馬力も車重も変わらない、なのに……

ヤマハ新型YZF-R25【3番勝負!】新旧/ニンジャ250/CBR250RR[#01]新旧対決&4車ライポジ比較

  • 2019/5/17

新型YZF-R25は日本仕様もすでに登場したが、それを待ってはいられなかった我々ヤングマシンは、急きょインドネシアにフライト。ひと足先に発売されている現地仕様に乗り、ライバルたちとのガチ対決で性能を確かめてきた! 第1弾としてお送りするのは新旧R25対決、そして4車ライディングポジション比較だ。

新生YZF-R25と対決するために旧YZF-R25、ニンジャ250、CBR250RRを現地協力部隊の手によって用意。テスターとして、おなじみWITH MEプロフェッショナルレーシング会長の丸山浩に加え、アジアロードレース選手権でも腕をふるうモチヅカレーシングサービス代表の持塚一馬の2人が挑戦だ。

【セントゥール・インターナショナル・サーキット】テストコースのセントゥールサーキットは、インドネシアのボゴールにある国際格式サーキットで、’94年に完成。’96・’97年にWGP・世界グランプリも開催されたが、その後のアジア金融危機で影響を受けてしまった。現在はアジアロードレース選手権などの舞台として活躍し、再び世界的な脚光を浴びている。全長は4.12km、コーナー数は12。

脚だけで新型が圧勝! ここまで違うとは!! 硬さと共にしなやかさで好ハンドリングを生んでいる

最初はYZF-R25の新旧対決だ。結論から言うと、新型は先代を驚くほどはるかに凌駕する戦闘力を身に付けてきた。タイムで見ると、ざっと3秒もの大差。エンジン自体はユーロ4を通しているなかでいろいろ工夫してきた先代と同じでスペック数値も変わらず。今回計測した最高速で見ても、先代の159.0km/hに対して新型は160.6km/hとほとんど違いはない。だから、違いはどこで生まれているかというと、それはもう倒立フォークとなった足まわりに他ならない。

スペック:両車とも35ps/12000rpm、2.3kg-m/10000rpm、167kg

その足まわりは、新型で走り出すと最初こそ“相変わらずヤマハらしいしなやかさだな”と思わせるも、ちょっと強めのブレーキをかけると“おっ”と嬉しい感触。サーキットだとスコーンと一気にフォークが底付きしようなものだが、そこをキューッとダンピングが効いて奥で踏ん張ってくれる。サーキット走行でも応えられるしっかりしたコシの強さが光る。このコントロール性の良さが安心感とも結びついて、先代だとちょっと無理そうなコーナリング速度でも、新型ではエイヤっと思い切って攻め込んでいける。なるほど大きなタイム差が生じてくるわけだ。

一方、先代は最初から終わりまで一貫して柔らかいサス。前後のピッチングを分かりやすくし、ビギナーにもバイクの操り方を覚えさせるような味付けを感じさせた。これはこれでストリートメインとして別に間違いではない。しかし、サーキットで走らせるにはさすがにそのままでは力不足だった。動きやすい先代サスの方がギャップで荒れたセントゥールの路面にも強いかと思ったら、そんなことはなかった。ドスンと行ったらなかなか収束せずアウトに孕んでいってしまう。新型もギャップで跳ねるのだが、その後が迅速に収束してラインをキープしてくれる。この質のよさはサーキットで正義だ。

サス自体で言えば前後とも、実は今回用意したライバルたちの中で最も新R25が硬かった。でも、街中で走ってみても特にゴツゴツする感じはせず、ストリート寄りを捨ててガラリとサーキット寄りへと方向性を変えたわけではなさそうだ。日本仕様でこのサス設定が変わってくるか分からないが、少なくともインドネシア仕様に乗った感触では、ストリートでも十分に楽しめつつ、なおかつサーキット戦闘力の大幅向上で“よくぞやってくれた”の一言だ。

新YZF-R25:ラップタイム2分2秒5/最高速度160.6km/h [WIN!]
旧YZF-R25:ラップタイム2分5秒6/最高速度159.0km/h

車両はともにインドネシア仕様の新旧YZF-R25だ。

ライディングポジション:身長168cm/体重61kg

[新]YZF-R25:攻めやすく、でもイキすぎず/シート高780mm

ステアリングは22mm低くなって攻めやすくなったとはいえ、そんなに前傾がきついわけではなく、街乗りでも快適。ハンドルも絞られてこれまた攻めやすくなっているがタレ角はなく手首への負担は少ない。足着きはかかとまでベタベタなうえ、足を下ろしてもステップが邪魔にならず、ヒザにやや余裕が生まれるくらいと良好だ。

[新YZF-R25]シート高780mm

[旧]YZF-R25:街乗り用では、これが最適解/シート高780mm

跨ってみるとサスが柔らかくてマシンが沈み、足着き性では新型よりこちらが上。ハンドルはサーキットで攻めるには高さを感じてしまうが、街で乗るには非常に扱いやすくていい感じ。グリップに自然に手を伸ばすとほとんど前傾しないポジションとなる。タンク上面の形状なども伏せたときのアゴの収まりやすさでは新型の方が上だ。

[旧YZF-R25]シート高780mm

ニンジャ250:旧R25より、ちょいスポーティ/シート高795mm

足着き性は新旧R25の中間という感じで、ニンジャもなかなか。もちろん、かかとベタベタでヒザにも余裕がある。ハンドルの高さもやはり中間。タレ角があるのとグリップ間が狭いのでスポーティ感がある。スクリーンは新R25より低く、サーキット前傾時はしっかり伏せないと風を浴びてしまう。

[Ninja 250]シート高795mm

CBR250RR:これぞスポーツのライポジ設定/シート高790mm

跨ると腰高感があって、低めのハンドルバーに手を伸ばすとしっかりフロントに荷重が乗るスポーツバイクらしい前傾ポジションが得られる。スクリーンは低めでカウル横幅も狭く、サーキットでは身体を小さく折り畳んで乗る感じだ。腰高感はあるものの足着き自体はタンクもスリムで、かかとまで接地するためまず問題はない。

[CBR250RR]シート高790mm

コックピット&エルゴノミクス

[新]YZF-R25:ライポジ風景も一新

モトGPレーサーのYZR-M1を彷彿させるコクピットまわり。燃料タンクは上面を20mm下げ、タンクカバー形状も変更されて伏せやすく。スタンダードなスポーツバイクのポジションになった。シート高はライバル比でもっとも低い780mmで不変。デジタルメーター採用もうれしい。

[新YZF-R25]スリット入りのトップブリッジもうれしい。

[旧]YZF-R25:漂う「一世代前」感

シート高780mmはライバル中でもっとも低く、また高いハンドルクランプ位置も相まってアップライトな街乗り向けのポジションとなる。サスペンションの沈み込みも新型に比べると大きめで、足着きにはより安心感がある。シート形状はフラットで自由度があるものとされている。

[旧YZF-R25]なんの不満もないが、世代の違いは感じる。

ニンジャ250:スポーツ&ツアラーの王道

シート高は4車中でもっとも高い795mmだが、足着きに不安はない。ライバル比でいうとやや大柄なポジションだが、スポーティさと快適性のバランスはいい。メーターなどの作りもオーソドックス。燃料タンクは’18年モデルからスリムになっている。クラッチレバーの軽さも秀逸。

[Ninja 250]アナログ感を残したメーターが特徴。

CBR250RR:スポーツを極めた装備

シート高は790mmと中間的だが、グリップの位置はひと際低く、ポジションの前傾度も強い。かなりスポーティな設定だ。メーターは反転表示のフルデジタルで、パワーモードを備えるなど先進性もある。燃料タンクはホールドがしやすく、サーキットで攻めやすい形状だ。

[CBR250RR]機能満載、フォークトップのブルーアルマイトなどコストもかけている。

ヤングマシン次号7月号(5月24日発売)では国内比較テストを敢行!

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帰ってきたネイティブ足立区民。ヤングマシン、姉妹誌ビッグマシンで17年を過ごしたのち旅に出ていた編集部員だ。見かけほど悪い子じゃあないんだぜ。
■1974年生まれ
■愛車:MOTOGUZZI V7 SPECIAL(2012)