総決算として、バイクライフ最後の1台を選ぶとしたら…。“上がりのバイク”は、人それぞれ、バイクへの考え方がモロに露出する正解のない概念だろう。…というわけで、2輪業界の様々な識者たちに質問してみた。「アナタにとっての“上がりバイク”を教えて下さい!」本記事では、ヤングマシンと関わりのある4名の編集者の”上がりバイク”と、そのマシンを選んだ理由を紹介する。
●文:ヤングマシン編集部
初期ヤングマシン編集 田中三郎氏の上がりバイク:スズキ SV650
今乗っているW650が気に入っているので、“これが最後でいいかな”と思っていたのですが、最近、重さが気になってきました。
ガレージの出し入れや細い道のUターンが以前より大変なんです。今年75歳になるのですが、それを年初に意識した途端、急に体力が衰えてきたんですよね。前は一週間ぶっ続けでゴルフしても平気だったけど、今は3~4日続けるとグデッとなっちゃう(笑)。
そこで、車重200kg以下で500cc前後のバイクを「上がり」にしたいなと考えています。
250ccクラスは軽いけど、どうしてもスロットルを開けないと加速感がないので、スピードが出てしまうのが嫌なんです。加えて、長距離を走る機会もあります。先日、自宅の伊豆高原から千葉まで、元ホンダ広報のカメちゃんや山田純さんらバイク仲間と一緒に500kmほどツーリングしたんですけど、やっぱり250じゃキツい。
それにスーパーカブを上がりバイクとして挙げる人も多いと思うけど、「足」としてのバイクは自分にとって「上がり」じゃないかな。
そう考えた時に、当てはまるのはスズキのSV650。もし「GB350の500cc版」が出るなら、ソッチが一番かな。SVは軽くて車格もコンパクトと評判がいいですよね。ただし、まだ乗ったことないので、ヤングマシンで貸してくれないかな(笑)
気筒数にこだわりはないけど、4気筒はさんざん乗ったし、元々単気筒と2気筒が好き。メグロの500にもずっと乗っていましたしね。
ただ旧車は転倒した時にパーツがなさそうなのでやめておきます。CB72とか77、BSAのB33、モトパリラ175、BMWのR65などなど昔乗って忘れられないのはいっぱいあります。でも高いし、自分で修理するのは嫌。俺は整備も自分でするけど、バラすと組み立てられない。昔GT380でレースやってた頃、オーバーホールしたらいっぱいネジ余ってたから(笑)。
そういうのを抜きにした理想の上がりバイクは、昔のボンネビルT120ですね。車重が軽く、650ccでレスポンスもいいから快適に走れる。ただしキックなんで、今乗ったらエンジンかけられないかもね。欲しいバイクはいっぱいあるけど、体力もないし、やっぱり乗るバイクは限られます。
いずれにせよ今後もバイクは乗り続けます。歩ければバイクには乗れますから。それでも乗れなくなったらサイドカーでも作ろうかな。
上がりの輸入車は?:ビモータ テージ3Dネイキッド【現役編集者に聞く】
【回答者|小川勤 AGE:48】2輪WEBメディア「MIGLIORE(ミリオーレ)」ディレクター
この10年ほど、僕の上がりバイクNO.1は、ビモータのテージ3Dネイキッド。大好きなドゥカティの1100cc空冷Lツインエンジンを搭載する、ドゥカティエンジン最後のビモータだ。
単気筒並みにスリムなエンジンをアルミ削り出しのオメガプレートで挟み、前にもスイングアームが伸びた独創的な車体構成は、抜群のハンドリングと乗り心地を披露。フロントのハブセンターステアは、ツーリングや市街地、サーキットでもライダーの操作にどこまでも忠実で、そして正確に応えてくれる。
乗り味に見た目が醸す奇抜さはなく、これは国産車では絶対に到達できない境地。こんなライトウエイトなスーパーハンドリングマシンは、規制などを考慮すると今後登場することはないだろう。ちなみに30年乗り続けているヤマハSRは、キックが踏めなくなるまで乗る予定だ。
上がりのツーリングバイクは?:カワサキ Z1【現役編集者に聞く】
【回答者|神田英俊 AGE:48】ツーリング誌「モトツーリング」編集長
客観論で正解はないと思う。しかし、僕にとっての“上がりのツーリングバイク”であれば、通称Z1と呼ばれるカワサキの900スーパー4を推したい。このマシンとは既に20年以上の付き合いになる。ワインディング/高速/市街地は勿論、意外とダートでの安定性にも優れており、僕にとって日本全国を巡り共に縁を紬いできた相棒かつ、孤高のアドベンチャーマシンなのだ。
スペックにおいては現代のマシンには全く敵わない。しかし、そんな事はどうでもいい。乗って楽しく、所有感を満たし、壊れず、何処までも何処へでも気軽に行ける(本人主観)。要は自分が満足すればいいのだ。様々なマシンを乗ってきたが、最も落ち着くのはこのマシンの前。貴方にとっての“上がりのツーリングバイク”も、実は既に出会っているのかもしれない。
上がりのオフロード車は?:ホンダ XR250【現役編集者に聞く】
【回答者|小川浩康 AGE:53】オフロード誌「GoRIDE(ゴーライド)」編集長
「上がりのオフロードバイク」とは、最後にどんなオフロード遊びをしていたいか? ということだと考えます。私はモトクロスなどのレース経験もありますが、最後はマッタリと林道ツーリングを楽しみたいと思っています。飛ばすつもりはないですが、林道での軽快な走りと高速道路移動を考慮すると、250がベストバランス。となるとセロー250と思うでしょう。が、私にはライポジが窮屈すぎて長距離が辛いのです。
仕事柄いろいろなバイクに乗ってきましたが、ライディングポジションと乗り味が一番フィットしたのがXR250(MD30)でした。突出した動力性能はないけれど、カブを250にしたような扱いやすさと乗りやすさがあり、どこまでも走っていけます。そんなXR250ですが、じつは愛車歴17年目。私のバイク人生はすでに余生なのかもしれません…。
※本記事は“ヤングマシン”が提供したものであり、文責は提供元に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
人気記事ランキング(全体)
私は冬用グローブを使うときにインナーグローブを併用しています。防寒目的もありますし、冬用グローブを清潔に保つ目的もあります。最近、長年使い続けたインナーグローブが破れてしまったこともあり、新品にしよう[…]
アクセルワイヤーが長すぎた!というトラブル ハンドルを交換して長さが合わなくなってしまったり、はたまたケーブルそのものが痛んでしまったり。こうしたアクセルワイヤー(スロットルケーブル)を交換する際、「[…]
白バイ隊員はバイクバカ⁉ 白バイに乗りたい、白バイ隊員になりたい、と白バイ隊員を目指す警察官のなかでバイクに関心のない人はいないと言い切っていいかと思います。少なくとも私が知るなかではひとりもいません[…]
2018 カワサキ ニンジャ400:250と共通設計としたことでツアラーから変貌(2018年8月30日公開記事より) 2018年型でフルモデルチェンジを敢行した際、従来の650共通ではなく250共通設[…]
高回転のバルブ往復にスプリングが追従できないとバルブがピストンに衝突してエンジンを壊すので、赤いゾーンまで回すのは絶対に厳禁! 回転計(タコメーター)の高回転域に表示されるレッドゾーン、赤くなっている[…]
最新の記事
- スズキ新スクーター「e-アクセス」「アクセス」登場! 国内には新型アドレスとして導入か
- ヤマハ新「XMAX」登場! 電動スクリーン、4.2インチTFT&3.2インチLCDメーターなどを新採用【海外】
- 「終活考えなきゃな」バイクも無縁じゃない相続トラブル。財産を円滑に引き継ぐための3つの方法
- 「安くて助かる」100円ショップ「セリア」のインナーグローブ徹底レビュー! 【KOMINE製との比較つき】
- 「え、意外!」白バイ警官はバイク好きが多い? プライベートのバイクライフってどんな感じ?【元警察官が解説】
- 1
- 2