SR400はファイナルだけど……

SRにセロー、TW、VMAXも! 実は海外で生き残っているヤマハ車×5選

1978年に初代モデルが登場し、2021年モデルで43年の歴史に幕を下ろすSR400は、ファイナルエディションが間もなく発売される。2020年にはセロー250が生産終了となり、ヤマハの象徴的なモデルが相次いで消えることになるが、海外に目を向けると、消えたはずのモデルが生き残っていたりする。本記事ではそんな機種を5車ほどピックアップしてみた。

車両別アーカイブ:SR400

タイでは継続販売されるSR400

1月21日の記事でお伝えしたとおり、ヤマハは「SR400 Final Edition」を発表した。1978年に初代モデルが登場してから43年が経ち、細かいモデルチェンジはあったものの原型を保ったまま販売され続けてきた、いわば“リアルクラシック”がSR400だ。当初はストローク違いの兄弟車・SR500も併売されていたが、2001年のマイナーチェンジ時に消滅した。2008年にはSR400も諸々の規制適合などを理由に一度生産を中断したが、2010年にFI化し復活。2018年には小改良でユーロ4にも適合していた。

そんなSR400だが、生産終了がアナウンスされたのは国内モデルについてであり、海外の一部では生き残ることが明らかになっている。欧州や北米でも発売されたことがあるため、そちらかと思いきや実はタイ仕様。車体カラーは2018年に発売された日本仕様のブラックとブルーに準じ、これをタイでは「BORN TO BE LEGEND・伝説」と銘打って販売している。

2021年モデルのニューカラーが登場するのか、そしていつまで販売されるのかは未知数。タイ仕様の生き残りが日本国内における復活への布石、なんてことになると嬉しいのだが……。

ちなみに2020年の日本市場でSR400は400ccクラスで僅差の2位となる販売台数を誇っており、ファイナルエディションも予約受注はかなり足早だという。

タイヤマハのHPでは漢字の「伝説」を使っている。

YAMAHA SR400[2020 model in Thailand]■空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 399cc 車重174kg ●タイ現地価格:28万5000バーツ

YAMAHA SR400[写真は国内仕様]ヤマハブラック

YAMAHA SR400[写真は国内仕様]グレーイッシュブルーメタリック4

おお、デカ目! 北米セローはXT250の名で存続

2020年7月31日に最後の1台が出荷されたセロー250ファイナルエディション。1985年の初代モデル登場から35年後に、シリーズ最終モデルとして有終の美を飾った。2輪2足のマウンテントレール・コンセプトで、初心者からベテランまで多くのファンに支持されたセロー250だが、各種規制への適合などの理由から存続の道が断たれた恰好だ。

そんなセローだが、昔のセロー225の時代から海外ではXT230として、またはXT250として販売されてきた歴史がある。よりオフロード色を強めたTT230などもあったが、いずれにせよ北米やオーストラリアといった地域で根強く人気を誇ってきた。

現行セロー250の海外版はXT250。これを正規ラインナップしているのは北米、オーストラリア、ニュージーランドなど。初心者に優しく、使い勝手もいいデュアルパーパスという位置づけで、日本のセロー250に比べて巨大な丸型ヘッドライトや大型ウインカーがデザイン上の特徴となっている。また、テールまわりのデザインは日本仕様でいえば2018年にマイナーチェンジされる前の、通常のバルブ式テールランプを採用した形。同マイチェン時に採用したキャニスターは、現行海外モデルも備えているようだ。

北米ではすでに2021年モデルが発表されており、今後も存続していく気配が濃厚だ。日本ではセロー250の代わりになる何者かが登場するのか、それとも……。

YAMAHA XT250[2021 USA model]

YAMAHA XT250[2021 USA model]■空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 249cc 車重132kg ●現地価格:5199米ドル

YAMAHA XT250[2021 USA model]

YAMAHA WR250R[Australia]
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YAMAHA WR250R[Australia]ちなみに、オーストラリアやニュージーランドではWR250Rも存続販売されている。■水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ 250cc 車重134kg ●現地価格:9999豪ドル

懐かしの四角ライト! 極太タイヤのTW200も現役

1987年発売のヤマハTW200は、フロントに130/80-18、リヤには180/80-14という極太タイヤを履いたファットなオフロードスタイルで人気を博したデュアルパーパスモデル。道なき道を走破する絶大なグリップ力と、どこかほのぼのとした雰囲気が特徴だったが、1990年代半ばには“スカチューン”の流行で「ティーダバー」という言葉も生まれるほどカスタムが盛んになった。

1998年には丸型ヘッドライトが登場し、2002年にはTW225へと排気量アップ。同時にフロントブレーキがディスク化され、タイヤもロード向けのパターンになった。その後、カスタム人気の陰りもあって、2008年に排出ガス規制への適合などを理由に生産終了となっている。

こちらも、北米で車名はTW200で排気量は196cc、角型ヘッドライトにフロントディスクブレーキという、国内モデルにはなかった組み合わせで生き残り、2021年モデルも発表されている。

YAMAHA TW200[2021 USA model]

YAMAHA TW200[2021 USA model]■空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 196cc 車重126kg ●現地価格:4699米ドル

YAMAHA TW200[2021 USA model]

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