スズキの社長みずからが「新型ハヤブサを開発中」とし、2020年モデルとしての登場も期待されていたなか、北米仕様の2020年モデルが従来型のカラーリング変更版で発表された。これにより、今秋のショーで新型が正式発表されることはなくなりそうだ。
曲面を強調するモノカラーにロゴマークというシンプルな2020年型
1999年の初代登場から21年が経つスズキのフラッグシップモデル、ハヤブサ。2008年にモデルチェンジを受けたものの基本骨格は踏襲するなど、現在に至るまで基本設計の確かさと独自のデザインでファンの心をとらえて離さない。
そのハヤブサ、2015年の東京モーターショーで「繭」と呼ばれたオブジェを展示するなど、新型の存在もたびたび話題になっていたが、2018年にはついにスズキの社長みずからが「新型を開発中」と明言。2020年はスズキの前身となる鈴木式織機株式会社の設立から100周年になる(のちに1954年には鈴木自動車工業株式会社、1990年にスズキ株式会社に社名変更)ことから、最高峰のバイクたるハヤブサの新型が登場するにふさわしいと考えられていた。
しかし、北米で2020年モデルが従来型からカラーチェンジを受けて正式発表されたことから、2019年の東京モーターショーで発表→2020年に発売というセンは、ほぼなくなったと見ていいだろう。となれば、東京またはミラノのモーターショーで何らかのコンセプトモデルが展示されるのか、それとも来年以降までファンはやきもきしなければならないのか……。
いずれにしろハッキリしているのは、ユーロ4排出ガス規制に適合していない2020年型の北米仕様が日本で発売されることはない、ということだ。現行型オーナーにとってはひとまず安心と言ってもいいだろう。
2020年型の北米仕様は、『Candy Daring Red』という大胆なキャンディレッドと、『Metallic Thunder Gray』というメタリックかつダーク寄りのグレーの2色をラインナップ。いずれもハヤブサらしいボディの曲面が強調されるモノトーンに、漢字の『隼』があしらわれており、従来のツートーンとはまた違った趣になっている。
1340ccのパワフルなエンジンや、S-DMSなどの電子制御、ブレンボ製モノブロックキャリパーといった装備や主要諸元に変わりはない。
スズキ ハヤブサ[2020年モデル]北米仕様
SUZUKI HAYABUSA[2020]主要諸元■全長2190 全幅735 全高1165 軸距1480 シート高805(各mm) 車重266kg■水冷4ストローク並列4気筒 DOHC4バルブ 1340cc 出力未発表 変速機6段 燃料タンク容量21L■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=190/50ZR17 ●価格:1万4799ドル+395ドル(DESTINATION CHARGE) ※諸元と価格は北米
北米ではGSX-R750/600も生き残っている
日本では2018年にGSX-R750、2017年にGSX-R600が逆輸入車として導入されたのを最後に、これら2車は新車として入荷することがなくなっている。しかし、北米市場では独自の排出ガス規制を採用していることなどから2020年型もニューカラーをラインナップ。新型が投入される気配はなさそうだが、このクラスは軽量で扱いやすく、かつ高いスポーツ性も堪能できるウェルバランスがウリ。いつかまた、日本の排出ガス規制にも適合した新型が登場することを期待したい。
SUZUKI GSX-R750[2020]主要諸元■全長2030 全幅710 全高1135 軸距1390 シート高810(各mm) 車重190kg■水冷4ストローク並列4気筒 DOHC4バルブ 750cc 出力未発表 変速機6段 燃料タンク容量17L■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=180/55ZR17 ●価格:1万2499ドル+395ドル(DESTINATION CHARGE) ※諸元と価格は北米
SUZUKI GSX-R600[2020]主要諸元■全長2030 全幅710 全高1135 軸距1385 シート高810(各mm) 車重187kg■水冷4ストローク並列4気筒 DOHC4バルブ 599cc 出力未発表 変速機6段 燃料タンク容量17L■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=180/55ZR17 ●価格:1万1399ドル+395ドル(DESTINATION CHARGE) ※諸元と価格は北米
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