第47回マシン・オブ・ザ・イヤー2019

ナンカイライディングスクール/那須MSLライディングスクール

【慣れるより習え】確実に上手くなれる、ステップアップ式 上達法とは?

  • 2019/4/28

初心者やリターンライダーはもとより、長くバイクに乗っていてもなぜか怖さが抜けない、本当に正しいライディングができているのか自信がない……。そんなライダーはけっして少なくないことだろう。以下に紹介するインストラクター・中井直道さんは、数多くのライダーに基礎ライディングを教えてきたエキスパート。その『ステップアップ式』による上達方法とは?

PHOTO:Takeshi TSURUMI

誰にでも出来る、けれど誰にでも役に立つ

筆者が中井さんに出会ったのは2010年、ヤングマシンの姉妹誌『ビッグマシン』の取材で那須MSLライディングスクールを訪れた時だった。中井さんのスクールは、2本のパイロンを並べて、その2本を交互に回って8の字を描くようにする、いわゆる8の字がベースになった練習法が基本。最初は正直に言って「地味だな」と思ったものだ。

ところが、中井さんの8の字にはそれまでにない説得力を感じた。それは、「1.最初の段階ではまず大回りでもいいから左右均等に回れるように」「2.できるようになったらリヤブレーキを使って小さく曲がりましょう」「3.曲がれるようになったらスロットルを開けてしっかり加速しましょう」「4.フロントブレーキでメリハリを出しましょう」という、順を追った教え方が、まったく無理のないものに思えたからだ。

じっさい、その時に体験取材した当時の編集部員は、走行開始間もなくと終了間際で、まったく別人のように思えるほどメキメキと上達を遂げたのだった。まあ、しばらく経ったら半分くらいは忘れてしまったようであったが。

それでも、スクールで何かを得たのは間違いないようだったし、定期的に通うことができればもっと上達するであろうことは想像に難くなかった。

こちらは2019年3月23日の那須MSLで行われた『レッドバロン・ステップアップ試乗会』でのひとコマ。テクニック目的ではないライダーたちにも、スクールのさわりを紹介している。

中井さんは2010年当時、猪名川サーキットという、兵庫県の小さなサーキットで定期的にスクールを開催していた。猪名川でのスクールは17年間におよび、そこで得たノウハウは『ビッグマシン』でもたびたび紹介させてもらい、人気コンテンツのひとつになっていった。そして現在は、ナンカイライディングスクールや那須MSLライディングスクールのメインインストラクターとして活躍しているほか、世界耐久選手権王者の北川圭一さんが主宰しスズキの竜洋テストコースで開催する『北川圭一ライディングスクール』などで裏方として運営を担っていたりもする。

「慣れるより習え」なんです

さて実践編だ。まず基本動作を確認する前に、中井さんのスクールのルーツを紹介しよう。(以下、ビッグマシン2011年1月号より抜粋)

「安全というテーマを元々持っていたこともありますが、実はバイクと並行して“基礎スキー”というスキーの技術を学んでいたんです。それを学んでいく際、上達していく手順がしっかりと確立されているのが印象的でした。どうしてかと調べたら、欧州のスキー場では入り口の前にスクールの看板がたくさん立っていて、みなさん滑る前にちゃんと習ってから、山へと入っていく文化があるとわかったんです。『習うより慣れろ』の我流ではなく、必要な下準備として基礎を習っておく。バイクにもこうしたものが必要なんじゃないか、と思ったわけです。そして、誰でも上達していける手順作りに取り掛かりました。開校以来、内容は変えていません」

これはビッグマシン2011年1月号で語られた内容だが、その後の取材を通して、またごく最近の那須MSLでの講義を見ても、その信念は変わっていないように見える。

基本動作、できていますか?「まずは自分を知ってほしい」

スクールなどで学ぶことの一番の意義は、今の自分の技量を知ること。それが、普段の何気ない走りの中に生きてくるものなのだ。走り込むことも大切。でも、常に考えながら、必要ならば教えてもらいながら、自分を知り、安全に無理なく上達していってもらいたい。せっかく大好きな愛車に乗っているのだから、諦めてはもったいないのだ。

【走】バイクの醍醐味ともいえる、スロットルを開ける場面。でも、車体をきちんと立てる前に、気持ちと勢いだけで開けていませんか?

【曲】現代のバイクは寝かせばそこそこ曲がる。でも、惰性でバイク任せなのではなく、もっと思い通りに曲げる方法がある。

【止】きちんと走るためには、止まる技術が不可欠。たとえどんなにいいブレーキがついていても、止めるのは「人間の指」なのだ。

「その走りが、たとえ雨の中でも同じようにできるのか、考えてみましょう」

寝かせるのを怖がらないタイプの人に多い、バンク角を深めてバイクなりに曲がっていく手法。でも、今の自分の走りが雨の中でも同じようにできるのか、常に問いかけてみる意識も大切だ。できるだけ寝かさずに曲がるにはどうしたらいいのか? それも基礎ライディングの中で見つけていくことができるはず。

こんな走りをイメージしていても、それが雨の中でもできるのか、考えてみてほしい。

「目線と下半身でバイクを曲げる」に続く(後日公開)

ライディングスクール情報

ひとつめに紹介するのは、ナンカイライディングスクール。今年は4月20日に第1回目を開催している。今年で6年目となる同スクールは、今年も神戸スポーツサーキット会場を拠点に7開催、そして名阪スポーツランドで2開催と、近畿圏で合計9開催。そして特別開催として、3年目となる関東圏開催を袖ケ浦フォレストレースウェイで1開催、行われる予定だ。

ちなみに第1回の神戸スポーツサーキットでは、申し込み開始日からほぼ10日間で定員に達し、開催日の1か月以上も前に締め切るという人気ぶり。42名の参加者のうち、初参加が18名という構成で、中心となるのは40~50歳代だが、初参加18名、女性7名、20~30歳代は6名とバラエティに富んでいる。

第2回となる5月の神戸スポーツサーキット開催はすでに定員となって申し込みを締め切っている。これから申し込むなら、6月22日開催の第3回・神戸スポーツサーキット(申し込み期間:5月11日~6月15日)が直近だ。

2019年度 ナンカイライディングスクール 開催スケジュール

第1回   4月20日(土) 神戸スポーツサーキット(終了)
第2回   5月25日(土) 神戸スポーツサーキット(締切済み)
第3回   6月22日(土) 神戸スポーツサーキット
第4回   7月13日(土) 名阪スポーツランド
第5回   8月10日(土) 神戸スポーツサーキット
第6回   9月 7日(土) 神戸スポーツサーキット
第7回  10月19日(土) 神戸スポーツサーキット
第8回  11月 9日(土) 名阪スポーツランド
第9回  11月30日(土) 神戸スポーツサーキット
★特別開催 10月26日(土) 袖ヶ浦フォレストレースウェイ
【詳細は下記ホームページにて】
・南海部品公式HP  http://www.nankaibuhin.co.jp
・スクールページ  http://www.nankaibuhin.co.jp/school/index.html

2019年度 那須MSLライディングスクール 開催スケジュール

「もっと安全に走れるようになりたい」「もっと上手く乗りこなしたい」といった、普段の安全運転に役立つカリキュラムを中心に、ライディングの基礎や実践的な技術を、各参加者のレベルに合わせて学ぶことができる。8の字を基礎として曲がる、走る、止まるを磨くと同時に、バイロンスラロームや目標制動、危険回避を学ぶ。最後の仕上げはサーキット走行(レーシングではない)が待っている。

第1回  4月6日(土)  ワンデイ 【基礎から応用編】(終了)
第2回  4月7日(日)  ワンデイ 【基礎から応用編】(終了)
第3回  6月8日(土)  ワンデイ 【基礎から応用編】
第4回  6月9日(日)  ワンデイ 【基礎から応用編】
第5回  8月3日(土)  ワンデイ 【基礎から応用編】
第6回  8月4日(日)  ワンデイ 【基礎から応用編】
第7回  10月12日(土) ワンデイ 【基礎から応用編】
第8回  10月13日(日) ワンデイ 【基礎から応用編】
【詳細は下記ホームページにて】
・那須MSL公式HP  http://nasumsl.redbaron.co.jp/
・スクールページ  http://nasumsl.redbaron.co.jp/school/riding.html

中井直道さんのプロフィール

鈴鹿8時間耐久ロードレースへの出場回数は20回という、国際A級レーシングライダーとしての経験を持つ。ビッグマシン誌などでライディングテクニックの記事多数。ライディングスクールには運営、インストラクターとして数々のスクールに携わる。大阪府出身54歳。インストラクター歴は25年目となる。

資格:
・全日本交通安全協会 二輪車安全運転推進委員会 二輪車安全運転特別指導員
・MFJ(日本モーターサイクルスポーツ協会) 公認インストラクター
・ブリヂストンモーターサイクルタイヤ スーパーバイザー
・LSO(モータースポーツライフセービング) 認定
役職:MFJ 近畿支部ロードレース委員

関連する記事/リンク

※本記事の内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。

ヨ

記事一覧を見る

帰ってきたネイティブ足立区民。ヤングマシン、姉妹誌ビッグマシンで17年を過ごしたのち旅に出ていた編集部員だ。見かけほど悪い子じゃあないんだぜ。
■1974年生まれ
■愛車:MOTOGUZZI V7 SPECIAL(2012)