立ち上がりは空冷組、後伸びは水冷組

ホンダ人気の原付二種×5台イッキ乗りテスト#3〈加速性能編〉

ホンダ原付二種×5台イッキ乗りテスト

法定最高速度は60km/hで二段階右折不要など、なにかとメリットの多い原付二種。このクラスに個性的な13機種を投入しているホンダ車から5機種(モンキー125、CB125R、クロスカブ110、グロム、PCX)をピックアップし、往復240kmの下道ツーリングテストを敢行した。大排気量車とは異なり、エンジンの全回転域を使い切れるのが原付二種の魅力。ゆえに動力性能の優劣は選択の基準となりやすい。本稿#3ではクローズドコースで加速性能と最高速をチェックした。

↓【#2:主要装備編を読む】↓
関連記事

法定最高速度は60km/hで二段階右折不要など、なにかとメリットの多い原付二種。このクラスに個性的な13機種を投入しているホンダ車から5機種(モンキー125、CB125R、クロスカブ110、グロム、P[…]

ホンダ原付二種×5台イッキ乗りテスト

CBが加速、最高速ともトップに。グロム、モンキーも大健闘!

下図はスロットル全開で加速したときのグラフだ。スタートから最高速に到達するまでトップを快走するのはCB125Rで、これは体感的な加速感とも一致する。これに続くのが空冷エンジンのグロムとモンキーで、この2台は3速で引っ張りきるまでなかなかの加速を見せる。CBに次ぐ12psを発揮するPCXは、200m付近で先行するグロムとモンキーをパス。クロスカブは最もパワーが低いことに加えて、変速時の加速の落ち込みがグラフにも現れている。

ホンダ原付二種×5台イッキ乗りテスト

最高速のランキングについては、純粋にパワー順となった。特に後半の伸びが顕著だったのはPCXで、eSPエンジンの実力の高さに加え、エアロダイナミクスの良さが功を奏したと考えられる。クロスカブは伸び上がりこそ他の4車ほどではないにせよ、実測90km/h超は立派だ。

【実測DATA】普段使いの超多用領域=0-60km/h到達秒数(最高速)
第1位:CB125R[13ps]5.349秒(108.40km/h)
第2位:グロム[9.8ps]6.234秒(100.75km/h)
第3位:モンキー125[9.4ps]6.515秒(100.82km/h)
第4位:PCX[12ps]6.806秒(105.27km/h)
第5位:クロスカブ110[8.0ps]8.712秒(91.58km/h)

加速力、最高速ともに1位となったのはCB125Rだった。最高出力だけでなくパワーウエイトレシオでも5車中トップであり、さらに唯一の6段ミッション(グロム、モンキー、クロスカブは4段)が功を奏し、体感的にも速さが頭一つ抜きん出ていた。これに続くのがグロムとモンキーだ。この2車のエンジンは基本的に共通であり、車重もほぼ変わらないのだが、出力特性やタイヤの偏平率の違いが微妙な差に現れた模様。PCXは無段変速式ゆえにスロットルを開け続けられるので、一般公道での速さ“感”はCBと同等かそれ以上だ。クロスカブは排気量の差が顕著に現れたと言える。

加速フィールは5車5様。実用性はどれも及第点だ

今回の5台、CB125Rのスポーティな水冷シングル、燃費と走りを両立したPCXのeSPエンジン、そしてスーパーカブ系の水平シリンダーを採用したグロム、モンキー、クロスカブの3タイプに大きく分類できる。

CB125R

CB125Rは快活な吹け上がりが特徴で、レッドゾーンの始まる1万1000rpm手前まで淀みなく伸びていく。しかもレスポンスが忠実なことに加え、6段ミッションを駆使することで高回転域を維持できるので、外観に見合うだけのスポーティな走りが可能なのだ。それでいて街中をトコトコと流せるほど低中回転域のトルクもあり、実用性も高く評価できるのだ。

HONDA CB125R [2018]
HONDA CB125R [2018]

PCX

PCXのeSPエンジンは、スクーターらしく裏方に徹しているのが最大のポイント。体に伝わる微振動は限りなく少なく、単気筒とは思えないほどスムーズ。それでいてスロットルを開ければしっかりと加速し、バイパスの速い流れをリードすることも可能。さらにアイドリングストップも備えるなど、このクラスのスクーター向けエンジンとしては最高レベルの実力だ。

HONDA PCX [2018]
HONDA PCX [2018]

グロム&モンキー

グロムとモンキーは手動クラッチの4段ミッションを採用。基本的には同系のエンジンだが、吸排気系の違いによりモンキーのほうが低中回転域のトルクが厚い。その違いは乗り比べると明らかで、モンキーは街乗り、グロムはスポーティな走りに向いている。

HONDA GROM [2018]
HONDA GROM [2018]
HONDA MONKEY 125 [2018]
HONDA MONKEY 125 [2018]

クロスカブ

クロスカブは、4車よりも排気量が少ない分、発進加速でやや遅れるものの、牧歌的な加速フィールとレスポンスはこのバイクならではのもの。単気筒らしい味わいなら5車中1番だ。

HONDA CROSS CUB 110 [2018]
HONDA CROSS CUB 110 [2018]

…というわけで、次稿では原付二種の魅力である軽快性についてインプレッションをお届けしよう。

【#4:軽快性能編に続く(準備中)】

●写真:真弓悟史

※ヤングマシン2019年9月号掲載記事をベースに再構成

このバイクに関連する記事/リンク

関連記事

法定最高速度は60km/hで二段階右折不要など、なにかとメリットの多い原付二種。このクラスに個性的な13機種を投入しているホンダ車から5機種(モンキー125、CB125R、クロスカブ110、グロム、P[…]

ホンダ原付二種×5台イッキ乗りテスト
関連記事

法定最高速度は60km/hで二段階右折不要など、なにかとメリットの多い原付二種。このクラスに個性的な13機種を投入しているホンダ車から5機種(モンキー125、CB125R、クロスカブ110、グロム、P[…]

ホンダ原付二種×5台イッキ乗りテスト
関連記事

昨年2018年末の第46回マシン・オブ・ザ・イヤー(MOTY)開催を記念して、『ヤングマシン』本誌とヨシムラのコラボとなるスペシャルモンキー125が誕生。3/22〜24の東京モーターサイクルショー20[…]

ヤングマシン×ヨシムラ モンキー125カスタムプロジェクト