2019年11月4日、ヤマハが欧州で2020年モデルを発表した。XSR900のRZカラーや排気量アップのTMAX560などと並び、注目したいのがモデルチェンジしたTracer700(トレーサー700)だ。
ツインヘッドライトのR1顔がツアラーに初投入
2016年に欧州で生産・発売され、国内未導入のまま現在に至るTracer700(トレーサー700)に、大幅なモデルチェンジが実施された。エンジンは排ガス規制ユーロ5に対応するとともにデザインを刷新。特に車体前半が大幅に変えられており、アッパーカウルが大きなポイントだ。YZF-R1やYZF-R6と同じようにアイブロウ(眉毛)状のポジション灯+LEDのツインプロジェクターのフェイスデザインをスーパースポーツ以外で初めて採用しているのはかなり新鮮。基本コンポーネントは大きく変わっていないが、このフェイスデザインだけでかなりスポーティな印象になるのが見て取れる。
メーターなどティテールも進化
エンジンは吸排気系の変更で排ガス規制ユーロ5に対応したが、パワーロスは1kW減〈55kW(74.8ps)/9000rpm→54kW(73.4ps)/8750rpm〉に留めている。68Nm(6.9kg-m)/6500rpmの最大トルクと196kgの車重は不変だ。一方でホイールベースが+10mmの1460mmに伸びていることから、現行トレーサー900の改良と同じようによりツアラー性能を高めていると思われる。ライディングポジションはハンドル幅を34mm拡げ、シート高を5mm高めることで自由度と快適性を高めたとのこと。スクリーンは片手で上下60mmの範囲で高さを調整することが可能だ。液晶メーターはネガティブ表示とし、文字デザインやレイアウトも刷新された。
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