
小柄な体格ながらオフロードマシンを自在にコントロールし、数々のエンデューロレースでトップライダーとして活躍する、ユータロー先生こと内山裕太郎選手。氏による林道ライディングテクニック講座『チビテク』から、林道デビューする人や林道ビギナーに向けた林道ライディングテクニックの初歩をお伝えした前編に続き、中編ではダート路面でのボディアクションやスタンディング走行のコツをお届けするゾ!!
●まとめ:ゴー・ライド編集部(小川浩康) ●写真:長谷川徹 ●講師:内山裕太郎
小柄な体格ながらオフロードマシンを自在にコントロールし、数々のエンデューロレースでトップライダーとして活躍する、ユータロー先生こと内山裕太郎選手。そんなユータロー先生による、オフロードビギナーや小柄な[…]
チビテク03:上半身を使ってバランスをとる
ダート路面は滑りやすい。だからライダーが体を動かす(=ボディアクションする)ことで前後輪のグリップ力を安定させ、車体を滑りにくくするのだ。
ユータロー先生「林道には上り坂も下り坂もあります。まずは上り坂の走り方から説明します。下り坂についても、同じく写真にある石から下りになると仮想してください」
加速状態(上り坂)では頭を前方へ!!
前輪が石にさしかかった(上りになった)時に、マシンを失速させないようアクセルをじわーっと開けて加速していきます。写真ではマシン挙動をハッキリ見せるために、あえてアクセルを多く開けています。アクセルを開けると後輪が路面をグリップしてリヤサスペンションが縮み、フロントサスペンションが伸びているのが分かります。これが、リヤ荷重になってフロントが抜重された状態といって、加速状態(上り坂)ではこうしたマシン挙動になります。セローの前輪は路面から浮き、リヤ荷重になってフロントサスが伸びています。このままではフロントアップしてしまいます。これが上り坂なら、フロントがまくれ上がってしまい(サオ立ちと呼んだりします)、転倒の原因になります。 [写真タップで拡大]
減速状態(下り坂)では腕を伸ばす!
急ブレーキは厳禁!!
林道での減速ではシフトダウンとエンジンブレーキをメインに使って、ブレーキはなるべく使わないようにしよう。上の減速時の写真を見ると分かるように、ブレーキングするとフロント荷重になって、フロントサスが縮んでしまうからだ。ここではよくある悪い例を挙げておく。
チビテク04:スタンディングで衝撃を吸収
フルボトムしたサスペンションは、それ以上の衝撃を吸収できない。そんな時はスタンディングして、ヒジとヒザを使って衝撃を吸収してやるのだ。
シッティングとスタンディングの違い
ユータロー先生「林道には、写真のような雨水が流れて路面が掘れた洗い掘りや、岩がゴロゴロしているガレ場/段差(ギャップ)などがあります。まずはシッティングでギャップを通過し、それができたら次にスタンディングで通過してみましょう」

フロントサスペンションは伸びていますが、ギャップに差しかかると縮んでいます。この時の衝撃が身体に伝わってくるのですが、ギャップが深かったり、スピードが速くなるほど受ける衝撃も大きくなり、フロントサスもフルボトムします。そうなると急ブレーキと同じで転倒しやすくなります。 [写真タップで拡大]

そこでギャップの手前でスタンディングして、ギャップ通過時の衝撃をヒジとヒザで吸収してやるのです。フロントサスはフルボトムしていますが、両腕を延ばして上体が前のめりになるのを防ぎつつ、ヒザを曲げて車体から伝わる衝撃を吸収しています。基本はシッティングと述べましたが、こうしたギャップやガレ場ではスタンディングして、衝撃で車体が振られないようにするのが林道走行のコツになります。 [写真タップで拡大]
チビテク秘技:スタンディングは斜め上に立つ
ユータロー先生「それでは、進行方向にギャップがあると仮想して、シッティングからスタンディングする方法を紹介しましょう」
林道ツーリングで役立つシッティング走行やスタンディング走行でののコツやポジショニング/ボディアクションを伝授した中編。後編では、林道走行でのライン取りや滑りやすいダート路面でのコーナリングのコツなどを伝授する!!
※本記事の内容はオリジナルサイト公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
関連する記事
小柄な体格ながらオフロードマシンを自在にコントロールし、数々のエンデューロレースでトップライダーとして活躍する、ユータロー先生こと内山裕太郎選手。そんなユータロー先生による、オフロードビギナーや小柄な[…]
『オフロードマシン ゴー・ライド』’22年13月号(Vol.16)が全国書店にて2月4日発売! 巻頭特集では、”寒い時期は海岸線に進路を取れ!!をテーマに、伊豆半島のダート林道探索/絶景ス[…]
『オフロードマシン ゴー・ライド』’21年12月号(Vol.15)が全国書店にて12月6日発売! 巻頭特集では、林道ツーリングで役立つスキル/オフロードマシンのアレコレ/メンテの最初の一歩/装備の優先[…]
自然味溢れる走行景色やアクティブなダート走行だけでもすでに楽しさいっぱいの林道ツーリング。そこに近年生まれた一風変わったアウトドアの楽しみ方「チェアリング」というエッセンスを加えるとどうなる? オフロ[…]
林道にたどり着くまでの走行時間で、同じ体勢のままでいることで身体が固まってしまっていることは多い。その状態のままでは筋肉が固まる=身体の可動域が落ち、バランス感も悪くなるなど、ちょいコケやケガなどしや[…]
最新の記事
- 「こんな現状、許せない!」 ファンサービスに話題作り…行動し続ける加賀山就臣の“想い”とは?
- 犬猿の仲!? ホンダ新型ダックスとモンキーを徹底比較!【ホンダNEWダックス125完全解説】
- ヤンマシ的ホットアイテムピックアップ×9選〈エッチングファクトリー/ヨシムラ/デイトナ etc.〉
- フェニックスエンジニアリング【ガンナー100 試乗インプレッション】排気量が2倍になって楽しさ4倍に!
- モリワキGB350鉄馬プロジェクトレポート#2【ワンメイクレースに向け、人車ともに進化】
- 1
- 2