
‘22モデル最大の注目機種といっていいカワサキZ650RS。その実車に日本国内で最初に触れる機会を得た! 実車はスリムでシャープで取り回しが軽くて足着き性も良好。エンジンの始動はできなかったが、もう結論めいたことを言ってしまおう。こいつ…売れるぞ!
●文:ヤングマシン編集部(松田大樹) ●写真:箱崎太輔/編集部
※今回撮影した車両はプロトタイプのため、市販車両とは細部の仕様が異なる可能性があります。また、当車両は各部にオプションパーツが装着されています。
美しいメタリックグリーンに引き込まれる
国内正式発売前から話題沸騰中のカワサキZ650RS。その実車が日本の2輪メディアに向けて初公開された。タイトなスケジュールを押して取材機会を設けてくださったカワサキモータースジャパンさんに、まずはお礼を申し上げたい。
実車を目にしてまず感じるのは「キャンディエメラルドグリーン」と命名されたボディカラーの美しさ。1976年の初代Z650=通称ザッパーの車体色を忠実に再現したそのカラーは、ゴールドカラーのホイールも相まって、どんな人にも「綺麗なバイクだなぁ」と思わせるであろう華やかさに満ちている。
車両のボリューム感は”小柄すぎず、かといって大柄すぎず”といった感じ。兄貴分のZ900RSより65mm短い1405mmのホイールベースもあってか、全体的にギュッと引き締まったシャープな雰囲気は漂うものの、ひ弱に感じるような小柄さはない。平均的な日本人の体型にはジャストフィットと言っていい。
実車に近づくと、スリムな燃料タンクのフォルムに好感を覚える。Z900RSはサイドから見たフォルムはシャープながら、燃料タンクの幅にはボリューム感があり、元ネタであるZ1との違いを大きく感じさせる。ところがZ650RSの燃料タンクは、Z1のスリムさを想起させるほどシュッとしていてシャープ。ただ、そのぶん容量は12Lと、ベース車のZ650より3L、Z900RSよりは5Lも少ないのだが…。
車体をサイドスタンドから引き起こす。Z900RSも、例えばZRX1200ダエグなどと比べれば取り回しの軽さを感じさせるが、Z650RSはそれを1.5ランクくらい上回る印象。大型バイクの取り回しに慣れていれば”軽々”とか”ラクラク”といった言葉を使いたくなるイージーさだ。Z900RSより28kg軽い187kgの車重に加え、かなり高く、かつ近めにセットされたハンドルも(※ベース車のZ650より50mm高く、30mmライダーに近い)フレンドリーな取り回しに貢献しているのだろう。
跨る。今回の車両はハイシート(シート高820mm)が標準となる欧州仕様。それでも足着き性は身長170cm/体重70kgの筆者で踵がわずか数mm浮く程度。ソールの厚いシューズならベタ足だろう。日本仕様はほぼ間違いなくローシート(同800mm)が標準になるだろうから、足着き性はさらに改善されるはず。身長170cmで足裏全面がべったり接地するぐらい、良好な足着き性を有していると見ていい。ちなみにハイシートは幅がしっかりとあり、座り心地も良好だった。
ライディングポジションはご覧の通り。高めのバーハンドルによって上半身はほぼ直立しており、開けた視界によってもたらされる開放感は抜群。先述した車体のスリムさと、比較的前にセットされたステップが相まって、バイクとライダーの心理的な距離が非常に近い印象を受ける。身構える必要は一切なく、本当に気軽にフラリと散歩的なツーリングに行きたくなる。
今回はエンジンの始動は許されず、当然ながら試乗はNGだったが、大型バイク特有の手強さや重量感を感じさせないこのフレンドリーさは、それこそ250クラスからステップアップするビギナーから、酸いも甘いも嗅ぎ分けるベテランまで、幅広い層から支持を集めるはずだ。日本での販売価格は未発表だが、『ヤングマシン』誌では税込102〜103万円程度、Z900RSより約35万円安、といったあたりと予想する。国内導入予定の2022年春が楽しみで仕方ない!
余談:セパハンの可能性
車両を見ているとついムラムラとカスタム欲が…となるのはカワサキ車の宿命。Z650RSもご多分に漏れずで、現代的なショートマフラーはクラシカルなアフター品の登場に期待するとして、ヤングマシン的にはグッと低くセットしたセパレートハンドルも欲しい。試しにフルロックまでハンドルを切り、タンクとのクリアランスを確認してみると…お、コレは意外と簡単に装着できるんじゃないの!?

おまけ。Z650RSは車体の左面、燃料タンクの直下に四角い「箱」がある。この中には何が? 正解はレギュレーター。Z650ではラジエターシュラウドに隠れているが、ネイキッド化で露出したためカバーで隠しているとのこと。なるほど。 [写真タップで拡大]
Z650RS撮り下ろしギャラリー
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