●取材協力:山下工業研究所
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Z-EALのラチェットハンドルのギヤ歯数は、コーケン製で最多の36歯。世の中の多歯傾向からすれば控えめに思えるが、差し込み部とソケットの四角凹部のガタを排除して回転時の無効角度を限りなくゼロにすることで、実用性能は36歯で十分と判断しているとのこと。
また、歯数を過度に増やさないことでギアの外径をを小さくでき、狭い部分で使いやすいコンパクトなヘッド周りを実現するのにも重要な役割を果たしている。
さらに、ラチェットギアと爪の構造を徹底的に検討することにより、同社がこだわる空転トルクの軽さを維持している。
ラチェットギアの歯数やパウルの形状まで完全新設計されたラチェットハンドル
オーソドックスな見た目と控えめな歯数ながら、ボルト回しの最初から最後までラチェットが使えるよう実践的な性能にこだわり抜いたハンドル。歯数が増えると爪が外れないよう押しつける力が増すが、Z-EALの空転トルクは他社製の36歯と比較して3分の1以下ときわめて軽い。
ラチェットハンドルの素材は表と裏から平らなスプーンのような形状に鍛造され、切削加工でグリップとヘッド部分ができる。ラチェットギアと爪をコンパクトに収納しながら、強い締め付けトルクにも耐えられるよう、ヘッド各部に加わる力も入念に計算されている。
Z-EALのハンドルとソケットのはめ合いがきつく感じるのは、ハンドルの差込部とソケットの四角凹部の二面幅の精度が厳しく設定されているから。ガタが減ればギアとソケットが一体で動き、ラチェットの送り角を有効に使える。
ヘッドを貫通するギアに指を添えると、ソケットを掴まなくてもラチェットの空転を抑えられる。この構造はコーケン製ハンドルが伝統的に受け継いでいる。またソケットのボールディンプルを有効に機能させるため、Z-EALのハンドルは、あえてプッシュボタンを採用していない。
サイズの大きなソケットは熱間鍛造で製造
冷間鍛造では成型できない大きなサイズのソケットは、電気炉で高温に熱した鋼材を熱間で鍛造する。真っ赤に焼けたソケットの二面幅は3インチ近い。下の巨大なソケットは差込角2-1/2インチ、六角部130mmのインパクト用。ここまで大きなサイズは切削加工で製作される。
過酷なテストを繰り返す試験部門
ソケットの強度を評価する静荷重ねじり破壊試験機を新製品の開発や研究に活用。強大なトルクで破壊する検査では、割れて飛び散ったソケットの破片でユーザーが怪我をしないよう、安全な壊れ方を研究することも重要な役割となる。
![Z-EALラチェットハンドル[Ko-ken]](https://young-machine.com/main/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
ラチェットハンドルを振り子のように往復運動させて、ギアの耐久性を検査する繰り返し試験機は、新製品の開発に欠かせない工程。一般的な使い方をはるかに上回る過酷な条件で、耐久性と信頼性を作り込んでいく。 [写真タップで拡大]
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