セッティング作業でフロートチャンバーを外す機会が多いスペシャルキャブレター。作業に慣れすぎて力加減を誤ったか、斜めに入ったままレンチでグイッと締めたのか、フロートチャンバーの雌ネジがなめてしまい…。ボルトナット固定だった箇所を、今回「リコイル」を投入して修理することに。ポイントさえ押さえれば確実な修理が可能だが、思わぬトラップが待ち受けていた!?
巻頭特集「ぼくらのガレージ」 様々な形態の個人ガレージを覗き見して、サンデーメカニックの夢である「マイガレージ製作」の参考にしよう! 自分仕様的なアイデアを思い浮かべるにも参考になるはず。また、ガレー[…]
なめた雌ネジをリコイルを使って修理
以前の記事で、キースターの燃調キットを使ったFCRキャブレターのフルオーバーホールについてレポートしたが、その際にフロートチャンバーの1カ所の雌ネジがなめてしまい、キャップボルトとナットで固定してあったので、今回「リコイル」を使って修理を行った。
ステンレス製のコイルスプリングのようなリコイルインサートをねじ込んで傷んだ雌ネジを補修するリコイルは、オーストラリアで開発され、世界中の生産/補修現場で利用されている。「トレードシリーズ」は、補修に必要な下穴用ドリル/リコイルタップ/挿入工具/マグネット付き折取工具の工具類と、15個(M2~M9サイズの場合)のリコイルをパッケージにした製品で、あとは電動ドリルがありさえすればすぐに作業できる。ちなみに、FCRのフロートチャンバー固定ボルトのサイズはM4×ピッチ0.7で、リコイルの標準ラインナップに含まれている。
作業手順は下記の写真解説の通りだが大きな罠!? があった。ボルトを取り付ける場合、フロートチャンバーの合わせ面に対して垂直にセットするのが一般的な感覚ではないだろうか? ところがFCRは合わせ面から十数度傾いているのだ。
そのため下穴用ドリルで穴を明ける際、必ず正常な雌ネジにボルトを差し込み、傾きを確認しながら作業しなくてはならない。
また、今回のように厚みが少ない雌ネジ部分に施工する場合は、トレードシリーズの標準リコイルでは長すぎることがあるので、あらかじめカットしておくことも作業上のコツとなる。
これらのポイントを押さえておけば、デリケートなM4雌ネジも補修が可能で、必要なトルクでしっかり締め付けることができる。
●取材協力:リコイルジャパン ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
バイクいじりの専門誌『モトメカニック』のお買い求めはこちら↓
あなたにおすすめの関連記事
プラスチック部品の割れ修理に驚くほど強力な"溶着"をコードレスで プラスチック部品の割れ修理と言えば、接着剤で結合するのが一般的だろう。確かに最近では、想像を超える強い接着がウリの商品も登場している。[…]
フレキシブルスコープ180 WIFIカメラ :180°自在にカメラを向けられる可動式ヘッド 分解前のエンジン内部や狭い隙間を観察するのに便利なファイバースコープの中でも、ちょっと驚きの価格で登場したの[…]
狭い場所でも自由自在にバイクを動かせる チェーンやブレーキなどリア周りのメンテや、洗車でも重宝するメンテナンススタンド。センタースタンドのないバイクにとっては必需品といっても過言ではないメンテスタンド[…]
リニューアルされたチェーンクリーナーとチェーンルブ サンデーメカニックのみならず、プロメカニックの間でも話題になるのがシールチェーンのメンテナンス。シールチェーンは給油不要という意見もあるが、チェーン[…]
世界的な旧車ブームが継続中 もはや一過性といった言葉では片付けることができない、世界的な旧車ブーム。この流れは日本国内のみならず、バイク先進国であるヨーロッパ市場(イギリス、ドイツ、イタリア、フランス[…]
最新の記事
- スズキ「Vストローム250SX」と「Vストローム250」は何が違う? 身近な兄弟車を比較!
- 【2024年11月版】150~250cc軽二輪スクーター 国内メーカーおすすめ7選! 125ccの双子モデルからフルサイズまで
- SHOEIがシステムヘルメットのド定番モデル「ネオテック3」に新グラフィック「ANTHEM」を発表!
- SHOEIが「Z-8 YAGYO」を発表! 百鬼夜行をイメージしたバイクパーツ妖怪が目印だ!!
- 【SCOOP!】ついに「GB500」登場へ?! ホンダが海外で商標を出願!
- 1
- 2