オフロードマシンGoRIDEで人気の特集をいよいよWEBで公開スタート

[#1 立つ? 座る?]小林直樹が教えるオフロードを楽しむ5つのポイント #ゴー・ライド

令和とともに創刊した「オフロードマシン GoRIDE(ゴー・ライド)」がWEBヤングマシンに登場だ! オフロード総合雑誌で30年以上の実績のある編集部が、ホンダワークスライダーとして全日本トライアルなどで活躍した小林直樹を師範とし、オフロードマシンのテクニックを5つのポイントにわけ紹介する。今回は、オフロードライディングの基本となるスタンディングなどのライディングポジションだ。じっくり読んでポイントを理解したら、ゴー・オフロード!!

ポイント1:ライディングポジション編・・・・・・スタンディングとシッティング

オフロードライディングではスタンディング! と、よく聞くけれど、スタンディングする理由は分かりますか? 理由を理解すれば、身体の反応もスムーズになります!

小林直樹が教えるオフロードを楽しむ5つのポイント

師範:小林直樹 Naoki Kobayashi ホンダワークスライダーとして全日本トライアルに参戦。引退後はトライアルデモンストレーターとして全国各地のイベントで、トライアルの魅力を伝えてきた。ライディングスクールも全国で開催し、オフロードライディングの基礎を分かりやすく伝えることには定評がある。

小林直樹が教えるオフロードを楽しむ5つのポイント

モデルバイクはホンダCRF250Lだ!2012年に発売されたCRF250Lは、ロードモデルと同時開発されたオン・オフモデル。その後2017年にマイナーチェンジし、エンジンはパワフルに、サスはセッティング変更が行なわれ、よりオフロード向けとなり、トレールマシンとしての完成度が高まっている。2019年は、レーサーCRFシリーズらしさを増したグラフィックへと変更された。「クラッチは軽いし、ブレーキもよく効くし、トルクとパワーは必要充分なので、マシンコントロールしやすいね。レースに使うには重さを感じるけれど、シャープすぎないマシン挙動は街乗りや林道ツーリングに最適。手軽にオフロードライディングを楽しめる1台だよ」と直樹師範は高評価だ。●価格:49万7880円

スタンディング:より遠くを見られる ◎重心が下がる △マシン挙動がクイックすぎることも

オフロードではスタンディングしよう! と言われることがあるけれど、そもそもスタンディングって何のためにやるのだろう? 教えて直樹師範!

「スタンディングはステップ上に立って乗ることで、通常のシッティング(シートに座る)よりも目線が高くなる分、遠くを見られるようになるから、状況も早く分かるんだ。状況が分かれば対処もしやすくなり、バランスも崩れにくくなるよ!」

スタンディングは重心が下がることがメリット。一方でマシンの挙動がクイックになりすぎることも。
視点が高くなることで、より遠くを見られる。

ヒジ、ヒジで衝撃を吸収できる!

ハンドルは真っすぐで倒木にアプローチ ・・・・・・ ギヤは1速で早歩き程度のスピードだが、スタンディングとシッティングとでライディングフォームが違う。
ヒジを曲げて衝撃を吸収 ・・・・・・ 倒木で受けた衝撃をフロントサスだけでなくヒジでも吸収するのだ。
後輪からの衝撃はヒザで吸収 ・・・・・・ スタンディングすることでシートとお尻の間にすき間ができる。このすき間を作ることで、上半身に衝撃が伝わりにくくなるのだ。
スムーズにクリア ・・・・・・ ヒジとヒザで吸収したことによって、バランスを崩すことなくスムーズにクリアできた。

シッティング:バランスは崩れにくいが…… ◎楽に乗れる △安定性はあるが素早く反応しにくい 

直樹師範「シッティングでは体重がシートに載っているけれど、スタンディングすることで、シートに載っていた体重がステップにかかる。つまり、シートとステップに分散されていた体重がステップに集約されるから、左右のステップを踏み込むことで、車体の反応がよりダイレクトになるんだ。だからシッティングよりスタンディングのほうがマシンコントロールもシャープに行なえて、マシン挙動がクイックになる。オフロードは路面状況が絶えず変化するから、そうした状況を早く把握し、ギャップやワダチで振られた時もすばやくリカバリーするためにスタンディングするというわけなんだ。スタンディングすると、連続写真のようにヒジとヒザで衝撃を吸収できるから、マシン挙動が乱れにくくなるのが分かるだろう。ただし、マシン挙動もクイックになるから、逆に車体が振られやすいという面もある。それにずっとスタンディングしているのは疲労の原因になる。だから普段はシッティングで、路面が荒れている時にスタンディングでマシンコントロールすればいいんだよ!」

楽に乗れて安定性もあるが、素早い反応はしにくい。
一体感があるのでバランスは崩れにくいぞ。

衝撃が身体に伝わりやすい

ハンドルは真っすぐで倒木にアプローチ ・・・・・・ こちらもギヤは1速で早歩き程度のスピードだが、スタンディングとシッティングとでライディングフォームが違う。
前輪からの衝撃が伝わっている ・・・・・・ 上半身が少し後傾しているのは、前輪に受けた衝撃が腕に伝わっているからだ。
前輪の次は後輪からの衝撃を受ける・・・・・・ベタ座りしているので、シートとお尻の間にはすき間がない。後輪に受けた衝撃が上半身にもろに伝わってくる。
衝撃でマシン挙動が乱れた・・・・・・衝撃でライディングポジションが崩れ、不意にハンドルを切ってしまいマシン挙動も乱れた。衝撃は疲労の原因にもなり、集中力も低下させることになる。

[ポイント2:バランスコントロール編]に続く

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