人気の高いFXRベースのクラブスタイル

ハーレーカスタム FXR/FXRDBBクラブスタイル【RTBモーターサイクル】

昨今のカスタムシーンで、高い人気を誇っている「クラブスタイル」。そのベース車としてファンから根強く支持されているのがFXR系だ。本記事では、RTBモーターサイクルがFXRとFXRDBBの異なる年代生まれの2台をベースに作り上げたカスタムモデルをそれぞれ見てみよう。

ハーレーがオールアルミ素材のエボリューションエンジンをリリースする以前、鉄シリンダーを有するショベルヘッドがまだ現役だった1982年に初期モデルが登場したFXR。80年のFLTフレームに続き、エンジンをラバーを介して搭載するラバーマウント構造(3点懸架)を採用した高剛性なシャシーを持つ。

シート下にサイドカバーを配したデザインは”日本車みたい”と揶揄されたが、その一方でアメリカ西海岸のアウトローバイカーやトップビルダーたちが、ポリス仕様のFXRPを安価で払い下げてカスタムベースとしていたのもまた事実。クラブスタイルのルーツを辿っていけば、その頃のそんなシーンにまで遡らなければならないだろう。

前置きが長くなったが、現代版ではパワフルなTCモーターを惜しみなく投入するのがトレンド。RTBモーターサイクルではS&S製TC97を積み込み、吸排気もスーパーGキャブレターとサンダーヘッダーマフラーで刷新。さらに足まわりも強化し、フロントはダイナ用39mm径トリプルツリーでプログレッシブのカートリッジ式フォークに、リヤはイタリアODC15インチショックで武装した。

凝ったペイントも目を惹くもので、トータルコーディネイトの完成度が高いのはRTBらしさ。ダイナやM8といった高年式車がクラブスタイルの主役となりつつあるが、FXRのオーラは唯一無二。戦闘力を高め、まだまだ勝負の土俵にあげてくるのがRTB流だ!!

人気の高いFXRベースのクラブスタイルカスタム。より次元の高い走りを求めてTCモーターを搭載するのもカスタムトレンドのひとつになっている。3点ラバーマウントフレームは側面のサイドカバー部が特徴だが、販売されていた当時は不人気だった。

フルレストアした車体。クロモリ補強で剛性アップしたFXRフレームに、TC97S&Sコンプリートエンジンを搭載する。スーパーGキャブと組み合わせた。

ODCサスペンションは15インチ。

マフラーはサンダーヘッダー。エンド部を持ち上げるために、ソフテイル用のエキパイにダイナ用のサイレンサーを組み合わせた。

TC用純正キャリパーをワンオフサポートで装着。

手の込んだグラフィックスペイントも舌を巻く。コンソールはリンクルブラックで仕上げた。

2眼メーターそれぞれにバイザーをセットするあたりは、バイクカルチャーに精通するRTBモーターサイクルY.A.S.氏らしい。カワサキZ1など70’Sスタイルにも通じるスタイルだ。

純正クォーターフェアリングを備えた精悍なフロントマスク。

テールエンドのフェンダーラインがスッキリとし、より美しいのはライセンスレイダウンによるもの。

’15FXDBBクラブスタイル:アグレシッブな走りを予感せずにはいられない 

フォワードコントロールだったフットペグをスポーティなミッドに戻し、カーボン製のTスポーツカウルやワイルドワンの12インチ・ハンドルバーでワイルドなスタイルに。チョッパースタイルだったストリートボブリミテッドの面影は、もはやどこにもない。

ベース車両は2015年式FXDBB ストリートボブリミテッド

ツインカム96に入れたスクリーミンイーグルのハイカムSE-255は、トルク重視で常用回転域での力強さが増し、強烈な加速が楽しめる一方で扱いやすさも失われていない。ステンレス管ならではの重厚な低音が響き、ストリートを流すだけで痛快なエキサイティングなライドフィールを獲得している。

前後サスペンションも強化済みで、フロントはダイナ・ローライダーSより移植したカートリッジ式フォークとし、リヤはODCの14.25インチショック。

エンジン下の武骨なスキッドプレートも存在感があるが、これはカリフォルニア・ロングビーチに拠点を構えるパーツメーカー・スピードマーチャント製。こうしたワンポイントでマシンの表情をガラリと変える。クラブスタイルの枠組みの中で個性をアピールした好例だ。

スクリーミンイーグル・パフォーマンスカムSE-255でトルクアップを果たしたツインカムエンジン。

TCBカーボンフロントフェンダー

真紅の3本ラインが目を惹くタンクコンソールもカーボンで軽快感がある。

タンク両サイドのペイントも凝っている。

エキゾーストマフラーはレッドサンダー。ステンレス製で迫力のサウンドを奏でる。

ツーアップシートは足着き性とホールド性に優れるラペラ。

もはや入手できなくなったイタリアTCBカーボンフェンダー。


●取材協力: RTBモーターサイクル ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

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