありえませんね。

現在の愛車はR1250GSアドベンチャーですが、体力がなくなれば車格の小さいものに乗り換えるだけのこと。次のバイクはその時にならないと考えられません。私が代表を務めているBMWオーナーズクラブ「BMW Clubs Nippon」では、70代の方も多い。最年長は88歳でR1250GSやF700GSに乗っていてとても上手。私なんか「若造」と言われています(笑)。

やっぱりバイクが好きなんです。私は16歳でZ2から乗り始めましたが、時代ごとに好きなバイクを楽しんできました。今はいかに長く乗るかということしか考えていませんし、感覚と体力が許す限り乗り続けていきます。レースではなく趣味なので、自分のペースで走れますからね。

レース引退後にツーリングに目覚め、今も愛機GSで年間2万km以上は走るという樋渡さん。様々な状況を走り込むことで、身を持って知った「乗って楽しく疲れない」特性こそ、アールズギア社製のマフラーの身上だ。


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