激戦区のフルカウルはヤマハが一歩抜きんでる?

令和に買いたい!【250ccフルカウル・スーパースポーツ】2019ニューモデル大集合

様々なジャンルのニーゴースポーツが集結。いずれも身近で、操る楽しみに満ちている。最も人気があり、アツいのはフルカウルスーパースポーツだ。カワサキ、ヤマハ、ホンダが三つ巴の戦いを展開。モデルチェンジで覇を競い合っており、加速度的に盛り上がりを見せている。昨年のニンジャに続き、今年はYZF-R25が目玉。初の大幅刷新で攻勢をかける!

人気者がひしめき合う今年の注目はやはりスーパースポーツ

排ガス規制の影響でほぼ絶滅した250スポーツだが、’08年に発売したニンジャ250(当時名称はニンジャ250R)がヒットし、ニーゴーブームが巻き起こった。これを打倒すべく、’15年モデルでYZF-R25がデビュー。パワーと軽さで上回り、一躍クラスの盟主になった。さらに’17でレーシーなCBR250RRが登場し、性能面で圧倒。’18年モデルで立役者のニンジャが完全新設計でリニューアル、’19年に今度はR25がビッグチェンジと話題に事欠かない。

’19最新潮流
・スーパースポーツ系の覇権争いが激化
・フレンドリー路線は変わらず
・スモールアドベンチャーが充実

ニンジャとR25は、日常でのスポーツ性を重視したキャラで、エントリーライダーにも懐にもやさしい。過激スペックのRRが登場して以来、かつての2ストレプリカのようにレース指向&高額化に舵を切るかと思われたが、新型でも現在の路線をキープしている。セールス面では昨年、RRとR25が拮抗してトップ争いを展開したが、今年はR25が一歩抜きんでるか?

ヤマハ YZF-R25:攻めの倒立とライポジ、フォルムで「R」を最大化

「毎日乗れる、スーパーバイク」を掲げ、’15で国内デビューしたR25。’19年モデルでは「Ride the“R”Anytime」をテーマに初の大変更を実施した。白眉は倒立フォーク。国産250スーパースポーツで唯一CBR250RRが装備していたが、ついにR25も獲得した。合わせてライポジは若干前傾し、より攻めの走りが可能に。外装は一新され、待望のLEDヘッドライトを投入したほか、旗艦YZF-R1やモトGPマシンのイメージを色濃く投影している。また、空気抵抗の減少で最高速が8km/hアップ。評価の高い従来型の基本構成を引き継ぎつつ、新フィーチャーで戦闘力を磨いた。

【YAMAHA YZF-R25 2019】主要諸元■水冷4スト並列2気筒 DOHC4バルブ 249cc 35ps/12000rpm 2.3㎏-m/10000rpm 167[170]kg 14L シート高780mm ※[ ]内はABS ●価格:59万9400円[ABS=64万2600円]
M1と同形状のセンターダクトは奥に貫通し、ラジエターに走行風を導く。レースではラムエアダクトとして活用できる。カウルの横と下部にウイングも装備。
新採用の角型フル液晶メーターとトップブリッジでモトGPマシンYZR-M1風のコクピットに。ハンドルはブリッジ下に移設し22mmダウン。適度な前傾でフロント荷重も容易に。
従来のφ41mm正立に対し、KYB製φ37mm倒立に変更。片側にのみダンパーとバネを備えるセパレート式だ。キャリパーは不変。
インナータンクとタンクカバーも新作。20mm低く、ヒザ付近で31.4mmワイドになった。前方は腕を収めやすい形状だ。サイドのスリットもM1やR1風。
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ホンダ CBR250RR:本気で造り込んだ速さとクオリティ

旗艦SSのCBR1000RRと同じ「トータルコントロール」をテーマに、完全新設計で’17年に国内デビュー。ショートストローク設定のパラレルツインは、クラス最強の38psをマークするほか、250初の電制スロットルでリニアな特性や3種類のモード変更による変幻自在の走りを体現している。車体は、高剛性トラスフレーム+φ37mm倒立フォークで堅め、サーキットでも別格の速さを見せる。加えてLED2眼ヘッドライトをはじめ、エッジィなフォルムも圧巻。価格帯はライバルより上だが、その実力は本物だ。’19年モデルではCBR1000RR SPと同じHRCカラーのトリコロールが登場し、ABSとノンABSに設定。

【HONDA CBR250RR 2019】主要諸元■水冷4スト並列2気筒 DOHC4バルブ 249cc 38ps/12500rpm 2.3kg-m/11000rpm 165[167]kg 14L シート高780mm ※[ ]内はABS ●価格:83万9160円/[ABSなし=78万8400円]
[CBR250RR・STDカラー]●価格:80万6760円
[CBR250RR・STDカラー]●価格:80万6760円
[CBR250RR・STDカラー]●価格:80万6760円
大型車並みに広大なワンパネル液晶メーター。クラス唯一の電スロ+パワーモードが光る。
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カワサキ ツイン最軽量、懐の広い万能スポーツ

スポーティなルックスと扱いやすさで250ブームの火付け役になった1台。現行型は’18年に登場した3代目となる。歴代初のフルチェンジを受け、並列ツインは大型スーパースポーツと同様、高効率のダウンドラフト吸気や大径ボディを採用し、37psをマーク。さらに、最新の解析技術を用いて軽量化を進めたトレリスフレームにより、車重はABS付きの国産250スーパースポーツで最も軽い。ハードルの低さはそのまま、より限界を高めた性格だ。’19では色変更を実施。従来の青と黒×赤に代わり、銀×黒、黒を設定した。

【KAWASAKI NINJA 250 2019】主要諸元■水冷4スト並列2気筒 DOHC4バルブ 248cc 37ps/12500rpm 2.3kg-m/10000rpm 166kg 14L シート高795mm ●価格:64万440円(銀×黒)
メーターはアナログタコと反転液晶をスタイリッシュに組み合わせ、高級感抜群。Fフォークはイージーな乗り味を踏襲すべく、敢えて正立を選択するが、大径φ41mmで剛性は十分。
[NINJA 250]●価格:62万9640円(黒)
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ニンジャ250

スズキ GSX250R:実用域のスポーツ性能が秀逸

GSR250をベースに、専用の吸気バルブとローラーロッカーアームでエンジンをリファイン。24psと最高出力は控えめながら、ロングストローク設定やSOHC2バルブの素性を活かし、多用する8000rpm以下の走りを磨いた。この領域のスポーティさはライバルと互角以上だ。外観はGSX-R風のフルカウルで実にシャープ。手頃な価格もうれしい。’19年モデルでモトGPマシンに忠実なカラーを設定した。

【SUZUKI GSX250R 2019】主要諸元■水冷4スト並列2気筒 248cc 24ps 2.2kg-m 178kg 15L シート高790mm ●価格:52万7040円~
兄貴分のR1000を思わせる角型フルパネル+反転液晶。ギヤ表示とREVインジケーターがレーシーだ。燃料計や平均燃費、時計も表示。
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KTM RC250:軽快コーナリングマシン

RC390 の心臓をボアダウンして搭載。WP製φ43mm倒立フロントフォークをはじめ、スリッパークラッチ、クラス唯一のラジアルマウントキャリパーと装備も豪華だ。鋼管トレリスフレームの車体は圧倒的な安定感と軽さを誇り、コーナーが楽しい。ハンドルは適度な前傾で、ツーリングからサーキットランまで満喫できる。

【KTM RC250 2019】主要諸元■水冷4スト単気筒 248.8cc 31.2ps 2.49kg-m 147kg(半乾) 10L シート高820mm ●価格:59万9000円
オレンジのバックライトが光る多機能メーター。バーグラフ式のタコやギヤポジションを表示し、ABSのキャンセル機能もあり。