さすがのスーパーカブ、ホンダ公表の燃費を突破!? スーパーカブ110 航続距離実測ガチ検証【東京→浜名湖】

昨今のライダーなら意識しなくてはならない環境性能。特に燃費の良さは、地球環境の保全のみならず、我々の財布の温かみにも直結する重大な問題だ。バイクメンテナンス系YouTuber・DIY道楽テツ氏が体当たりで検証を行なうべく、取り上げたのは燃費性能の高いバイクの筆頭、数々の伝説を残してきたホンダの名車「スーパーカブ110」だ。実測値として、カブのタンクとエンジンでどこまでの距離を走ることができるのだろうか。驚きの結果となった。


●文/まとめ:ヤングマシン編集部(DIY道楽テツ)

【YouTubeクリエイター:DIY道楽テツ】バイク雑誌の編集に携わったのち、20年以上の溶接の経験を活かしてDIYに勤しむYouTubeクリエイター。「バイクを元気にしたい!」というコンセプトで定期的に動画を配信している。最近では徒歩旅に目覚めたという。’76年生まれの2児の父。[URL]DIY道楽(メインチャンネル) / のまてつ父ちゃんの日常(サブチャンネル)

超低燃費で有名なカブ。ガソリン満タンでどこまで行けるのか?

累計1億台以上販売され、世界でもっとも売れているバイクである「スーパーカブ」。そのエンジンは、どんな環境でも壊れず走れるタフネスさ以上に「燃費が良い」エンジンとして有名です。

そんなスーパーカブ、ガソリン満タンにしたらどこまで走れるのでしょうか…? メーカーが公表する航続距離は278.39km。でもそれはあくまで計算上の数値。実際はどうかわからないよねってことで、これをガチンコ検証してみたいと思います。

しかもスーパーカブといえば4月に新型車が出たばかり。ディスクブレーキやキャストホイールの採用も気になりますか、今回はロングストロークが採用された新型エンジン搭載とのこと。新しくなったスーパーカブの実力、ぜひとも拝見させていただきましょう!

コチラが今回の相棒! 新型スーパーカブ110です!

【’22 HONDA SUPER CUB 110】■空冷4スト単気筒SOHC2バルブ 109cc 8.0ps/7500rpm 0.9kg-m/7500rpm ■車重101kg(装備) シート高738mm 4.1L ■タイヤサイズF=70/90-17 R=80/90-17 ●色:グリントウェーブブルーメタリック タスマニアグリーンメタリック パールフラッシュイエロー バージンベージュ クラシカルホワイト●価格:30万2500円 ●発売日:’22年4月14日

デザインの基本は65年前に初登場したC100から大きくは変わらず。何度フルモデルチェンジを繰り返しても、一目で「スーパーカブ」と分かるスタイリングですね 。

ボア×ストロークは従来の50×55.6mmから47×63.1mmへとロングストロークの新エンジンを搭載し、たのもしく力強い走りと、省燃費を両立。電子制御で理想的な燃料供給を行うPGM-FIも採用し、燃料消費率68.0km/Lを実現! シフトチェンジは、停車時のみロータリー式となる4段リターン式。2段クラッチを装備してシフトチェンジ時のショックを軽減してます。

フロントディスクブレーキを採用することで、高い制動力を追求。さらに車輪ロックを回避する1チャンネルABS(アンチロックブレーキシステム)も標準装備し、制動時の安心感をより高めました。

メーカー公表の航続距離ならばウナギを食べに行ける?? →よし、行ってみよう

さて、ガソリン満タンからガス欠まで走れる距離、つまりバイクの「航続距離」は、ガソリン1リットルあたりの走行可能距離(燃費)とガソリンタンクの容量の乗算で求められます。すなわち、

航続距離 = 燃費(km/L) × ガソリンタンク容量(L)

ということですね。ちなみにスーパーカブの公表燃費値は、WMTCモード値で67.9km/L。つまり航続可能距離は67.9(km/L)×4.1(L)=278.39kmです!

そんなメーカー公表の航続距離から算出するとこんなルートが浮かんできました。

※Googleマップより引用

東京都の青山交差点から浜名湖が、高速道路を使わない一般道でおおよそ260km。浜名湖と言えばウナギ。おお、奇しくも季節は夏の土用シーズンではないですか!!

それならば… こういうプランは如何でしょうか?

「 夏の土用だから! ホンダウェルカムプラザ青山から、浜名湖のウナギを食べに行くツーリング スーパーカブ110限界航続距離テスト」

スーパーカブは110ccなので高速道路は使えません。季節も夏だし、道中かなり過酷な道のりになるのは容易に想像できます。なのでちょいと高価ではありますが、最後の最後に楽しみ(目の前のニンジン)を設定してみました。

まぁ、アレですよ。もし思ったより航続距離が伸びなくてガス欠になったとしても、浜松餃子と生ビール(!!)という楽しみもあるわけで(笑)。これなら猛暑の中でも走れるってもんです!

【3:47】いざスタート! 出発点=ホンダウェルカムプラザ青山より、目指すは浜名湖の絶品うな重ナリ!!

スタート地点はホンダの本社のある「ホンダウェルカムプラザ」のある青山から。いよいよ出発です。プラザに向かって一礼していよいよ出発。トリップメーターをリセットし、距離計をゼロにしたらシフトペダルを「ガッチョン」と踏み、走り始めます。

このスーパーカブ110は借り物で、今回はじめて乗ったのですが、いつも乗っているリトルカブとあまりにフィーリングが似ているので何の違和感もなく走り始めます。強いて言えばちょっとシフトが固い(ダブルクラッチだからでしょうか?)のですが、これも5分と経たずに慣れてしまいました。

ちなみに、今回はリアルな航続距離を検証したいので、あえてエコ運転は意識しません。法定速度を守って流れに乗りつつ、いつも通りの加速減速を心がけますよ~。

都内特有の暑さと渋滞を避けるために夜明け前に出発したのですが、予想外に車と人がいますね。さすがメガロポリス東京。ワタシが住んでいる田舎とは違いますね~ などと感心しながら、国道246線を神奈川県厚木に向かてひた走ります。

まだ夜も明けぬ4時ちょっと前。さすがにこの時間だと、走っているの深夜営業のタクシーと、新聞配達のスーパーカブ仲間くらいですね。

渋谷付近を通過中~

ガソリンは前夜に給油しているので間違いなく満タンです。’22モデルからデジタルメーターが採用されたそうですが、シフトインジゲーターと平均燃費を表示してくれるのは嬉しい限り。これは便利そうですね~。

【5:34】平塚 走行距離55.1km チェックポイント〈1〉

平塚付近で夜明けを迎えました。日の出の直前、視界全体がまるでマジックアワーのように淡いオレンジに包まれ、真っ赤なご来光がお目見えしました。本日も湿度が高くて天気が不安定な気配ですね。

夜が明けました。国道246にて。

国道246号から国道129号にスイッチして平塚で最初の休憩。コンビニで朝コーヒーを頂きます。ここで、最初の燃費チェック。メーターのボタンを押して出てきた数字は、なんと「AVG 81.5km/L」!

いきなりの「WMTCモード値超え」です。もちろん、実測燃費はこれより劣るとは思うのですが、246がずっと快適に空いていて、まるでバイパス道路を走るように60kmをキープできたのが大きいのでしょうか?

いきなりWMTCモード値超えの平均燃費!

だけどここからは、そう簡単にはいかなくなってきますよ~。

国道129号を南下してから、国道1号線に合流します。時刻的にも交通量が増えてきてそこそこ渋滞も出てくるはずなので、燃費がどう変化してくのか? 興味があるところです。

なお、ここまでは60kmをキープしつつも快適に走ることができました。アクセル開度をパーシャルに保てばおおよそ55km/hなので、ちょい開け状態で60km/h巡行も楽々でした。

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