エンジン各部の寸法的には意外と近い!?

カワサキ ニンジャZX-25R×ZXR250【輪廻#2:エンジン各部の寸法比較】

  • 2020/6/24
カワサキZXR250×Ninja ZX-25R

現行モデル唯一無二の250cc直4を引っ提げて’20年にデビューするカワサキ ニンジャZX-25Rと、同社直4クォーターの原点であるZXR250。ヤングマシン編集部が独自に割り出した寸法から2つのエンジンを比較した。一見、25Rのエンジンは縦長、ZXRはギュッと凝縮されている印象だが、実際の寸法はほとんど同じ。横幅はほぼ同一だった。冒険はせずに堅実、そんな設計思想が見て取れる。

偶然か? 必然か? シリンダー角以外ほぼ同じ

ZX-25Rは、オイルフィルターを元にエンジンの寸法を推測で導き出し、ZXR250は’91年型の単体エンジンから実測。そのため、数値に誤差があるだろうことはご承知いただきたいものの、両車の数値は驚くほど似通っていた。

カワサキZXR250×Ninja ZX-25R

2車のエンジン寸法は上のとおり(A〜Cはオイルパン割り面を水平にして計測)。ZX-25Rは推測値だし、ZXRも実測値なので誤差は踏まえて見てほしいが…、一致しすぎ!?

真横から見た印象では、25Rはシリンダーが直立気味、ZXRは前傾している。そのため、25Rは背が高く、ZXRは前後に長く見えるのだが、実測値では25Rの方が全高で+10mm、前後長で+5mmとほぼ同じ。全幅(横幅)に関しては全く同寸だ。

カワサキZXR250×Ninja ZX-25R

(左:ZX-25R)上下クランクケースの合わせ面に締結ボルトがやけに多い。正面だけで9本(ZXRは5本)。剛性メンバーとしてケース剛性を出すのが目的? (右:ZXR250)全高は低く見えるが25Rとほぼ同じ。シリンダー幅は25Rより狭そうだが、これはジェネレーターカバーの割り面の差か。横幅は同じ420mmと出た。

カワサキZXR250×Ninja ZX-25R

(左)【ZX-25R:直立シリンダーで前荷重を稼ぐ?】シリンダーは25Rの方が3mm短く、ZXRよりショートストローク設定の可能性も? シリンダーが立ち気味なのは、エンジンをより前方に接近させ、前輪荷重を増やすのも狙いか? (右)【ZXR250:かなり前傾させて搭載】全高は25Rより10mm小さいだけ。25Rはオイルパンの割り面がほぼ水平となるよう搭載されるようだが、ZXRは左カバーのフィンからも分かるように、割り面より前傾して懸架されている。

他にも排気ポートやカムシャフトの間隔、シリンダーの高さを測ったが、いずれも差は3〜5mm程度と酷似している。関係者によれば、25Rの開発にあたって「ZXRの設計図面は確認はした程度」とのことで、決して旧作のコピーではない。しかし、直4という精緻なメカニズムを250㏄でオーソドックスに設計すると、自ずと似通った仕様になるのかもしれない。

一方、シリンダー前傾角は見た目どおり大きく違い、写真からの推測で25Rが約12度、ZXRが約31度(ともに車載時)。同様に写真から他車のシリンダー前傾角を類推してみたところ、CBR1000RR‐Rは約31度、ZX-10Rも約20度と寝ている。2気筒の現行ニンジャ250も約20度だった。

カワサキZXR250×Ninja ZX-25R

(左)【ZX-25R:シリンダーは前傾12度。外観は至ってマジメ?】シリンダーはほぼ直立し、主要3軸も直線配置の模様。4気筒という点を除いて、ごく普通のエンジンに見える。ジェネレーターは25Rよりフラットな形状で、技術の進化を感じさせる。車体はZXRと同程度にスリムだろう。

主要3軸であるメイン、クランク、カウンターの各シャフトに関しても、現行SSでトレンドの三角配置ではなく、ZXRと同様に一般的な直線配置のようだ。これらの点から25Rの直4は、レプリカ全盛時代のユニットと同等にコンパクトとはいえ、基本設計は「攻めた」ものではなく、極めて普通。言い換えれば堅実な造りと言えよう。その狙いは、やはりコストを抑えつつ、爽快な超高回転を楽しむためと予想できる。なお製造国はタイが有力。複雑な4気筒ながら、既にカワサキはタイでZ900など直4車の生産実績がある。これも当然、コストの抑制が目的だ。

約30年の時を経て、4気筒250ccマシンとして復活するカワサキ ニンジャZX-25R。次ページでは、先代ZXR250とのエンジンの違いについて、微に入り細に入りさらにマニアックに掘り下げる。

●文:沼尾宏明 ●写真:川島秀俊(ZX25R)、岡拓(ZXR250)

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