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品薄を乗り切れ!! 今、バイクを上手に買う方法【コロナ時代の”新車購入テクニック”】

コロナ時代の新車購入術

バイク購入希望者から聞こえてくる「新車が全然買えない…」「中古車は値上がりして高すぎる!」といった声。もはや”欲しくてもすぐには買えない”が当たり前となりつつ2輪車市場。モノがないのには複雑な事情が絡み合っているので、文句を言ってもしょうがない。僕らにできることは、この状況を正しく理解して賢く立ち回ることだけなのだ!


●文:ヤングマシン編集部(田宮徹)

新車の品薄が続く3大原因がコレ

【その1:そもそも売れスギ!計画以上の受注が入る】一部の人気モデルは、物流や部品調達などに起因する生産の遅れだけでなく、メーカーが予想していた以上の注文が殺到し、これがさらにデリバリーを遅らせる原因となっている。たとえば写真のホンダ レブル250の年間販売計画を見ると、’17年:1500台→’19年:3200台→’20年:9000台と人気に応じて台数を変更しているが、’20年の販売台数は結局1万3958台(参考:二輪車新聞)。計画が実情に追い付いていないのだ。ホンダGB350など、’21年夏頃には早くも「すでに今年の生産分は完売状態」なんて声が聞こえてきた機種も…。

【その2:半導体、樹脂などパーツが揃わない!現在のバイクにはさまざまな電子部品が使われていて、世界的な半導体不足も生産遅延の原因となっている。じつはそれ以外にも、数々の素材がコロナの影響で高騰。感染症対策で工場の閉鎖や縮小がまた行われれば、さらに拍車をかけることに。ヤマハは遅延のお詫びリリースで「樹脂材の調達が困難」とも…。※写真はイメージ

【その3:コンテナ不足など海上輸送が不安定世界の海運は、この1年ほど混乱を続けてきた。コンテナは世界中で使いまわすので、一 度バランスが崩れると戻すのは大変。やむなく空荷のコンテナを回収する船を運航するなどの対策で、海運会社は解消に向けて動いている。※写真はイメージ

超人気車種を少しでも早く手に入れられる方法

「はっきり言ってしまうと、我々販売店も新車デリバリーの遅延により非常に損をしています。販売の機会を逃すことにつながりますから」

あるショップの店長はこのように肩を落とすが、相手はコロナ禍や一部機種への人気集中であり、メーカーに圧力をかけたところで改善されるようなものではない。「ユーザーとメーカーの間に挟まって、とにかく遅延や完売をユーザーに謝ることくらいしかできません」と諦めムードだ。

それでも、原付スクーターなどを除く趣味性が高い機種を購入しようとしているユーザーには、「新車が品薄状態なのは知っています」なんて人も最近は多くなってきたよう。「まあ、半年単位で気長に待つよ」なんて言葉に、ショップ側が救われることも多くなってきたようだ。

この状況は、少なくとも新型コロナウイルスによる混乱が欧米やアジア圏で収まらない限り、落ち着きそうにはない。日本で製造している車種でも、海外から部品やユニットを調達している機種がほとんど。日本だけコロナが収束しても、そこで元に戻るとは思えない。まあそもそも、日本もスゴく大きな感染拡大第6波がきたら、どうなってしまうのかわからないのだが…。

そこで、このような状況下で新車を購入する場合、今乗れる愛車がないとかトラブルを抱えているという状況なら、あまりに納期が遅い車種の購入を諦める(先延ばしにする)など、思い切った決断をすることも必要だ。”今そこにある新車(または中古車)を買う”というのが、もっとも短時間で次期愛車を手にできる方法。

今年分完売機種はもちろん、人気が高すぎて納期が不明な車種にハマり、いつまでも待たされるくらいなら、愛車候補を変更してとっとと新たなバイクライフを楽しみ、その後にこの状況が落ち着いてから本来のお目当てだった車種の購入を検討する方法もある。

実際、それまで乗っていた車両を下取りに入れてとある外国車を購入したユーザーが、最初に「5月納車」と言われていたのに、「やっぱり10月」なんてところまで遅れた例もある。彼の場合、他にもバイクを所有しているので問題ないが、普通だったら1シーズン、バイクをまるで楽しめずに終わっていたところだ。

買い替え組で、現在の愛車にそれほど問題がないなら、まだしばらくその車両に乗り、買い替え時期をズラす方法もある。ただし、例えば走行距離が増えてトラブルが多くなってきた車両は、そこからさらにお金をかけて直すのはバカらしいかも…。このあたりは、現在の愛車状況と個人の価値観で判断が異なるだろう。

いずれにしても、超人気車に固執すると、早い納期は期待薄。コロナ禍がもたらした新車のデリバリー遅延は「その車両でないとバイクライフを楽しめないのか?」とか「他にも自分に合う車種はあるのでは?」なんてことを深く考えるきっかけにもなりそうだ。一方で、やっぱりバイクは趣味の乗り物だから、「欲しいモノが欲しい」で当然。そこで、ここでは超人気車種をなんとか少しでも早く手に入れられる方法がないかも考えてみた。

その1:買う店を選ぶな!

店舗の資金力やメーカーとの関係などで納期や在庫が変わることも

潤沢な資金力がある大型店舗は、200万円前後の大型クラス新車であっても、絶対に売れると読めば客注が入っていなくてもメーカーに新車を注文する。その結果、メーカーでは今年分完売と言われているような人気機種が、ユーザーの予約がない店舗在庫として並ぶこともたまにある。

また一部メーカーは、これまでの販売実績などで特定の店舗を多少なりとも優遇することがある。「少しでも早く…」というなら、そのような店舗をなんとかしてリサーチしてみるのも手段のひとつ。現在のバイク購入はし烈な情報戦なのだ!?

近所だったり、懇意にしているショップで買いたくなるものだが、ここはひとつ「行ったことのないバイク屋」を攻めてみるのもありだ。※写真はイメージ

その2:”他の色”も検討を!

カラーリングのこだわりを捨てると納期が早まることも

ホンダGB350のような予約殺到の超人気車種は、どの色を選んでも納期にほとんど差がないか、納期が早そうな車体色を予想することすら難しい。ただ車種によっては例えば「白なら即納だけど黒は2か月待ち」など、車体色によって納期に偏りがあることも。トレーサーで言えば「赤なら入荷の可能性あり!」なんてケースもあった。

もちろん、「バイクは高価な趣味の乗り物なので、車体色にも徹底的にこだわりたい」というユーザー心理はよくわかる。しかし、早く納車されることを優先するなら、色に対するこだわりを捨てることもひとつの手段。ショップに相談すると、車体色によるメーカー在庫や納期目安の違いなどを教えてくれると思うので、状況次第で検討しよう!

とあるショップに聞いたところ「トレーサーはシルバーやグレーはまったくの未定だが、レッドなら入りそう」というケースもあった。

その3:情報はこまめにチェック

新車/中古車情報サイトのチェックや ショップへの直接連絡で現状を知ろう

いわゆる中古車販売情報サイトには、新車の販売情報も掲載されていて、今から予約しても今年中の納車はムリとされているような機種が、”即納可能”な車両として掲載されていることも。新車の掲載は、”注文販売”と”展示車あり”など現車の有無が記載されていることが多く、このうち”展示車あり”のデータをしつこく探していくと、巡り合えることがある。

ただし、掲載されていても必ず買えるとは限らない。誰かが先に見つけてすでに予約している場合や、県外ユーザーへの販売を不可としているショップなどもあるためだ。とはいえ、実例があるショップなら再び”野良”人気新車が入荷する可能性もあり、問い合わせをしてみる価値は高い。なお遠方のショップで購入する場合、その後に自宅の近隣でメンテナンスしてくれるショップがあるかも気にしておきたい。

ネットはこまめにチェックし、気になったらショップに直接連絡。「HPのは売り切れましたが、グループの〇〇店にもうすぐ1台…」なんて話が聞けるかも。中古車サイトのほか、販売店のブログも要チェック。※写真はイメージ

その4:今すぐ予約せよ!

どうしても欲しいバイクならとにかく早めに予約が吉

「今から予約しても納車は○か月後かぁ…」なんてウダウダしているうちに、どんどん順番待ちの列は長くなる。先約のない店舗在庫に巡り合うわずかな可能性に賭けるとか、それなら中古車を含めた違う車種を狙うというのでなければ、とにかく早めに予約して納車をじっと待つのが得策だ。

基本的には、注文の段階で販売契約が結ばれ、クレジットで購入する場合は審査と支払いも納車前からスタートするが、あるメーカーの一部人気車種は注文後から納車前までのキャンセルをメーカーが事実上容認しているというウワサも?!「半年以上待たされたら、心変わりしちゃうかも…」なんて心配な人は、予約時にキャンセル条件なども確認したい。

どうしても欲しいなら、予約してしまうこと。一定の台数になると、予約すら中止する場合も。また写真のMT-07のように、販売店毎にお得な予約キャンペーンをしているケースもある。

その5:逆に考えれば”ウリドキ”では!?

買うことばかりではなく、今の愛車を手放すタイミングについても検討を!

新車の品薄状態が続いていることや、コロナ禍により他の遊びや飲み代に使うお金が減ったことでバイク購入予算が増えたユーザーもいることなどから、現在の中古車市場は空前のバブル状態。中古車市場が高騰しているということは、新車購入に向けて現在の愛車を下取りや買い取りに回す場合、その価格も高いということになる。

とはいえ、この状態がこの先も長く続くとは考えづらい。新車のデリバリーが正常化すれば、中古車市場も落ち着きを取り戻す可能性が高いからだ。そこで、そこまで頻繁に乗らないユーザーなら、次に買う新車の納期が半年後だったとしても、現在の愛車を中古車価格が高騰している今のうちに手放してしまうという選択肢もある。現在は、レンタルバイクが全国で充実。「ツーリングの頻度が月に1回程度で、真冬は乗らない」なんて人は、愛車が一時的になくてもレンタルバイクで十分に楽しめるし、半年後に中古車価格が下がるリスクを避けられる。もちろん、その分レンタルバイク代はかかるが、いろんなバイクに乗れるというメリットも考慮したら、悪くないと思うぞ!

通勤/通学など日常の足になっているならまだしも、たまにしか乗らないなら”レンタルバイク”が意外とありかも。いろんな車種に乗ってみれば、 意外な”出会い”があるかも…?※写真はイメージ

ランクルが2年待ち?! クルマ業界も混乱が続く

4輪の世界でも、’21年の年始商戦から半導体不足による納期の遅れは指摘されていたが、GWあたりから状況はさらに悪化。以後は2〜3か月待ちというのが当たり前になりつつある。特にデビューしたばかりの国産新型車は納期の遅れが際立っており、スバル・レヴォーグやホンダ・ヴェゼル、トヨタ・ハリアーなどの人気車種や人気グレードは、半年から1年といわれるケースも…。トヨタ・ランドクルーザーに至っては「2年以上はお待ちいただきます」という状態。同様に深刻なのが、プレミアム系の輸入車ブランド。’22年は生産台数減の影響で、日本向けの輸入台数が絞り込まれる公算が強い。実際、ポルシェなどの人気モデルともなると、今注文しても納期は’22年の秋以降とも案内されているようだ。

’21年8月2日に発表された新型ランドクルーザーだが、なんと当日に「8月2日以降の注文は納期1年以上となる見込み」とトヨタがアナウンス。人気輸入プレミアム車は、今買っても納期が早くて来年の秋以降。手に入るのが、必然的に’23モデルとなってしまう可能性も。


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